第593話 学校へ行こう
ケビンと
「――ッ!」
それは、初めて
今まで散々嬲られてきたケビンは、ただ無為に時間を過ごしていたわけではない。やられている中でも
ここはケビンの言う通りで地球ではなく異世界。そこで生まれ変わったケビンには、異世界ならではのスキルという強い味方が付いているのだ。
【センス】という何事においても感覚が研ぎ澄まされ、ケビンの成長の糧としてくれるものや、【並列思考】という別々の処理を同時進行で行ってくれるスキルがある。
それらの恩恵を受けたケビンは、最強の格闘ゲーマーの技術を収集していき、時間が経てば経つほどにケビンの格闘ゲーム技術が向上していったのだ。
それに驚いていたのはなにも
「うそ……」
「
――『K.O.』
終わってみれば
「やっと1発だ。この1発は大きいぞ」
「……にぃ、ズルした?」
その結果を受け入れたくないのか
「ズルなんてしてない。それは対戦してた
「……嘘つきのパターンじゃない」
「当たり前だ。それにズルの仕様がないだろ。チートコードを仕込むにしてもゲーム機を起動してからだし、その仕込む現場を
「確かに」
「お兄ちゃんの疑いは晴れたか?」
「ごめんなさい、にぃ」
「別にいいさ。
「……負けない!」
それから対戦を再開させた2人は、今まで以上に集中していく。ケビンは
今まで以上に白熱するバトルはその後も続くのだが、お昼になりケビンが食事を出して休憩を入れる頃には、
その後、夕ご飯時にまた食事休憩を入れた頃には、
そして、2人の対戦はお風呂後にまた再開することとなった。兎にも角にも、勝負の最中と言うことで2人はカラスの行水かのごとく、さっさとお風呂を済ませてしまい、
それから勝負を再開させた2人は刻々と時間が過ぎていく中で、ケビンは順調にダメージを与えていくことに執念を燃やし、
やがて日付が変わりそうになる頃、とうとうその時が訪れる。
――『K.O.』
試合の終わりを告げる大型モニターからの声が聞こえると、今までと違うのはケビンの操作するキャラが勝利のポーズをとり、
その差は僅かパンチ1発分の体力ゲージ。だが、その1発分が勝負の行方を左右していた。体力ゲージが残っているのはケビンの操作するキャラで、
「勝った……」
「負けた……」
「本当に勝っちゃった……」
「おにぃ、すごい……」
ようやく勝てたケビンは喜びの気持ちもあるが、集中が切れたのかどっと疲れが出てしまい、その場でコントローラーを投げ出し寝転んで脱力すると、固まった体をほぐすために伸びをする。対して
そのような中で、寝転がっているケビンに
「健兄、
「ん? ああ。それは当然エッチなご奉仕だ」
「やっぱり……」
「安定だね……」
ケビンの要求内容に呆れている
「コスプレさせる。あとはイメプレ」
「業が深いよ、健兄」
「
「これは
「嘘でしょ!?」
「聞いてないよ!?」
「言わなかったか?」
「「言ってない!」」
あっけらかんとするケビンに抗議する
「それなら2人は俺が
「え……それはちょっと……」
「苦行過ぎる……」
ケビンと
「じゃあ、参加決定ということで」
「うっ……やむなし……」
「何されちゃうんだろう……」
「にぃ、私は何をするの?」
「とりあえず、これを着てくれ」
そう言うケビンが体を起こし【無限収納】から取り出したのは、2人分のブレザーと1人分のスーツだった。
「これ、うちの制服……」
「懐かしい~」
「え……スーツってことは……先生役っ!?」
それを見た
実はケビンがこれを着せようと思ったのは、月見里たちとの逢瀬が原因である。その時に学校プレイを楽しんだケビンは、どうせならと今後のことを考えて
当然のことながらソフィーリアはこれを快諾し、ケビンは嫁となった元女子高生の人数分だけ頼んでいたのだが、何故かそれ以上の数がケビンの【無限収納】の中に入っていた。
そのことに対してケビンは一抹の不安を感じてしまったが、先のことは深く考えないようにして現実逃避して逃げたのだ。
しかしながら
「これを着て欲しいなら言ってくれれば、こっちに来た時のがポーチの中にあるのに」
「それは俺からのプレゼントだ。こっちに来てから多少なりとも体が成長したりもしただろ? 戦闘訓練とかもしていたんだし、元の体型のままってことはないはずだ」
「確かに……」
「それに代えの服を支給されるまでは制服だっただろうし、ほつれていたり傷んでいたりしているかもしれない。ということで、生着替えからよろしく」
ケビンがそう言うと、
「よし、俺も準備するか」
三姉妹の準備が終わったところでケビンもまたコスイメプレをするために、【肉体構造変化】スキルを使って自らの見た目を前世である健の18歳時の姿に変え、ブレザーに袖を通した。
「健兄……その姿……」
それも当然のこと。三姉妹は健がこの世を去ってから、祖父母が保管していた健の成長日記とも言えるアルバムを、穴が空くほど何度も何度も見返しているのだ。たとえ健の姿が何歳の姿であろうと、その三姉妹が見間違えるはずもない。
そして自然と足の進む三姉妹は、そのまま健に抱きつくとわんわんと泣き出してしまう。
「健兄っ、昔の健兄っ!」
「おにぃ、おにぃ!」
「にぃ、ずっと一緒!」
それからしばらくは
すると、ケビンはシリアスな空気を読まず、欲望を満たすための設定を割り振っていく。
「
我欲を突き進むケビンに三姉妹は苦笑いを浮かべるが、ケビンの決めた業の深い設定を快く了承すると、ケビンの待ちに待った学校プレイがスタートする。
『ソフィ、学校を再現してくれ』
『わかったわ。ついでにオプションもつけておくわね。好きなだけ楽しんで』
『助かる、ありがとう』
そして、ソフィーリアの力が発動すると寝室の景色から一変、そこは
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「
今現在、健は誰も来ない用具倉庫にて、
この状況に至った経緯は
その柱に縛りつけられている健は今現在、
「やっと2人きりだね、にぃ」
妖しく舌なめずりをする
「さ……
「話して済むなら戦争は起こらない」
「ぐっ……」
痛いところを突かれてしまった健は言葉に詰まる。そして、ジリジリとにじり寄る
その
「にぃが半脱ぎフェチなのは知ってる」
「ふぇっ??!!」
唐突なことを言われて混乱する健だが、いつの間にか育っていた
「にぃのベッドの下、しかも壁側の奥の箱」
「ちょっ!?」
「手前にはスポーツ誌などの箱でカムフラージュ」
「まっ!?」
健は思い当たる節があり過ぎてダラダラと汗を流す。
「嬉しかった。コレクションの中には兄妹モノの雑誌もあった」
「ぷげらっ!」
「妹から襲われたいんだよね? 草食系のにぃらしい」
「ちょげらっ!」
「大好きだよ、にぃ」
それから健は
「……妹に襲われてしまった……」
「んふふ……コレクションのお話みたいになっちゃったね。これからもいっぱい子作りしようね、お兄ちゃん」
嬉しそうにお話のセリフを言う
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
お昼になろうかという時にようやく
「やっちまったなぁ……」
流れていく雲をぼーっと眺めながら感慨にふける健は、これからどうしたものかと思考がぐるぐると回り、出口のない迷路を攻略している感覚に陥っていた。
そのような状態の健に影が差す。
ふと視線を頭頂部側へ向けてみれば、そこで仁王立ちしている
「……ピンク」
ボソッと呟いた健の言葉が聞こえたのか、
「エッチ!」
(
双子ゆえという安直な思考のもとで、下着も同じものを選んでいると想像していた健だったが、意外にも色が違ったのでどこか新鮮な気分に浸ってしまう。
「おにぃ」
「何だ?」
相も変わらず視線はスカートの中を覗こうとガン見している健だが、その健の姿を見下ろしている
「それ……
健は
さすがにここで
健は空気を読める男なのだ。
「
傍から聞けば変態発言待ったなしなのだが、そこは健。ことに及ばなければ堂々と言ってのける男でもある。もしかしたら、
「そ……そうなんだ……」
健の堂々発言が
「ど……どうぞ……」
「絶景だ」
まさか妹自ら見せに来るとは思わなかった健は、恥ずかしそうに頬を染め横を向いている
しかしながら、見せられたからといって小山が平原になるはずもない。むしろ、大山になること間違いなしだ。
そこで健は何を思ったのか、
「…………は……はあ?」
一瞬、何を言われているのか理解が追いつかなかった
「
やはり
「…………
おずおずとそう尋ねてくる
「もちろんだ!」
断言した効果かどうかはわからないが、
その後も健から適宜飛んでくる指示に、一生懸命に応えていく
「おにぃ、
「ああ、偉いぞ」
そこから健はあぐらをかいて座り
「
「…………え?」
とうとうぶっちゃけてしまった健だが、
「ヤらせてくれ」
「……本気?
「違う。仲のいい兄妹だ。これは仲のいい兄妹のスキンシップで、何ら問題はない。だから
健の超絶理論が炸裂すると、それを聞いている
「だって……おにぃのこと……その……好きだし……命令されちゃうと何だか逆らえない気分になって……」
「よし、わかった。
奇しくも「命令されると逆らえない」という
やがて1回戦が終わると、健は治まりがつかず2回戦へと移行する。
「おにぃ、ダメだよ」
「可愛い
「そんなぁ……」
その後も健は全然止まらずに、屋上で散々
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