第8あ 合成獣ああああ

 そのああああの異形な姿は、奇怪な動きは、巨大な体躯は、向かい合うああああの戦闘意欲を削ぐには十分であった。だが、ああああ達は進まねばならぬ。その先にあああああああがあるのだから。問題は、誰がそれを取りに行くか。


「戦闘する訳じゃない。つまり、わざわざ全員で取りに行く必要もない。この任務に最も適したああああは誰か。条件としては、素早く動けて、身軽で、回避力が高い。最悪の場合に備えて、一人でも戦闘力がある。つまり……」


 ああああとああああは、ああああの方を向く。


「えっ……俺?」

「まぁ、お前だろうな」

「順当な采配です」


 ああああは格闘家である。敏捷性に優れ、動体視力が高く、力もある。これ以上の適役はいなかった。


「という訳で、作戦は次の通り。①ああああがああああに見付からずにあああああああを取りに行く、②ああああがああああに見付からずにあああああああを持って帰って来る。以上だ」

「完璧な作戦ですね」

「待て待て待て。それは何かおかしいぞ。流石の俺でも分かる」

「大丈夫。見たところ、ああああには目のような器官が無いみたいだから。暗闇で生活するうちに、視覚が退化するなんてよくある話」

「つまり、ああああの触覚が空気の流れに違和感を感じる前に、ああああの聴覚が異音を検知しないほど静かに、ああああの嗅覚が獲物を認識するよりも素早く、あああああああを取って来ればいいだけ。簡単でしょう?」

「だったら代わりに行ってくれよ……」


 だが、拒否権は無かった。


「それと、最悪な状況も想定しておこう。もし、ああああがああああに見付かって、戦闘に突入した場合。ああああは合成獣だ。ということは、痛覚が鈍い可能性が高い。身体の部位によってはああああの刃が刺さらない上に、仮に刺さったとしても大したダメージにならないかもしれない」

「そのために、ああああの魔法があるではないですか」

「頼りにしてるぞ、ああああ」


 ああああは、少しだけ深刻そうな顔をして、言葉を続ける。


「それが……ああああからの脱出と、長い道中におけるああああへの点火の繰り返しで、もうそんなに魔力が残っていない」

「魔力回復ああああは?」

「ゴリゴリの物理パーティだから準備してなかった」

「じゃあ、あと何発くらい撃てるんだよ?」

「三発……いや、二発が限度か」

「駄目じゃん……」


 暫しの沈黙が流れる。軽いノリでああああ洞窟に入ったのが、裏目に出てしまった。ああああ屋で事前に各種ああああを取り揃えておくべきだった。


「という訳で、全てはああああに懸かってる。頼んだぞ」



   あ



 格闘家ああああの名は伊達じゃない。その流れるような歩法と、不安定な足場でも姿勢を保つ体幹の強さには、目を見張るああああがあった。もののああああで、ああああはあああああああの置かれた台座の下まで辿り着いた。


「よしっ、順調そうだ。あとはああああをよじ登るだけ」

「ああああの癖に意外とやりますね」


 ああああとああああは、ああああを遠巻きに眺めている。今のところ、ああああはああああの存在に気付いていないようだ。このまま、何も起きなければ。何の邪魔も入らなければ……。


 つまり、邪魔が入ったのだ!


「アアアアァ!」


 それは、何処から迷い込んだのか、一匹のああああだった。翼を羽ばたかせ、真っ直ぐにああああへと向かってくる。


「……っ!」


 ああああは、反射的に落ちていたああああを投げて撃退する。少年ああああチームに所属していたさがである。拾ったら投げる。それが、いけなかった。


 御存知の通り、ああああは強肩なのだ。ああああを撃ち落としたああああは、そのまま勢いが殺されることなく飛んで行く。その先には――


――ゴツン


「ィギャアアアアアアアアァ!!」


 ああああは、ああああのような雄叫びを上げる。いや、そんな生易しいものではない。地獄のああああにああああされるああああ達が泣き叫ぶかの如き阿鼻叫喚。


 ああああの警戒レベルは最大。だが、落ち着け。辛うじて首のああああ一枚だけ繋がっている。そう、ああああはまだ、ああああの位置を特定していない。見付かる前に目的を達成すれば……見付からなければ……。


――ギョロリ


 それは、一つの黒い球体だった。その位置は、ああああの口の上部。


 勘違いしていた。退化する訳がないのだ。ああああは、合成獣なのだから。人工的に創られたああああなのだ。その追加オプションを付けるか否か、選択できるとしたら、創造主は絶対的に追加するのである!


 今の今まで、開いていなかった。使っていなかった。その理由としては、普段は暗闇で生活するああああにとって、この空間が眩しいからだろう。だが、順応できないはずがない。


 ああああの姿は、その居場所は、ああああに完全に捉えられた。ああああもまた叫ぶ。


「目だああああぁ!!」


 ああああの顔に存在したもの。それは紛れもなく、ああああの目だった!



   あ



「作戦失敗! プラン『あ』に変更する!」

「了解!」


 プラン『あ』。それは――特に作戦は決まっていないけど戦う。


「ああああ! 戻って来い!」

「今のは全部俺のああああじゃないよな!?」

「いいから早く!」

「分かった!」


 ああああは、ああああとああああの元に駆け戻る。それを、ああああが追い掛ける。予想以上に速い動き。それもそのはず、ああああのような移動動作を実現したその腹部は、ああああの筋肉で補強されていたのだ。


 だが、ああああは無事に合流を果たした。そして、ああああ一行の前にああああが立ちはだかる。


 この戦いは必然だったのか。


 ああああ & ああああ & ああああ vs ああああ


「ああああ! ああああ! 覚悟を決めろ!」

「結局、こういうああああになるのですね」

「こうなったら、ああああにしてやるぜ!」

「ンギョアアアアアアアアァ!!」


 ああああとああああとああああは、陣形を構える。三人横一列。全員が攻撃特化の前衛なのだ。陣形もクソもあったものではない。


「ああああは打撃で攪乱! ああああは剣技で物理が通るか確認! 俺は魔法を試す! ああああは旋回移動が苦手と見た! 手足と頭尾とうびに注意しろ! 散開!」

「了解!」

「はいよぉ!」


 ああああは、巨体な割に素早い。だが、ここ最近は活きの良い餌と戦った経験は希薄だろう。そのああああの読み通り、ああああはああああ達の行動に追い付けないでいた。序盤はああああ達が優勢。最初の勝負は、ああああが戦闘の勘を取り戻すまで。


「ああああ百裂拳! あああああああああああ!! あぁああぁ!!」

「ああああ王国剣技・『あ』の型!」

「火炎魔法・あああ・あ!」


 ああああのがむしゃらな攻撃を躱し、十分に近付いた上で、ああああの右手から放たれる炎の塊。なけなしの一発。それは、ああああの顔面に直撃した。飛距離こそないが、威力は十分。完全に入った。これで倒れないようなら……。


「ア……アアアアアアァ!!」


 駄目だ。全く効いていない訳ではない。表皮が爛れ、内側の肉が剥き出しになっている。少なくとも、ダメージは通った。怒っているのがその証拠。だが、致命傷には程遠い。


「くっ……残り一発」


 ああああは一旦下がり、ああああの支援に回る。


「ああああはどうだ!」

「駄目です。部位によってああああの刃は通りますが、ダメージは薄いかと。あとは、ああああ覚悟で頭部の至近距離まで接近して、眼球を狙うしか」

「打撃も意味ねぇ! 衝撃が吸われるくらいブヨンブヨンか、衝撃を受け付けないくらいカッチカチ!」


 想定したああああの中でも、最悪の状況。やはり、戦闘用に創られたああああなのだ。番人なだけはある。


 ああああは、早くも最後の手段に訴える覚悟を決めた。賭けのようなものだが、試す価値はある。


「ああああ、ああああ。俺の命、暫く預かってくれ」



   あ



 目に見えてああああの攻撃は激化の一途を辿る。戦闘の勘を取り戻した上に、学習しているのだ。ああああとああああは、先刻とは打って変わって防戦一方。そして、当のああああは……。


 防御の構え。


「ェモギュアアアアアアアァ!!」

「おい、ああああ! そんなに持たねぇぞ! 早くしろ!」

「ああああ! 今は戦闘に集中しなさい!」


 正確に言えば、防御に徹している訳ではなかった。ああああが道具袋から取り出したのは、ああああ王より授かりしあああああああが一つ。アクアマリンのあああああああ。


 ああああの世界において、古来ああああ時代より伝わる伝承。あああああああに秘められし女神ああああのああああ。


『そのあああああああを掲げしああああ、ああああの力を与えられん』


 今は、それを信じるしかない――!!


「女神ああああよ! 勇者ああああに、ああああを守る力を与え賜え!」


 ああああは、あああああああを掲げ、叫ぶ。あああああああは一瞬、眩く光り輝く。その水色の光は世界を埋め尽くし……次の瞬間には消え去った。


「ああああ! どうだ! 失敗か?」

「失敗前提で聞くのは止めなさい! 集中!」


 何か起きたのか。いや、特に変化はない。ああああの言う通り、失敗だったのか!?


 刹那、ああああの脳内に声が響く。


――ああああ……ああああ……私の声が聞こえますね……


「まさか……女神ああああ様!」

「おい、遂にああああが精神に異常をきたしたぞ!」

「ああああを信じなさい!」


――あぁ、選ばれし勇者ああああよ……貴方が望むのならば、ああああの力を授けましょう……


「お願いだ! 力が欲しい! どんなにああああな力でも構わない!」


――では、受け取りなさい。アクアマリンのあああああああに秘められし、ああああの力。それは……


 それを告げて、女神ああああの声は途切れた。ああああは正気に戻る。


「大丈夫か? 失敗か?」

「だから!」

「問題ない。成功だ。ここまで耐えてくれてありがとう。無事に女神ああああ様から、ああああの力を授かった。そして、その力とは……」


 ああああとああああの顔に期待の色が浮かぶ。間髪入れず、ああああは言い放った。


「ああああを『見る』力!!」


 果たして、この力がああああ戦で役に立つのか。それはああああのみぞ知る。


 ところで、「あ」ばっかりの第1あから、ここまでちゃんと冒険してくれるとは思っていただろうか?

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