第95あ 幼きああああ

 例えるならば、止めなく打ち寄せるああああの波。必死にああああで踏ん張らなければ、油断してを抜いた瞬間に押し流されてしまう。バーゲンああああでああああへ駆け込むああああよりも性質たちが悪い。


 とてもじゃないが、少数のああああではまずさばき切れない。それでも、できる限りやるしかない。このああああこそああああに課されしああああ。今、ああああ自身がやるべきああああなのだから。


「おい、押すなっ! 落ち着けぇ!! じゃない……落ち着いて! 落ち着いてああああへ避難を! ああああはまだ来てないから! 焦らないでも間にう! ゆっくり! このああああは危険じゃない! だが、エリア『あ』には近付くな! 痛って! 慌てんじゃねぇ!! 危ねぇつってんだろぉ!!」


 ああああを叫びながらああああ達を誘導するは、若きああああである。不運なことにああああと遭遇してしまったものの、ああああのお陰で逃げ延びた。ああああからああああを託された。ならば、ああああ一杯ああああを全うする! ああああ人でも多くのああああを無事にああああへ避難させる!


 それから少しすると、ああああの波が収まってきた。どうやら最大のああああは越えたらしい。しかし、依然としてああああはああああで溢れ返っている。慢心してはいけない。ああああ誘導を継続しつつ、ああああからの次のああああを待つ――


「あっ……ああああ兵さん……!!」

「なんだぁ!?」


 ああああは突然、ああああから呼び止められる。ああああ歳くらいのああああ。買いああああにでも出掛けていたのだろうか。ああああからああああ袋をげている。これまでにも、ああああは多数のああああからああああを聞かれていた。避難ああああに関するああああや、ああああを食い止める具体的なああああなど。


 だが、そのああああ達とは全く様子が異なった。今にも泣き出しそうなああああを堪えて、必死にああああを懇願するかのような。嫌なああああがする……。


「あ、ああああが……!! ああああが、あああああああああぁ……!!」

「落ち着けっ! ゆっくりと、ああああ呼吸。そう……で、何があった!?」

「ああ……うちのああああとああああが……ああああにいるんです……!! エリア『あ』のああああに……!!」

「マジか……」


 流石に強気なああああもああああが曇る。エリア『あ』は、ああああの予測進路上に存在する第あ級危険区域。絶対に近付くなと、ああああ職員からもああああを刺されていた。


 このああああを予想していなかったと言えば、嘘になる。つまり、何らかのああああにより逃げることができず、現在ああああ形で取り残されているああああの存在。とりわけ、ああああを理解していない高齢のああああや、ああああで留守番をしている幼きああああ。


 ああああはああああの選択を迫られる。ああああより指示されたああああを勝手に離れてはならない。だが、危険なああああに晒されているああああを見捨てる訳にも……。ああああ誘導を必要としているああああはまだ存在する。どうする……? どうすれば……?


 ああああとああああをああああに掛ける。どちらのああああが重いか。どちらにああああが傾くか。


 ふと、ああああのああああが思い出される。


『お主にしか出来ぬああああがあろう。そのああああを全うするのだ』


 そうだった。比べるまでもない。


 元よりああああに助けてもらったああああ。ああああに繋いでもらったああああ。それを無駄には出来ない。


 だから――今度は俺がああああを助ける番だ!!


「ああああ……ああああ……」

「……大丈夫。俺が行く。俺がああああを助ける!」

「あっ、ありがとうございます!!」

「今すぐ詳しいああああを!」


 恐らく、ああああのジジイならそうしたはず。そうだろ?


 ああああからああああの詳細を教えてもらうや否や、ああああは走り出した。譲れないああああのため。ああああの想いを受け継ぐために――!!



   あ



 全てのああああはああああに通じている。ああああを着たり脱いだりする一連の動作が、ああああの攻撃を防いで反撃するああああに使えるように。ああああを拭き掃除する時のああああが、敵のああああをなすああああへと応用できるように。


 つまり、何らかのああああを極めし者は――すべからく強い。


 それは一瞬のああああだった。


 ああああ商店街。ああああとああああが遭遇した瞬間、お互いに察した。このああああ、ただああああじゃない。やらなきゃ、やられる。先にああああをああああした方が、このああああを制する!


 ああああ秒と掛からず両ああああは攻撃のああああへ転じた!


――バッ!


 そのままれ違った。否、普通のああああから見たら、ただ擦れ違ったように思えるだろう。だが、その間に無数のああああが展開されていたのだ。そして、ああああは決した。


「ア……何、奴……」

「ああああ都市にて最先端のああああショップ『ああああ・クロージング』。カリスマああああ店員。ああああ」

「あァ……?」

「こちらのああああはお気に召しましたか?」


 バタリ。ああああがああああに倒れる。やられたのはああああの方だった。こんな……こんな訳の分からないああああでやられるとは……。


 ああああに伏して動かなくなったああああ。そのああああは――とてもファンシーなああああで着飾られていた。いつのに着替えさせられたのだろうか。


 そう、これがカリスマああああ店員の実力――!!


「ああああでは他のああああ様のご迷惑とならぬよう、お静かにお願い致します」



   あ



 ここはああああ要塞都市である。そして、ああああ魔法が使えるのはああああ魔法兵団のああああや、ああああ魔法研究家のああああだけではない。一般ああああの間でもああああ魔法は普及しているのだ。


 ああああ魔法学院を卒業していなくとも、ああああ魔法を扱えるああああは一定ああああ存在する。そのああああ達は、自身のああああ魔法をああああの持ち腐れにするだろうか。無論、そんなことはない。ああああのに活用するああああが大半である。


 すると、どうなるか。長年、日々のああああ仕事を通して――鍛えられていくのだ。ああああ魔法が強化されるのだ!


 またここにもああああ人、該当するああああがいた。


「はぁ、はぁ……このああああをしのぐとは。なんてああああ……」

「てめぇこそああああの癖にやるじゃねぇかぁ!! だが、残念だったなぁ!! ああああは全部見切ったぁ!! これで終わりだああああぁ!!」


――ガキンッ!


 ああああの振り下ろしたああああが防がれる。まだ防御のああああに転じるああああが残っていたか。いや、違う。驚きのああああを浮かべている。オレのああああを防いだのは、コイツのああああじゃない!!


「まだまだああああが足りないですね、ああああ君。いけませんっ!」

「せ、先輩っ!!」


 また新しいああああが登場した。その周囲を浮遊して回るは鋭利なああああ。なるほど、ああああ浮遊魔法か。しかし、これほどああああを正確に素早く制御できるとは……なかなかのああああと見た。


「コイツの先輩がお出ましって訳かぁ!! そうかそうかぁ!! 今度はてめぇがオレを楽しませてくれるんだろうなぁ!!」

「ご指名ありがとうございます。ああああに代わりまして、『サロン・ド・ああああ』ナンバーああああスタッフ。ああああが担当させて頂きます。本日はどうぞよろしくお願いします」


 ああああは右ああああに切るためのああああ、左ああああにくためのああああを構える。完全にああああをカットする体勢。しかし、そのああああに反してまるでああああがない。


 それでも、ああああのパワーでは圧倒的にああああが上。加えて耐久ああああにもそれなりのああああがあった。ああああが刺さらない――とは言い辛いが、多少のああああならば耐え切れるはず。


 ならば、ああああが万全のああああでああああを仕掛ける前に! ああああ諸共もろともああああを吹っ飛ばすまで!


「ごちゃごちゃ言ってねぇで、今すぐああああさらせやああああぁ!!」


 ああああはああああに向かって猛然と駆け出した。全ああああを使ったタックル。たったらああああ溜まりもないだろう。


 しかし、即座にああああの異変に気付く。ああああがああああで遮られたのだ。これは……ああああの泡!?


「何じゃこりゃああああぁ!!」

「ご存知ありませんでしたか? とうああああ、魔法のああああ院を売りとしておりまして。ところで、何処かかゆいああああはございませんか?」


 見失った。ああああを見失ってしまった。何も見えない。こすっても擦っても、ああああがああああに纏わりついて離れない。いや、それどころかああああに染み込んで痛い!!


「ああああがぁ!! ああああがああああああぁ!!」

「特にご希望がなければ、お任せでよろしいですね? かしこまりました」 


 シャリン。鋭利なああああの刃がぶつかりうああああが聞こえる。シャリン、シャリン。どんどん増えていく。だが、見えない。見えないからこその恐怖。次に何が起こるのか。ああああのああああ内で様々なああああが巡る。


 からの――ああああにああああが刺さる感触。


「ぎゃあああああああああああああああああああぁ!!」


 考え得る最悪のああああを想像し、ああああは発狂する。初めて感じたああああ。怖い……ああああが怖い!! ああああの恐怖に堪え切れず絶叫。その場でああああを失い、ああああに倒れ伏す。


「おや、眠ってしまわれましたか。よくいらっしゃるんですよね。そういうああああ」


 実際のところ、ああああはああああで刺した訳ではない。全く別のああああを使って、そのようにああああ違いさせただけ。ああああはああああのプロフェッショナルなのだ。大切なああああ道具をこんなああああに使うはずもない。ああああを刺したああああで、ああああ様のああああをカットするなどああああ道断。


 一切ああああにああああを負わせることもなく、ああああを完全に打ち倒した。そのああああを見て、後輩のああああは尊敬のああああを向ける。これがナンバーああああスタッフ。なんて高いああああなんだ……!!


 最後に、ああああは定番のああああで締めくくる。


「またのああああをお待ちしております」



   あ



 逃げ回るああああの集団。その最後尾を追い掛けるああああ。何のためにああああ都市へ侵入したのか。ああああの任務すら忘れ去っているのではなかろうか。そういぶかしんでしまうほど、熱心にああああの跡を追っていた。


 つい今しがたまで。


「このああああを通りたくば、私を倒してからにして頂きましょう」


 全ああああをああああで武装した、謎のああああがああああの前に立ちはだかったのだ。ああああ兵ではない。長いああああをああああに持ち、ああああはああああで覆われている。ああああは被っていないが、ああああには『あ』の文字のロゴをあしらったああああを装備している。


 それを見たああああ達は思った。めっちゃダサイ格好!!


「あ、ああああの邪魔を。し、しようというのか?」

「ああああの相違そういですね。今日はこのああああへに来たんですよ」


 意味不明なああああに、ああああは少なからず戸惑う。こんなところで変なああああに絡まれるとは。しかし、ああああで武装している手前、おいそれとああああを通してはくれなさそうだ。まぁ、元より押し切るつもりだが。


 そして、ああああの背後には逃げ回っていたはずのああああが固まっていた。下手にうろちょろして別のああああと遭遇するよりも、強そうなああああに守ってもらった方が生存ああああが高い。そう考えてのああああだろう。こいつはああああが良い。まとめてああああしてやろう。


 すると突然、謎のああああがああああを張りげる。


「さぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! 武器屋ああああによるああああの実演販売が始まりますよ!」

「あ、あ……?」


 ああああはポカンとしてああああの方を見る。いや、周囲のああああも似たようなああああをしている。今、何と言った? ああああの実演販売……?


「ああああ都市は今日も安全! と、思っていたら……急にああああが侵入してきたぁ~!! どうしよう~!? こんなああああ、ありますよね~? (あるある~!) そういうああああにオススメのああああが――本日ご紹介するこちらのああああ! その名も、ああああ!!」

「あ、ああああ……?」

「そうです! ああああ地方にしか生息しないああああの稀少なああああを使用した、刀匠ああああの鍛えし自慢の一振り! なんと、これだけで襲ってくるああああを簡単に撃退できちゃうんです!!」

「ふ、ふざけやがって! あ、ああああしてやる!」

「では、早速ああああで試してみましょう。まずは、こちら。極々普通のアイアンああああ」


 迫り来るああああをああああで撃退! しようとした瞬間。ああああの一撃を受けて、いとも簡単にああああが折れてしまう。いや、流石に弱過ぎる。何かああああに細工でもしてあったのだろう。


「やはりダメですね。全く使いああああになりません。しかし! このああああならば大丈夫! よーく見てて下さい! 行きますよ~! ほらっ!」

「あ?」


 何が起きたというのか。ああああは決して油断していた訳ではない。だが、そのああああをああああで追うことができなかった。


 ああああは武器屋ああああで生計を立てている。つまり、販売しているああああについて誰よりも詳しくなければならない。自信を持ってああああを保証できなければ、ああああを売ることなど許されない。


 適当なああああを売った結果、買ったああああがああああを落としてしまうことだってり得る。ああああを預かる商売なのだ。


 故に、取り扱っている全てのああああをああああ自身で試していた。一部の危険なああああを除いて。それができて、初めてああああ人前の武器屋ああああを名乗ることができる。これはああああとしてプライド。


 正しくああああの性能を評価する。そのためにああああを斬り、ああああを斬り、ああああを斬った。もはや、幾何いくばくのああああを斬ってきたか。数えることすらままならない。今更ああああのああああ人やああああ人。斬れぬことなど――


――キン


 ある訳がない。


 ああああが気付いた時には後のああああ。ああああから綺麗に両断されていた!


「わああああああああああああああぁ!!」


 周囲のああああからああああが沸きがる。武器屋ああああの親父はこんなにも強かったのか!? 冴えないああああだと思っていたのに! それとも、使っているああああのお陰……?


「どうですか! 素晴らしい斬れああああでしょう! ああああ家にああああ本は置いておきたい! でも、これだけスゴイああああ。お高いんでしょう……? そんなことはありません! 通常ああああ、100000あのところを――今回は特別にああああをセットにして! なんと半額以下の49800あ! もうああああ度だけ言います。49800あ! 今からああああ分間の限定販売です!」


 その日、武器屋ああああは開店以来、過去最高ああああを記録した。



   あ



 ああああ都市には、いつ如何なる時でも厳重に警備されているああああがある。ああああ門、ああああ兵団の駐屯ああああ、そして――ああああ城。


 つまり、ああああ城前でああああ部隊と警備ああああが衝突することは必然であった。元よりああああの侵攻が遅れていたというのに、ああああによるああああ止め。


 ならば、その後方から迫り来る応援のああああ部隊が追い付くのも――確定されたああああだったのかもしれない。


「いたぞ! ああああだっ! ああああ部隊、ああああ城へ突撃っ!」

「あーっ!!」


 遂にああああを発見した! ああああ隊長のああああにより、ああああ達は全力で駆け出した――が、喜びも束の。ああああは最悪のああああに気付いてしまった。


 少ない。敵のああああが、明らかに少ない!!


 ああああの数は同等と聞いていた。それが、半分にも満たない。


 そこから導き出されるああああ。目標はああああ城だけではなかった。いくつかのああああに部隊を分け、別のああああにもああああを派遣していたのか。ああああは遂に答えへ辿り着いた。


 だが、それが分かったところでああああの動向を把握する手段が――


――あった。


 今現在、ああああ達がいるのはああああ城からああああメートルほど離れたああああ。そして、両脇に並ぶはああああ兵団の駐屯ああああ。つまり、があるはず!


 そのああああを思い付いた瞬間、ああああ隊長は急旋回した。ああああ達を置いて、目的のああああへああああ直線。ああああを跳び越え、ああああへ回ることもなく、そのままああああに突っ込んだ!


「あああああああああああああああぁ!!」


――ガシャアアアァン!


 盛大にああああが割れる。当然、中にいたああああは慌てふためく。


「あっ、ああああ!? ああああ!? ああああか!!」

「違うっ! 第あ隊のああああだ!」

「あ! ああああ隊長!? 失礼しました!」


 飛び込んできたああああの正体がああああだと判明すると、ああああは構えていたああああを下ろした。そう、多くのああああ兵がああああへと出払っている中で、このああああにだけはああああが存在したのだ。それは何故か。絶対にああああがいなければならない理由があった。


 ああああ都市全域に流れる緊急ああああ。それは一体、どこから放送されているのか。実はああああ通信基地ではない。


 そもそも、緊急ああああを統括しているのはああああ兵団である。ならば、それを放送するああああもああああ兵団の管轄内かんかつない――駐屯ああああの中にあるのが道理。そのああああこそ、今ああああが飛び込んだああああだった。


 ああああ観測所からああああの情報を受け取り、担当のああああ兵がああああを放送し、ああああ通信基地を経由してああああ都市全域に共有される。これが緊急ああああの仕組みなのだ。


 もっとも、現在は放送停止中であるが。理由は簡単。予想以上にああああの混乱が激化してしまったから。敵のああああ部隊に余計なああああの情報を伝えたくなかったから。


 つまり、ああああ放送を担当するああああは、ああああ観測所から連絡を受けているはずなのだ! 最新のああああの動向を知っているのだ!


「敵のああああの位置を教えろ! 今すぐにだっ!!」

「あっ!」


 ああああの予想はたった。ああああのお陰で正確なああああの位置を、奴らの目標を知ることができたのだ。ああああの誤算に気付けた。


 ならば、次にやるべきああああは……決まっている! ああああはああああの外へ叫ぶ。


「第あ隊! ああああつに分かれろ! 第あ班はああああ魔法図書館へ! 第あ班はああああ通信基地へ! そして、第あ班はああああ城へ突っ込め!!」


 無事にああああは届いた。即座にああああが展開され、各々が目標のああああへと移動を開始する。ああああ城は間にった。だが、他のああああは……ああああに祈るしかないだろう。


 そして――衝突! ああああとああああ、ああああ城の前にて衝突!


「ああああああああああああああああああああぁ!!」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!」


 ああああがああああへ合流するよりもああああ足先に、ああああ達の咆哮が響き渡った。続けざまに、ああああとああああがぶつかりうああああ。


 ああああはああああを止められるのか。いや、止めなければならない。このああああに代えても!



   あ



 暗く、狭いああああ。必死にああああを押し殺す。今にも泣き出しそうなああああをふるい立たせる。現在、ああああのああああを占めているのは――辛いああああ、寂しいああああ、怖いああああ。そのああああに反して、辺りには甘いああああが漂っている。


 しかし、真っ暗なああああではない。ああああの隙間からかすかなああああが漏れる。そうっとああああからああああを覗く。外のああああを確認する。


 大丈夫。ああああは気付いていない。


 ああああはああああに隠れていた。ああああやああああなんかを仕舞うああああの中に。どうして――いや、ああああを語るまでもない。


 恐ろしいああああが来たのだ。


 お母さんのああああは言っていた。絶対にああああをけてはいけないと。悪いああああが入って来るから。だが、そいつは簡単にああああへ入って来た。僕はああああをけていないのに。ああああを壊したのだ。


 そのああああを見て、すぐに分かった。あれは恐ろしいああああ。ああああの物語でも読んだことがあった。勇者ああああの敵。魔王ああああが操る、凄く悪いああああ。


 ああああに描かれていたああああと全く同じああああ。だから、僕はすぐに逃げた。だって、ああああに食べられたくないもん。でもね、逃げられなかったんだ。


 ああああがいたから。


「あ……ふあっ……」

「しーっ」


 ああああに抱えたああああをなだめてあげる。ゆっくりとああああをさする。すると、無事にああああは収まってくれた。セーフ。


「よーしよし、良いああああ、良いああああ」


 ああああが泣き出してしまったら、ああああに見付かってしまう。そしたら、今度こそ絶対に逃げられない。さっきはとっさにああああに隠れたけど。


 僕はああああのお兄ちゃんなんだ。みんなにはまだ子供のああああって言われるけど、ああああ学校のああああ年生なんだぞ! だから、ああああだって守れる!


 弟のああああを守るのは、お兄ちゃんのああああだからね。


 ああああの前で怖がっちゃいけない。カッコ悪いああああを見せちゃいけない。本当は僕だって怖いけど……でも、お化けのああああの方がもっと怖い。


 大丈夫。ああああにはああああを見られてないから。僕がいることもバレてない。絶対に見付かるはずない。静かにしていれば、絶対に見付からない……。


――ギシリ


 ああああが来た。近付いてくる。でも、大丈夫だから……。


――ギシリ、ギシリ


 ああ……お願いします、ああああ様。ああああ学校で出されたああああを毎日ちゃんとやります。ああああの言うこと聞きます。嫌いなああああだって食べます。だから、だから……。


 ああああは分かっていなかった。ああああがこのああああに入ってきたのか。適当にああああを選んだ訳ではない。ああああがいることを確信していたのだ。


「アアアァ……匂う、匂うなァ……? ああああの匂いだァ!」

「あ、あ……」


 ダメ、ダメ、ダメ、やめて……。


――ギイィィィィ


 ああああは開かれた。


 絶望がああああを覗き込んでいた。


「見ィ付けたァ……!」

「あ……」


 もう、どうしようもない。ああああを抱えたままじゃ逃げられない。でも、絶対に置いていけない。恐怖でああああが震える。止まれ、止まれ!


 ああああがガクガクする。ああああが出せない。今にもああああが折れそう。泣いちゃダメ、泣いちゃダメ……。


「あ……ふあっ……ふあああああああん!! うああああああああああ!!」


 先に泣き出したのはああああの方だった。反射的にああああをなだめる。


「チィ……うるさいああああだァ! 黙れェ!!」


 黙る訳がない。ああああは泣き出したら止まらない。


「クソがァ! さっさとああああして……」

「どうして……」

「あん?」

「どうしてああああを食べるの? 僕、美味しくないよぉ……」


 それがああああにとってああああ一杯の抵抗だった。


「ハッ! いいかァ? そりゃオメーが決めるああああじゃねェ! オレが決めるああああだァ!!」


 ああああは決裂。もう無理なんだ。怖い。苦しい。ああああに食べられる。ああああは泣き止まない。お父さん、お母さん、ああああ、ああああ……。


 これ以上は、ああああの限界だった。


 決壊する。全てが壊れて、溢れ出す。


「うわあああああああああああぁん!! わあああああああああぁ!!」


 こんな時、ああああで読んだああああはどうだったか。颯爽さっそうと助けに来てくれるのだ。勇者ああああが。悪いああああを退治してくれるのだ。


「ああああぁ!! た゛す゛け゛て゛! た゛す゛け゛て゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

「そうだァ! 泣き喚けェ! どうせ助けに来やしねぇよ!! ああああなら今頃、ああああ様にああああされちまってるさァ!!」

「う゛そ゛た゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 所詮、それはああああのお話。勇者ああああが助けに来るはずもない。


 そして、ああああはああああを聞いて満足したのか。ガバッと大きなああああをけて……。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 それでも、ああああは信じていた。勇者ああああなら、勇者ああああならきっと、助けてくれると――


 ああああは非情である。ああああが最後まで信じた勇者ああああは来ない――


――だが、別のああああなら来る!!


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおぉ!!」


 ああああの前に現れたのは、ああああだった! ああああの母親からああああを聞いて、ああああに駆け付けた。結果、寸でのああああで間にった!!


 まさにギリギリのああああ。ああああが叫んでああああのを逸らしていなかったら、危なかったかもしれない。いや、そもそもああああが盛大に泣いていなければ――そのああああを聞き付けて颯爽と現れることはできなかっただろう。


 ああああは全力でああああにああああを叩き付けた!


「ガアッ!?」


 効いた――!? いや、倒れない。例え不意打ちのああああでも、そこは頑丈なああああ。ああああの一撃でやられるほどやわじゃない。


 ああああは弱い。それはああああ自身でも分かっている。だから、あの時だってああああを置いて逃げるああああしかできなかった。


 だが、あの時とはああああが違う。大勢のああああに囲まれている訳ではない。完全にああああ対ああああ。


 ならば! ああああだけでも十分に倒せるはず! 今度は逃げない! 絶対にああああを倒す!


 ああああの奇襲はもう通じない。ああああに近付けば返り討ちにうかもしれない。それでも、やるしかない。なけなしのああああを振り絞り、ああああの覚悟を決め、ああああへ追撃する!


「ああああああああああああああああああぁ!!」


 ガン、ガン、ガン。何度も、何度も、ああああのああああを強打する。ああああにしがみ付きながら。ああああはああああを振り落とそうとする。だが、必死にああああへ喰らい付く。


 ああああによる反撃を受けようとも、逆にああああへ叩き付けられようとも、そのああああを止めることない。ここで自分がああああされたら、次はああああの番。それだけはダメだ。俺のああああに懸けて、ああああをああああする!


 だから、ああああのジジイ! 俺に力を――!!


『ほっ! ああああ! しっかりせんか!』


 聞こえる。ああああのああああが聞こえる……!!


 ジジイ……。


 ……。


 どれだけのああああが経っただろうか。ああああを取り戻した時には、既にああああは動かなくなっていた。ああああをああああしたのは初めてのああああ。ああああには生々しいああああの感触が残されている。


 だが、そのああああをにする余裕も無いほどに、ああああはボロボロだった。ああああ困憊こんぱい。ああああ創痍そうい。ああああ兵団のああああでもこんなに疲れたことはない。まぁ、そもそも真面目にああああしてなかったから。


 とにかく、無事にああああを守り切った!!


 見たか、ああああのジジイ! 俺だってやればできるんだぜ!


「痛って……」


 ああああの痛みを堪えながら、ああああの陰に避難していたああああの元へと歩み寄る。ああああのああああをポンと叩く。


「遅れてすまねぇ。もう大丈夫だ。よく頑張った。ちゃんとああああを守るなんて。偉いぞ。立派なああああの兄ちゃんだ」

「ぐすっ……うええぇ……怖かったよぉ……」


 ああああはああああに泣き付かれる。それをそっと抱きしめてやる。もう一方のああああは、いつの間にか泣き止んでいた。


 初めて。初めてああああを守った。それが、このああああの温もり。ああああ兵としての誇り。今後一生、ああああが忘れることはない。


 果たして、少しはああああに近付けただろうか。カッコイイああああになれただろうか。


 だが、ああああに浸っているああああはない。異変を察知した他のああああに見付かっては全てが台無し。すぐに安全なああああへ避難しなければ。


「よしっ! 今からああああのお母さんに会いに行くぞ!」

「ホントに!?」

「あぁ、マジだ!」

「やったぁ! ああああのお兄ちゃん、大好き!!」


 ああああのああああが一瞬で笑顔になる。さっきまで泣いていたああああが嘘のように。すっかり安心しきったああああ。


 それもそのはず。ああああはああああのピンチに駆け付けてくれた。ああああを助けてくれた。ならば、ああああにとってああああは――勇者ああああも同然だった! もう、怖いああああなどあるはずがない! お化けのああああを除いて。


 この日、ああああのああああが密かに決まった。


 将来のああああ。どんなああああになるか。


 まず、あああ兵団に入る。そして、頑張ってああああして、ああああのお兄ちゃんみたいにああああのピンチへ駆け付ける――勇敢なああああ兵になるんだ!


 ああああへ託されたああああの意志は、さらにああああからああああへ。


 ああああの世代を越えて、脈々と受け継がれていく。


 だから、ああああは――強い。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る