第434話 普通が1番難しい
ワイバーン戦を終えた【森のさえずり】がケビンから適度なアドバイスを受け終わると、次に戦うケビンはその前に生徒たちへあることを伝える。
それは強い敵と戦う時は強い魔法を使うことがセオリーとなっているが、ちゃんと鍛練していたら別に強い魔法を使わなくても勝てるということだ。
仮に敵がファイアストームを詠唱していたからといって、こっちもそれに合わせて強い魔法を唱える必要はなく、後出しで唱えたところで魔術系スキルがなければ先に放つこともできない。
そのような場合には相手より早く魔法を放つために小節の短い魔法で応戦する必要があり、要は魔法も使い方次第だということを生徒たちへと教えていく。
「まぁ、百聞は一見にしかずって言うしな。今からワイバーンを倒すけど魔法は基礎だけに制限して戦ってみるから、魔法の不得意な前衛も近接が苦手な後衛も参考にしてみてくれ」
それからケビンはワイバーンを1匹転移させると、生徒たちへの参考になるような戦い方を始める。
「先ずはハメ技だ。《ダークネス》」
ケビンが闇属性の基礎魔法を放つと、ワイバーンの頭部は闇に包まれて視界を奪ってしまうのだった。
「《ロック》」
ケビンの初手によって混乱しているワイバーンの上空に岩が形成されると、そのまま自然の摂理に従い自由落下を始めてワイバーンの背に当たる。
「《ライトニング》」
錯乱して彼方此方にブレスを放っているワイバーンへ、今度は電撃がその体躯を襲い体中を走りぬけた。そしてワイバーンが落ちなかったので落ちるまでライトニングを浴びせると、筋肉が弛緩して動きが止まりそのまま地面へと自由落下をする。
「《ファイア》」
落ちてきて動けないワイバーンの頭部をファイアで燃やし続けたところで、ワイバーンは息を引き取り作業が終了となる。
「とまぁ、こんなところだな」
その場から動かず基礎魔法だけであっさりとワイバーンを倒して見せたケビンが生徒たちへ振り返り言葉をかけるが、その作業を見ていた生徒たちのみならずジャンヌたちでさえ、ケビンのありえない倒し方に唖然としていた。
「今のはそもそも闇属性を持ってないと始まらないし、雷属性がないと落とすことも難しい。あとは敵が冷静に対処してきたらハマらないから、冷静になる前にどんどん攻めていかなきゃならない」
ケビンが先の戦いを解説していたら、正気に戻った生徒が質問を投げかける。
「ケビン先生!」
「何だ?」
「何種類も魔法が使えない前衛はどうしたら良いのですか? 中には1種類も魔法が使えない前衛もいます」
「足らないところはパーティーで補うんだ。別にソロ活動の冒険者に固執する必要もないしな。魔法が使えなくてもソロでやっていけるのは、類まれなる剣技を扱うことができる者に限定される」
「ケビン先生の剣技を見てみたいです」
「あぁぁ……それは無理だ。速すぎて目で追えないから結果しかわからないぞ? それでもいいのか?」
「お願いします!」
生徒からの要望でケビンが剣技を見せることになると、ケビンは【黒焰】と【白寂】を装備して再度ワイバーンを転移させる。そしてケビンのしたことと言えば、なんてことのないただの居合斬りである。
それによってワイバーンは為す術なく斬られてしまい、そのまま地面へと真っ逆さまに落ちた。
「な? 結果しかわからなかっただろ?」
再び訪れる静寂……生徒たちは理解しようにも理解が追いつかず最終的結論は思考放棄であった。
そして思考放棄の結果、『剣技を見たい』と言った生徒が導き出した答えは『さっきのはなかったことにしよう』である。
「ケビン先生! 普通に斬っていく感じでお願いします!」
「普通……普通ねぇ……」
ケビンの剣技を見たい生徒がめげずにお願いしたら、ケビンはジャンヌに素振りをさせて普通のスピードを推し量ると、それを元にして再びワイバーンを転移させる。
「えぇーと、確か……《ハイプレス ウインドバースト》」
ジャンヌたちの戦いでノエミが使った魔法をあっさり模倣するとワイバーンが地上へ叩きつけられてしまい、その隙にケビンが間合いを詰めて両翼を2刀の元に斬り捨てた。
そこからケビンは一旦離れて次はどう普通に攻めるか悩み始めるが、両翼を斬られてしまったワイバーンが怒り狂いブレスを放つと、ケビンは魔法でそれを凌ぐ。
「《アイスウォール》」
そしてケビンが作った氷壁へブレスが当たるとじわじわと溶かしていくが、全て溶かすには至らずワイバーンの方が吐き疲れてブレスが止まってしまうのだった。
「とりあえず斬ってみるか……」
結局のところ
その光景にもう何度目かわからない沈黙がこの場を支配してしまい、何とも言えない雰囲気が漂っていく。
「これじゃあないよな?」
「……申し訳ないのはわかっているんですけど、ケビン先生が熱く戦っている姿が見たくて……」
ケビン自身が
「熱くかぁ……」
ケビンは刀を使って熱く戦えるような魔物を想像してみるが、ワイバーンより強い魔物となると知識のないケビンに思いつくのはドラゴンしかいなかった。
かと言ってドラゴンと戦っても剣技を見せるほどでもなく斬るだけになってしまうので、どうしたもんかとうんうん唸りながら考え込んでいたら天啓とも言える閃きがケビンへ舞い降りた。
「なぁ、戦っていれば別に相手は魔物でなくてもいいよな?」
ケビンからの問いかけに生徒は首を傾げて問い返す。
「魔物と戦わないって……何と戦うんですか?」
「模擬戦みたいなのだったらどうかなって思ってな? 剣技を見せようにも剣を持っているような魔物の心当たりがない」
「模擬戦……」
生徒たちは“模擬戦”ということですぐそばにいる前衛のジャンヌとクロエへ視線を向けて、Aランク冒険者同士の模擬戦なら高いレベルの試合が見れると思い至ったのかケビンの案に賛同する。
するとケビンは支度があるからしばらく待って欲しいと伝えると、とりあえずは休憩時間としてその場で休んでおくように生徒たちへ伝えた。
「ケビン先生とジャンヌ先生たちの試合ってどうなるのかな?」
「ジャンヌ先生たちはケビン先生を敬ってたし、ケビン先生が勝つんじゃない?」
「実力も経験も上だよね。ワイバーンを1人で倒しちゃうくらいだし」
「やべぇ、これって中々見られない試合だよな」
「なんか俺、鳥肌が立ってきた」
「迫力のある試合になりそうだぜ」
それから中々模擬戦が始まらず1時間ほど時間が経つと生徒たちも訝しり始めてザワザワとしていたところで、1台の馬車が遠くからやってくる光景に1人の生徒が気づいて声を挙げる。
「なぁ、あの馬車……こっちに来てないか?」
「あれ、馬車か? なんか早くないか?」
「馬車じゃないなら何だって言うんだ」
その声を聞いた他の生徒たちもその馬車へ視線を向けていたら、段々と馬車とは思えないスピードで近づいてきてケビンの所へ到着するとその動きを止めた。
「ま、魔獣っ!?」
生徒たちはケビンが魔獣に声をかけて撫でている様子を見て愕然としてしまうが、ジャンヌたちが魔獣はケビンの従魔であることを教えて落ち着きを取り戻させる。
そのような時に馬車の中から人がゾロゾロと降りてきては、ケビンへ挨拶をしていく。
「あれ、ティナたちも来たの?」
「だってケビン君との模擬戦でしょ? 体が鈍ってないか確認したいし」
当初ケビンが声をかけたのはプリシラたちメイド隊であったのだが、ケビンからの通信を受けたプリシラが出かけるためにソフィーリアに話したら、その場にいたティナたち冒険者組も相乗りをしてきたのだ。
よってここへ集合したのはケビンが呼んだメイド隊の他に、冒険者組のティナとニーナ、アリスとクリス、シーラとクララ、クズミとターニャが来ていた。
ちなみに嫁たちの子供のことはソフィーリアや他の嫁たちへ任せており、頼まれたソフィーリアは憩いの広場にモニターを出現させたら、その子供たちと一緒に鑑賞会を開いているとティナが伝える。
その光景を見ていた生徒たちは見た目がそれほど大きくもない馬車からどんどん人が降りてきたため、混乱しながらもジャンヌへ質問をしていた。
「ジャンヌ先生、あの方たちは……」
「3Sクラン【ウロボロス】のメンバーで、そのほとんどがパーティーとして【ウロボロス】を名乗れる凄腕冒険者たちよ」
「――ッ!」
「あの全貌が見えない最強と言われるクラン……」
「神出鬼没で中々お目にかかれない……」
「何でその方たちがここに……」
思いもしない者たちの登場で驚愕している生徒たちへケビンが到着した者たちを紹介するが、ケビンは自分の身分を隠すために嫁たちにも事情を話しており、あくまでも冒険者としての知り合いであるというスタンスを保ちながら話していた。
「てっきりジャンヌ先生かクロエ先生がお相手するかと……」
「私たちだとケビンさんのお相手は無理よ。ただの稽古になってしまうわ」
それから模擬戦をするにあたりケビンはティナたちへパーティー分けをするように指示を出すと、メイド隊がそのままで1パーティーを組めるのでティナたちが振り分けを考えている間に、ケビンとの模擬戦を最初にすることとなる。
これから行う模擬戦が危険な現場になるとわかっているケビンは、生徒たちの所へ張ってある光属性の結界の上にいつもの結界を張ったら、ジャンヌたちにもその中へ入るように言うと万が一に備えて進出禁止の効果を付け加えた。
「ジャンヌ先生、ケビン先生ってパーティーと対戦するんですか!?」
「前衛同士の模擬戦じゃないの!?」
「相手は【ウロボロス】なのに大丈夫なんですか!?」
「模擬戦だから大丈夫よ。相手も手加減してくれるわ」
生徒たちの質問に対してジャンヌは適当なことを述べて、ケビンの実力を隠し通すことに専念する。
「ドワンさんの武器を壊すわけにもいかないから武器制限解除」
生徒たちから離れたところにいるケビンはプリシラたちへ武器制限解除の指示を出して、ケビンが創って与えた壊れないハイスペック武器の使用を許可すると、ケビン自身もまた壊れないただの刃引きした刀を2刀装備する。
「いつでも開始していいよ」
ジャンヌたちや生徒たちといった観客たちが見守る静寂した空気の中で、まず最初に動いたのはルルだった。
ガキンと金属音が鳴り響いたかと思えばケビンと同じ二刀流を使うルルが既に斬りつけていたのをケビンが受け止めており、生徒たちはその光景に対して全くルルの動きを目で追えていなかった。
「はぁ……ケビン様との至高のひと時……濡れるっ!」
「おいっ! 生徒たちがいるんだぞ、滅多なことは言うな!」
ルルが教祖としてブレなくいつも通りでいると、ケビンは生徒たちへ配慮して注意するが生徒たちはケビンたちの会話など聞こえておらず、ハイレベルな戦いを前にしてうちに抱いた感想を口々にしていた。
「は、早いっ!」
「全然見えなかった……」
「ケビン先生と同じで剣を2本使ってる」
生徒たちが驚いている間にも剣戟は絶え間なく続いており、ニコルも前衛としてケビンへの攻撃を繰り出していた。
「くっ……君主でもある夫へ刃を向けなければならないとは……これぞ騎士の名折れ!」
「ニコル、お前もかっ!」
ルルとニコルの攻撃を捌いているケビンがゾクリとした感覚を味わい急いで身をかがめると、頭上を短剣が通り過ぎていきパラパラと髪の毛を数本持っていかれる。
「外しちゃいましたね。さすがはケビン様です」
「ライラ……さすがだ……」
3人を相手取るケビンは久々の緊張感を味わい模擬戦が楽しくなっていると、動きのなかった後衛のララから魔法が放たれる。
「《ホーリーアロー》」
無数の光矢がケビンを襲う頃には3人とも距離を開けており、ケビンは模擬刀に魔力を纏わせると迫りくる光矢の悉くを撃ち落とし、それを見ていた生徒たちは大興奮する。
「すげぇ!」
「武器で魔法を斬ってるぞ!」
「ケビン先生って何でもアリなの!?」
「アレってどうやってるのよ?!」
生徒たちの興奮を他所にケビンが光矢を撃ち落としたタイミングで、背後から魔力矢が連続で飛来してくる。
「ちっ、プリシラか……」
ケビンが振り返り見据える先には弓を構えているプリシラが魔力矢を放っており、その精度と威力はケビンとしても鬼気迫るものがあった。
「敵に回すとマジでヤバいな」
ケビンが魔力矢の対処をしていると、ニコルとララが再突撃してきて剣閃をケビンへ放ってくる。
「仕方ないっ! 《紫電一閃・連撃》」
ケビンは純粋な剣技のみという縛りプレイを一部解除して魔法剣技までなら何とかセーフだろうという言い訳を自分にしながら、魔力矢と剣閃の対処として連続撃ちした剣閃で相殺した。
「《ホーリーレイ》」
一難去ってまた一難。ケビンが息つく暇もなく頭上から無数の光線が降り注ぎ絶え間なく襲いかかるが、その対処をしているケビンに対して針へ糸を通すかのような緻密さでその光線の隙間を縫って魔力矢が飛来してくると、さすがのケビンも自ら縛りプレイを課したことに後悔して辟易する。
「くそっ、プリシラのやつ手加減なしかよ」
ケビンの嫁の中(ソフィーリアを除く)ではトップ3に入るプリシラの強さは、手加減をしているケビンにとってはかなり手を焼く存在となっていて、器用さで言えばダントツの1位であり手札が多種多様であるため戦いが難儀していた。
「ああっ、ケビン様が焦っている姿……可愛くて尊い!」
何とかプリシラとララのコンビネーションを凌ぎきったケビンへニコルとルルが間合いを詰めて襲いかかると、ケビンがそれを防ぎ再び剣戟が繰り広げられる。
「ケビン様との打ち愛……尊きこの時間……至福っ!」
「くっ……ルルっ、ちょっとは私にも譲れ! 私もケビン様と斬り愛したい!」
「お前らちょっとは自重しろ!」
ケビンと同じ二刀流であるルルの手数の方が多くニコルは斬り結ぶ回数が少ないことに嫉妬していたが、そのような2人が殺気を感じていきなり離れるとケビンもすんでのところでその場から離れる。
――ドゴォォォォン……
ケビンが先程までいた所には大きなクレーターができていて、その中心には武器を振り下ろしていたララがいた。
「ラ……ララ……?」
「ふふっ、さっきからルルの感情がずっと流れてきていて、モヤモヤしているんです。私とも殴り愛してくれませんか?」
後衛の支援職から撲殺天使へとジョブチェンジしたララがニコリと微笑んでケビンを見つめると、後ずさってしまったケビンへ更なる刺客が襲いかかる。
――ヒュンッ
ケビンが回避したら武器が空を斬る音だけが鳴りその場にはライラが立っていたが、ケビンの一張羅である村人A服装がはらりと切れてしまっていた。
「ケビン様、油断大敵ですよ。私とも斬り愛……してくれますよね?」
「なにっ、何なの!? さっきからみんなの字面が何かおかしいよね!?」
ララが近接へシフトしてからというもの、ドゴンドゴンと辺りの地面へクレーターを量産している光景を目にしている生徒たちは、当たり前の疑問をジャンヌたちへ投げかけた。
「せ、先生……あの方って後衛職じゃなかったんですか……?」
「アレってどう見てもパワーファイターの攻撃力ですよね……?」
「あの方は基本的に前衛でもいけるそうよ。ただ妹さんが前衛をやっているから後衛についているってだけ」
「妹さんって同じ顔の人ですよね?」
「アレって装備や服装が違うからわかるけど、普通にしてたら見分けつかないよ」
「そもそも何でメイドさんが1人いるの?」
「本職がメイドさんとか? それであまり目撃情報がないんじゃない?」
「いや、メイドが冒険者って……いったいどんなメイドなんだよ!」
生徒たちが興奮冷めらやぬ状態で観戦している中、ケビンはどんどんと追い詰められてメイド隊の成長ぶりに圧倒される。
「ヤバい……このままじゃマジで負ける……」
とりあえずケビンは1番与し易いニコルへ狙いを定めるとララとルルの攻撃を掻い潜り、神出鬼没のライラを警戒しながら一気に間合いを詰めた。
「1人目っ!」
ケビンがニコルの眼前に迫ると、予めルールで決めていた【X】印を鎧に書き込む。
「あっ!? そんなぁ……独占権が……」
「ん?」
何やらニコルが呟いていたがケビンは聞こえておらず、すぐにその場を離れるとケビンがいた場所にライラが短剣を振り抜いていた。
「中々当たりませんね……」
ライラの攻撃が当たらずに空を切ってしまったが、気持ちを切り替えたらそのまま気配を消すと再び姿を眩ませる。
「混戦になるとやっぱりライラが1番危険だな。死角からの不意打ちがえげつない……【マップ】を使うのは負けた気がするしなぁ……どうしたもんか……」
ケビンは残る4人をどう対処していくか悩むが、やはり簡単に倒せそうな順で数を減らすしかないと当初の予定通りに動き始める。
「「ケビン様、私たちと殴り(斬り)愛しましょう」」
ララとルルが双子ならではの絶妙なコンビネーションで襲いかかってくると、その間隙を縫ってライラが一太刀浴びせてくる。
やはりライラの攻撃がヒヤッとしてしまうケビンは方針を変えて、双子の相手を適度にしながら厄介なライラを倒すために意識を集中させる。
(気配は完全に消えてる……となると、残る手だては……)
今までの傾向からライラが真正面に出てこないと当たりをつけたケビンは、真正面に双子が来るような足捌きを意識して相手をすると、大半の意識を背後へ集中させてその時がくるのを待った。
そして双子の攻撃を凌いで移動した瞬間に風の流れが変わる。
「ここだっ!」
振り返りざまにケビンがライラの位置を把握して【X】印をつけたら、ライラは見破られたことにガックリと肩を落とす。
「やられちゃいましたか……」
「よし、次――」
「捕まえました、愛しい人……」
「――……え……」
ケビンがライラを倒した瞬間に背後からプリシラに抱きつかれてしまい、ケビンは唖然としてしまう。
「ふふっ……私の勝ちです」
プリシラはケビンがライラへ狙いを定めた時からライラ同様に気配を完全に消しており、ライラを倒した瞬間の1番気の緩むタイミングがくるのを虎視眈々と狙っていたのだ。
「「あぁぁっ! プリシラに漁夫の利された!」」
思いもよらぬ幕切れに双子は悔しがり、プリシラはニコニコとケビンへ抱きついたままだった。
「貴女たちは精進が足りないのです。気配を読む相手に気配を出して戦うなんて愚策ですよ」
「ライラだって気配を消していたのに見つかっていましたよ?」
「そうそう、アレは完全に気配が消えていました」
「それを考えるのが次の課題です」
「「んー……難しい……」」
「俺も答えを聞きたいんだけど……」
「それは後ほどお教えします。奥様方がお待ちでいらっしゃいますので」
こうしてケビン対メイド隊の模擬戦は、プリシラの1人勝ちとなって幕を閉じるのであった。
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