第492話 冬と言えばコタツ

 年が明けて勇者たちがダンジョン攻略へと乗り出している頃、ケビンのところでは新年祭も終わって、街が落ち着き始めたそんなある日の夜。ケビンの部屋にゾロゾロと聖戦で保護した女性たちが現れる。


「魔王様、1番乗りにきたよー」


「1番乗り?」


 ケビンの疑問に答えたのは保護した女性の中で、枢機卿に献上される予定だった1番年上の19歳となるベッツィだった。


「ソフィ様から教えられて新年の1番始めに夫婦でやる行事があるそうで、それで私たちも救われてから1年近く経ちますから、そろそろみんなで新しい1歩を踏み出そうと話し合って決めたのです」


「ん……1番始めの行事……? 姫はじめのこと? それだとしたら諸説あるから、本来の意味は薄れてきてるけど……まぐわいの説は後付けだよ?」


「その説明も聞いております。ソフィ様は気持ちが大事だと……ダメですか?」


「魔王様、エッチしたくないの?」

「あの魔王様が? ありえない……」

「魔王おっぱいなのに?」

「胸に興味なくしたの? 病気?」

「嘘だぁ~あの魔王エッチがだよ?」

「触ることすらしないの? 病気?」

「あの魔王スケベなのに?」

「もしかして裸すら見る気もないとか? 病気?」

「裸覗き魔に裸触り魔ですらないなんて、病気だよ!」


「ちょーっと、待とうか! 今、変な呼び方が混じってたよね!? しかも病気扱いって酷くない!?」


「ふふふっ、楽しいねー」

「やっぱり魔王様だねー」

「ムキになってカワイイ~」

「年上なのにねー」

「威厳ないよねー」


 からかい上手な女の子たちから手玉に取られるケビンは、何を言い返してもまたからかわれるだろうと思って反論の言葉を飲み込むと、そのようなケビンに対してベッツィが全員の気持ちを代表して伝えていく。


「この1年、ケビン様のおかげで私たちは嫌なことがあったというのに、いつの間にか笑顔にされてしまい楽しく過ごすことができました。それなのにお返しもできず今までお待たせしてすみません。今年の始めは私たちを1番に抱いてください」


「もう怖くないの?」


「怖いか怖くないかで言えば怖いです。ですけど、それはケビン様に恐怖するのではなくて、私たちの体でちゃんとケビン様が気持ちよくなって頂けるのかが怖いのです」


「もう難しい話はいいから始めようよー」

「そうだ、そうだー!」

「魔王様は私たちを早く抱くんだー」

「そうだ、そうだー!」

「気持ちよくしてくれなきゃ泣いちゃうぞー」

「そうだ、そうだー!」


「皆の者、脱げー!」

「魔王おっぱい覚悟ぉー!」

「魔王エッチ覚悟ぉー!」

「魔王スケベ覚悟ぉー!」


 ケビンとベッツィの中々進まない会話に業を煮やしたのか、女の子たちは躊躇いなく裸になっていくと、いきなりの展開で呆然としていたベッツィの服も剥ぎ取って裸にしてしまうのだった。


「え……え……!?」


「敵はベッドの上にあり!」

「みんな行くぞー!」

「かかれー!」


 そして、状況に置いていかれているベッツィを他所に、女の子たちがベッドの上にあがりこむとケビンの服すら剥ぎ取って裸にしてしまう。


「ちょ、ちょっと?!」


「あれ……寝てる……?」

「待って! 魔王が起きた!」

「えっ……私の裸には反応しなかったのに!」

「ベッツィ見てた!」

「なに、やっぱり胸なのっ!?」

「ベッツィの胸に反応した!」

「「「ギルティ!」」」


「ち、違うっ! ベッツィが動いたからそれを見てたら、胸がぷるるんって動いたんだ!」


「やっぱり魔王おっぱい!」

「「異議なし!」」


「み、みなさん、落ち着いてください!」


「Gは滅ぶべし!」

「AAに勝利を!」

「AとBにも栄光を!」


「私はCだから中立で」

「私もC」

「Dもギリ中立でいけるかな?」

「私もDだよ」


「うぅぅ……Eはどうでしょうか?」

「私はFだけどアウトよね?」


「EとFも滅ぶべし!」

「「滅ぶべし!」」


 ちっぱい同盟が巨乳相手に乳争を巻き起こし、早くもベッツィを生贄にしてケビンへと差し出すのだった。


「ちょ、ちょっとみなさん?!」


「くっ、動くだけでぷるぷると揺らしやがって……」

「この乳はスライムか!」

「魔王様の生贄となるがいい!」


 そしてベッドへと倒されたベッツィはオロオロとしてしまうと、それを見ているケビンも何が何だかわからない。


「さぁ魔王様、Gに滅びの裁きを!」

「気持ちよくしてあげないとダメなんだからね」

「今年1番の1番はベッツィに譲ってあげる」


「え……え……?」


「今まで私たちのフォローをしてくれてありがとう」

「うなされていた時に、一緒に寝てくれてありがとう」

「泣いている時に抱きしめてくれてありがとう」

「私たちだけで話し合ったのよ」

「私たちを色々と助けてくれたベッツィを1番にしようって」

「だから、魔王様に抱かれる1番はベッツィがもらって」


「みなさん……」


 ベッツィが他の女の子たちからの気持ちに感動していると、ケビンもまたその気持ちを汲むべくベッツィに声をかける。


「ベッツィ、抱くよ?」


「……はい。ケビン様の御心のままに……私にはもう家族はいませんけど、ケビン様の家族になれてとても幸せです」


「これからずっと幸せが続くからな」


「はい。ケビン様も幸せになってください」


 そして、ことが終わり余韻に浸っているケビンとベッツィを他所に、今までの激しいまぐわいを見ていたちっぱい同盟は、他の女の子たちとは違って別のところに注視していた。


「寝ても山……」

「揺れまくってた……」

「スライムか!」


「もうスライムベッツィって呼ぶ?」

「ベッツィスライムとかは?」

「巨乳は全員スライム呼びにしよ」


 起きていても寝ていても山を築いているベッツィの胸に嫉妬している3人は、巨乳の持ち主をスライム認定して名前にスライムを入れて呼ぼうと画策する。だが、さすがの3人も呼ぶ相手は選ぶので、恐らく1番大きいソフィーリアがスライム呼びされることはないだろう。


 そして、ベッツィを抱いたケビンの次なるお相手は誰になるのか視線を向けると、ちっぱい同盟が名乗りをあげるのだった。


「AAのギオーネ、逝きます!」


「頑張って、ギオーネ」

「骨は拾うから」


 今まで散々ケビンのまぐわいを見たことのあるギオーネが、意気揚々とケビンに対して勝負を挑むが、簡単にケビンの手練手管でやられてしまうのだった。そのような返り討ちを目にしてもちっぱい同盟の絆は固く、次なる刺客がケビンへと襲いかかる。


「Bのニクシー、敵討ち逝きます!」


「ニクシー、相手は魔王様だよ。油断しないで」


 そして歴史は繰り返す。2人がやられたとしてもここで引かないのがちっぱい同盟。最後の1人がケビンに挑むのだった。


「ギオーネ、ニクシー……力を貸して……Aのクレイ、玉砕覚悟!」


 そして、クレイの意気込みはそのまま言葉通りとなり、ケビンに戦いを挑んだものの見事に玉砕してしまうと、ちっぱい同盟3人衆を見事に倒したケビンは、次なるお相手が誰になるのか流れ的に胸を見ながら観察するのだった。


「これ、私も言わなきゃダメなのかな?」

「頑張ってね、次は私になるんだから」


「うぅぅ……Cのウィルマだよ。魔王様、優しくしてね?」


「ああ。おいで、ウィルマ」


 ウィルマを抱き寄せたケビンは優しくキスをして、ウィルマを包み込んでいく。その後ウィルマを優しく抱いたあとは、次のお相手が同じように申告してくる。


「Cのエルケ、私の体を魔王様のものにして」


「これからはずっと俺のものだ」


 エルケを引き寄せたケビンはそのまま押し倒すと、その体を隅々まで堪能した。そして、エルケが終わって4階級制覇を成し遂げたケビンの次の相手は、ギリ中立の立場を維持している者たちだった。


「Dのトリーシュ、一生面倒を見てくれるって言ったこと忘れてないでしょうね?」


「忘れてないよ、俺だけの可愛いお姫様」


「ふふっ、それならいいの。私だけのカッコイイ王子様」


「やっぱりトリーシュの笑った顔は可愛いな。一生見続けるから覚悟しろよ?」


「……バカ」


 1年前のやり取りをお互いに確かめ合いつつ、2人は体を抱き合わせていく。


「可愛いよ、俺だけのお姫様」


 耳元で囁かれたトリーシュはケビンの言葉に悶絶してしまい、両手で顔を隠してしまうと、自分の顔が真っ赤になっているのがわかってしまうほど、顔が熱くなるのを感じてしまった。


 こうしてトリーシュとの逢瀬が終われば、次なるお相手がケビンの傍へやって来る。


「Dのイーダ、魔王エッチ、勝負!」


「だから俺は魔王ケビンだって……」


 幾度となく繰り返されるやり取りに、ケビンは既に諦めてしまおうかと脳裏を掠めてしまうが、さすがに称号に付いてはまずいと思ってその考えを改めるのだった。


「イーダが負けたら魔王エッチって言うのはやめてもらうからな?」


「ふふん、私を倒すつもりでいるのね? プリシラさんに習った取っておきで成敗してあげるんだから」


 そのように意気込んでいたイーダを敗ると、自称ギリ中立の者たちを倒して階級を制覇したケビンの前に現れたのは、ちっぱい同盟からは巨乳派閥として敵認定されている者だ。


「背は小さいけどEのレニャだよ。ソフィ様が教えてくれたけど、私のような子はロリ巨乳って言うんでしょ?」


「何を教えてんだ、ソフィ……」


 ケビンがソフィの情報漏洩に項垂れていると、レニャはケビンに抱きついて耳元で囁く。


「お兄ちゃん、優しくし・て・ね♡」


「レニャ!」


「きゃっ♡」


 レニャからの不意打ち『お兄ちゃん』呼びが琴線に触れたケビンは、ソフィの教育なんか頭の中からすぐさま消え去り、チビッ子レニャの体を思い切り堪能してしまう。


「お兄ちゃん大好き♡」


 そしてレニャとの兄妹ごっこが終わったケビンは、これで8階級制覇に王手をかけて、最後の階級となる者と相対していた。


「満を持して、Fのダリア。魔王スケベを倒してみせるわ!」


「ダリアを返り討ちにして、8階級制覇を成し遂げてやる」


「行くわよ、魔王様」


「かかってくるがいい」


 このようなやり取りをしつつも攻めるのはケビンであり、ダリアは寝転がってケビンの体を受け入れていく。


「ふふっ、負けてくれてもいいのよ?」


「いや、ここまで来たら何としてでも討ち取ってみせる」


「負けず嫌いな魔王様ね」


 先程の言葉とは裏腹で大して勝敗に拘っていないダリアは、ケビンから与えられる快楽にその身を投げ出していた。ゆえにケビンの8階級制覇は成し遂げられるのである。


 こうしてケビンは1度に8階級制覇を見事成し遂げて、聖戦で保護した女の子たちの10人斬りを達成するのだった。


「ふぅ……久々に1人で多人数を相手にしたな」


「ご寵愛をくださりありがとうございます、ケビン様」

「魔王様、ベッツィからまたしてあげて」

「朝までに何周してくれるかな?」

「10人いるから10周にしとく?」

「10人10周で100回!?」

「できなかったらどうする?」

「魔王様がしょぼかったってことで、私たちの勝ち」

「おお、1対1なら負けるけど私たち全員なら勝てるかも」

「天才か!?」

「フッフッフッ……魔王敗れたり……」


 そしてその後は時間制限ありのデスマッチが開催されて、女の子たちはケビンに群がっては倒そうとしてあの手この手を使うのだが、ちっぱい同盟だけは巨乳派閥が組み敷かれていると、その起きても寝ても存在感を放っているぷるるんと揺れまくる胸を、3人がかりでもみくちゃにしてしまう。


「スライムベッツィ覚悟!」

「ベッツィスライムめ!」

「何だ、この柔らかさは!?」


「ギオーネ、クレイ、ニクシー、それはスライムじゃないの!」


「ぷるるんしてるからスライムだ!」

「何を食べたらこんなになるんだ!」

「揺れすぎだ! 私たちにわけろ!」


 3人によって弄られまくるベッツィは、その行為がケビンの攻めとの相乗効果によって快感が高まり何度も達してしまうのだった。


 そのようなケビンを倒すのとはだいぶ違う趣向が催されては、ターゲットにされてしまう巨乳派閥は為す術なくちっぱい同盟から襲われていく。


 その後は逆襲に出た巨乳派閥が襲いかかろうとしたが、触るにはいささか足りないぺったんこな胸をまさぐろうとして、意味ありげな雫を瞳からこぼすとそのまま触らずに身を引くのである。


「ちょっとぉぉぉぉ! なに、その涙!? 哀れみ? 哀れみなの!?」


「……」


「目を逸らさないで! こっちを見てぇぇぇぇ!」


「ギオーネ、負けないでください」

「きっといいことあるよ、ギオーネ……」

「うん、魔王様が愛してくれるから」


「うぅぅ……心が折れそう……魔王様、いっぱい可愛がって……くすん……」


「当たり前だろ。俺はギオーネの胸好きだぞ」


 こうして巨乳派閥の逆襲は何もしていないのに、ちっぱい同盟へと精神的な大打撃を与えて、3人は3人ともケビンに慰められながら抱かれていくのであった。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 とある日のこと、寒い冬に活動したくなかったケビンはいきなり何を思ったのか、憩いの広場にコタツを創り出してしまう。そして、おもむろに靴と靴下を脱いではコタツの中に入って布団をかぶり、ゴロゴロとしながら昔懐かしの雰囲気を楽しんでいると、それを傍から見ていたティナがケビンへと尋ねるのだった。


「ケビン君……いきなりテーブルを創ったと思ったら、何をしているの?」


「んー……何だか無性にコタツが恋しくなってな、創ってみたんだ」


「こたつ……?」


「ああ、このテーブルの名前だよ。この中に入ってゴロゴロするのが、日本人の過ごす冬の醍醐味とも言える」


「にほんじん……?」


「俺の前世の故郷だよ。日本って国の人間だから日本人」


「じゃあ今はエレフセリア人だね」


「そうだな」


「私も入ってみてもいい?」


「靴と靴下はちゃんと脱いでおくんだぞ。それと中毒性があるから注意しろよ?」


「えっ……毒があるの!?」


「ああ、あるぞ。コタツから出られなくなって、終いにはここで寝てしまうという恐ろしい中毒症状が表れる」


「さすがにそれはないよー」


 ケビンの語る中毒症状を聞いたティナは大したことないと判断しては、言われた通りに靴と靴下を脱いでケビンの隣の面に入ったら、ケビンと同様にゴロゴロし始めた。


「ふふっ、ケビン君の脚がある」


「まぁ、コタツの中で脚がぶつかる仕方がない」


「何だかこういうのいいね」


 こうしたのんびりと過ごす時間が気に入ったのか、ティナはケビンの方を向いて脚を絡めてはイタズラを繰り返している。


「ねぇ、ケビン君」


「ん?」


「大好きだよ」


「知ってる」


「ふふっ」


 憩いの広場という共有空間でイチャイチャとし出したティナを見た他の嫁たちが、自分たちも参加せんとケビンにコタツの中に入る許可をもらっては、ティナのようにケビンの脚へと自らの脚を絡めていく。


「俺の脚が揉みくちゃにされてんだけど?」


「醍醐味だからいいの」

「逃亡不可避」

「お肌のスキンシップだよー」


 ケビンの投げかけた問いかけにティナやニーナ、クリスが順に答えていくと、近くではソワソワしたシーラが入りたそうにケビンを見ていた。


「んー……改良するか……」


 それに気づいたケビンが一旦起き上がると、コタツ組3人が「あ~」と残念そうな声を出すが、ケビンはコタツを大きくすると伝えては3人も同じように起き上がらせて、一旦コタツから出てもらうことにした。


 そして、コタツの改良を始めたケビンは1辺に3人が座れるような広さまで大きくすると、シーラを呼んで隣に入らせるのだった。


「シーラ、おいで」


「う……うん……」


 ケビンからの呼びかけでシーラが恥ずかしがりつつも、ケビンの決めたコタツ作法に則り脱ぐものを脱いだら、いそいそとケビンの隣へ入っていく。


 そしてケビンから巻き込まれるような形で一緒に寝転がると、そのまま抱きつかれて抱き枕にされてしまう。


「うぅぅ……お姉ちゃん恥ずかしい……」


「俺と一緒のコタツに入りたかったんだろ?」


「……うん」


「それなら我慢だ」


「うぅぅ……」


 ケビンがシーラを抱き枕にしていると先程の3人もまたコタツに入り直して、少し遠くなってしまったケビンの脚へと一生懸命に自分たちの脚を伸ばしていく。


 それを見ている他の面々も大きくなったコタツを見ては、自分たちもコタツの中に入ってケビンの脚取り合戦に参加しようと意気込んだら、わらわらとコタツへと近づいていって中に入るとケビンの脚と自分の脚を絡ませていく。


「くっ……遠い……」

「ちょ、コレ誰の脚!? 邪魔してるでしょ!」

「フッ……ここは既に戦場……この時だけは敵対しても魔王様は怒らない」

「魔王様ぁ……こっちに脚伸ばしてよー私チビだから全然届かないよー」


 今やコタツは聖戦で助け出した女の子たちでごった返しており、たとえ正妻組がいようとケビンの脚という目的のため、遠慮なく戦いに挑むのであった。


「あらあら、ケビンの脚は人気者ねぇ」

「顔を見ていると誰が勝っているのか一目瞭然ね」


 それを見ながら話しているのは、大人の貫禄を見せつけるサラとマリアンヌである。


 2人とも落ち着いて娘同然の嫁たちを見ては、穏やかにお茶を飲みながら会話をしていた。


 そう……この時までは。


「サラとマリーは入らないでいいのか? 俺の隣を1人分空けているだろ? 早い者勝――」


 その瞬間、もの凄い勢いでサラとマリアンヌがヒールを早脱ぎすると、目にも止まらぬような速さでケビンの隣へと走り出す。


「ふふっ、お母さんの勝ちね」


「ちっ……やっぱり速さじゃサラに勝てないわ」


 スタートはほぼ同時だったというのに、ケビンの隣へと入り込んだのはスピードを売りとしているサラだった。


 そしてマリアンヌは悔しそうに舌打ちをして、淑女の何たるかはポイ捨てしてしまったようである。


 それからサラは悔しがるマリアンヌを他所にケビンへ抱きつくと、嬉しそうにニコニコとするのだった。


「親子3人水入らずね。脚はぐちゃぐちゃだけど」


「これも1つの親子丼……と言うより、親子サンドイッチか?」


「ちょっとケビン、親子サンドイッチなら私とアリスでもできるのよ? むしろ私のアリスの方が真の親子サンドイッチよ」


「まぁ、アリスは今は執務中だしな。それはアリスがここに来てから堪能することにする」


「約束よ? 破ったらアリスと2人で襲うからね?」


「それを言われると破りたくなるけど、ちゃんと一緒に寝転がるよ」


 その後のケビンは適度に時間が過ぎると反対向きに寝転がってサラへと抱きつき、シーラは自分が攻める番になった途端に強気になって、後ろからケビンへと抱きつく。


「やっぱりケビンを抱っこするのは最高ね!」


「顔が見えなくなった途端に強気になったね」


「お母さんはケビンと見つめ合えて幸せよ」


 するとサラは向かい合っているのをいいことにケビンへとキスをして、その口を堪能し始めるのだった。


「ちょ、お母様!?」


「んはぁ……シーラの番は終わったのよ。今は私の番なの」


 一旦キスを中断したサラはそのようなことをシーラに向かって言い放つと、そのあとはまたケビンの口を堪能し始めてオネダリをするのだった。


「ねぇ、ケビン……お母さんを気持ちよくして?」


「マジ……? ここで……?」


「だって、ケビンとキスしたらムラムラしちゃったんだもん」


「“もん”って……」


「お、お母様?! こ、ここはみんなが来る憩いの広場ですよ!?」


「んー……子供たちは学園だし、まだの子は母親と一緒に行動してるから大丈夫よ。それに私とマリーの子は部屋で仲良くお昼寝中だから、今がチャンスなの」


 サラはシーラへそう告げると反対向きに寝転がっては、ケビンへの誘惑を始めてしまう。


「ねぇ、ケビン……ちょうだい」


 サラにここまでされてしまったケビンは我慢ができずに抱いてしまうと、それに当てられた周りの嫁たちも自ら慰めては、次の順番待ちをするのだった。


 そしてケビンは分身体を人数分出したら、嫁たちを相手取って寝技戦へと移行する。


 こうして冬でお馴染みのコタツでゴロゴロするというイベントは、別の意味でのゴロゴロする寝技の掛け合いとなってしまい、相手にされなくなったコタツは1人?寂しく憩いの広場でポツンと存在するのであった。

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