第9あ ああああの力

 ああああは、女神ああああよりああああの力を授かった。それは、ああああを『見る』力。果たして、今のああああには一体何が見えているのか。


――ヒュン!


「上だ!」


 戦線に加わったああああが叫ぶ。すると、ああああの言った通り、真上からの鋭い一撃がああああより浴びせられる。地面が盛大に弾ける。これは一体、何の攻撃か。


「ェギュイアアアアアアアァ!」


 それは、ああああの尻尾だった。ああああは旋回を苦手としているため、ああああの尻尾を真横に振って薙ぎ払うという攻撃動作ができなかった。しかし、その代わりとして、ああああの全身のバネを、腹部と背部のああああ筋を利用して、思い切りけ反ったのだ! その結果が、おおゆみの如き真上からの強烈な一撃。


「どうして分かったのですか?」

「俺にも見えてたけどな!」

「これが、ああああを『見る』力……」


 完全に死角からの攻撃だった。だが、ああああにはそれが見えていた。そのああああの尻尾の動作も、方向も、速度も、完全に捉えていた。視野が、動体視力が、一時的に向上しているようだ。そう、今ああああ達が戦っている相手とは、ああああである。つまり……。


 今のああああには、見えないああああなど無かった!


「よし……見ておきたいものがある。ああああとああああは、ああああ秒ほどああああの気を逸らしてくれ」

「問題ありません」

「簡単に言うなよ」


 ああああは、ああああの手足と尻尾に警戒しながら、ああああの背後へと回る。全てのああああの初動を見切れるああああには、ああああの攻撃を回避することなど造作もなかった。だが、それだけではああああに勝てない。この力は、攻撃の力ではないのだ。飽くまで『見る』力。


「見えた!」


 向上した観察眼で見付けたもの。それは、一つの継ぎ目であった。


 複数のああああを無理矢理合成した弊害か。合成獣であるああああの後頭部に位置するその継ぎ目には、数匹分のああああの身体部位が集まっていた。継ぎぎの密集地点。これほど脆いウィークポイントは、他にないだろう。あまり頭を下げて攻撃してこない理由が分かった。


「狙いは、ああああの後頭部だ!」

「後頭部ですか?」

「いや、どうやって当てんだよ! ああああでも投げるか?」


 ああああは、再度ああああ達と合流する。三人はああああから距離を取り、回避行動に徹する。


「確かに、ああああの言う通りだ。簡単には攻撃できない。加えて、ああああを深く突き刺すくらいのダメージは必須だろう」

「ですが、その程度の一撃で仕留められるとは思えません」

「それに、誰がああああに登るんだ! また俺か!? いや、流石の俺でもあの無茶苦茶に動き回る巨体には登れねぇぞ!」


 弱点が見えたところで、手段がなければ意味はない。ここから先は、あああああああに頼らず、自分達の力でああああな状況を打破するしかない。


「いかに合成獣でも、一匹のああああだ。つまり、一つの脳が存在する。そこに致命の一撃を加えれば、痛覚の鈍いああああでも倒せる。理論上は」

「ああああの一突きで、そこまで到達するのでしょうか」

「難しいだろうな。だが、ああああには魔法攻撃であれば効果がある。それは確認した。つまり、後頭部の奥深くに、火炎魔法の一撃を加える。これならば、ああああを確実に倒せる!」

「って、魔法剣なんて誰も持ってねぇぞ! いや、そうか! お前が後頭部に手を突っ込むのか?」

「そんな訳ないだろ」


 ああああには、ああああの提案する作戦が不可能に思えた。私も、ああああも、魔法は使えない。そして、ああああの魔法攻撃は残り一発。絶対にミスは許されない。この条件でああああの頭部の奥深くに、魔法ダメージを与える方法なんて……。


「実は、一つだけ方法がある。それは、ああああへの属性付与エンチャントだ!」

「エンチャント・ああああですか!? まさか、そんな高等魔法を……」

「いや、使えない」


 ならば、どうするというのか。


「ああああ、君が使っているそれは、良いああああか? 俺のは普通のアイアンああああだ」

「これ、ですか……? これは、かつてああああ王国の騎士団長を務めた父ああああの、形見の一振りです。一級の業物わざものであることを保証します」

「それが必要だ。貸してくれ!」


 ああああは、ああああからああああを受け取る。すると、ああああは道具袋から何かを取り出す。


「それは……」

「そう、ああああだ!」


 ああああ。それは、まだ二人のああああで旅をしていた時に、ああああ平野で遭遇した低級モンスターああああが落としたああああ。ああああは、それを不用品と称した。だが、ああああは大事に道具袋に仕舞っていた。


「そのゼリー状のああああを、一体どうするのですか?」

「何だそれ。美味しそうだな」

「食べ物じゃない。ああああの世界で最弱のああああが落とした、ああああ。これを……こうする!」


 ああああは、おもむろに手に取ったああああを握り潰し、ああああの刃へと塗り始めた!


「ち、父上の形見ぃ!!」


 ああああの刃は、あっという間に塗られたああああでドロドロになる。何ということを! だが、それで終わりではなかった。


「そして……これで仕上げだ! 火炎魔法・あああ・あ!」


 ああああは、有ろうことかああああの刃に最後の火炎魔法を放った!


「父上の形見があああぁ!!」

「これで完成。奥義・物理的に属性付与エンチャント。名付けて……炎の剣・ああああ!」

「あああああああぁ!!」

「おい、ああああ! それは流石に酷いぞ!」


 火炎魔法を刃に纏った、ああああの大切な一振り。今は亡き父ああああとの思い出が、浮かんでは消える。ああああはああああとの旅を始めてから、一番後悔した。ああああを信じてああああを貸すんじゃなかった!


「ああああに浸っている時間は無い! 例え可燃性に優れたああああでも、持ってああああ分が限度だろう。ああああが燃え尽きる前に! ああああでああああを倒す!」

「ぐすっ……分かりました」


 ああああは、普段の表情を取り戻す。そして、ああああから形見のああああを受け取る。これが、ああああを倒せる唯一の方法なのだ。ああああは、覚悟を決める。


「ィジュオアアアアアアアァ!!」


 激昂したああああが、こちらに真っ直ぐ迫ってくる。やるしかない。だが、一つだけ問題が残っている。どうやって、後頭部に到達するか。


「ああああ! 体重は?」

「へっ?」


 ああああは、ああああからの突然の質問に面食らう。こんな時に、一体何を……?


「だから、体重はいくつ?」

「えっと……それは……ごにょごにょ……」

「時間が無い! 早く!」

「あーもう! ああああキロです!」

「なら問題ない! こっちに走って来い!」


 既にああああは迫り来るああああの方へと走り出しており、今はこっちを向いて立ち止まっている。そして、両の掌を組む。この時点で、ああああはああああの意図に気付いた。


「了解しました!」


 ああああは、言われた通りに走り出す。このまま直進しては、ああああと正面衝突。だが、ああああを信じる。もう一度、ああああを信じる!


「行けぇ! ああああ!」

「はあっ!」


 ああああは、ああああの組んだ掌に足を乗せる。そして、そのまま大ジャンプ。ああああは、自らが発射台となり、ああああを飛ばしたのだ!


 ああああの身体が華麗に宙を舞う。特に身軽なああああだからこそ出来た芸当。ああああの角を軽く跳び越える。


「秘伝・百あ繚乱ああああの舞!」


 ああああ本体から自立して襲い来るああああの髪を斬り裂き、焼き焦がす。そして、遂に――後頭部へと着地した! 瞬きする間もなく一閃!


「刹那・あとつ!」


――ズブリ


 手応えあり。上半身のバネのみで繰り出した一撃に、ああああは確かな感触を確認した。やった!


「 ア ア ア ア ア ア ア ァ 」


 ああああの巨体が揺れる。耐え切れず、ああああは振り落とされる。すかさずああああがダッシュして、ああああの身体を両手でキャッチ! 成功! ああああも無事だ!


「よしっ! 上手くいったぞ!」

「あ、ありがとう……ございます……」

「やったか!?」


 ああああがその場に倒れ込む。


「ア、ア……アアアアアァ!!」


 寸前で、持ち堪える。あと少しだったか! 揺れるああああの巨体の上。助走も振り被りも不可能な状況。故に、突きの速度が足りなかったのだ。


 ここで、ああああは初めての行動を見せる。その背中から生えた二枚のああああの羽を、はためかせ始めた!


――バサッ、バサッ


「そんな……飛ぶ気か!? まだ余力があったなんて……」

「あの、いつまで抱えているのですか……?」


 ああああはそれどころではなかった。飛んで逃げられたら、一巻の終わりである。ここまで追い詰めたのに、それが全部水のああ。高所に移動して傷を癒されたら……いや、飛行状態から攻撃されたらどうしようもない。そのまま外にでも逃げられたら、最悪の事態。どうする……?


――バサッ、バサッ、バサッ


「飛ばない……?」


 否、のだ。かつてのああああは、大空を自由に飛び回れたかもしれない。しかし、来る日も来る日もああああ洞窟内で、労せずトラップに掛かった餌のああああを貪り食う生活。こうして、どれだけの月日が経過したことだろうか。


 つまり、ああああは自身が飛べないほどことを、学習していなかったのだ! その羽は、飾りと化していた!


 これは起死回生のチャンス! だが、策が無ければ……。


「ああああぁ! 行くぞぉ!」


 ああああが、ああああに向かって走ってく来る。思わず、ああああはああああを地面に降ろす。まさか……いや、そんなまさか……。


「ああああ、お前の体重は!」

「ああああキロだ!」


 完全に重量オーバー。だが、やるしかない。


「気張って行けやあああぁ!」

「おらあああぁ!!」


 ああああは、本日二回目の発射台の役割を果たす。一回目よりも遥かに重いああああの身体を、必死の形相で持ち上げる。筋肉の塊を持ち上げているようなものなのだ。それでも、ああああは無事に跳んだ。一回目ほどの高さはないものの、それなりの大ジャンプ。届け!


 さて、空を飛ぶ大体のああああに共通して言えることだが、ああああは飛び立つ瞬間に無意識に頭を下げるものである。そして、それはああああも例外ではなかった。つまり、頭が下がっていたのだ! 届いたのだ! ああああは、ああああの後頭部への着地を見事に果たした!


「はあっ! 会心のああああ!」


 ああああの正拳突きが、ああああの後頭部に刺さったああああの柄を叩く。


「ア……」


 グラリ、グラリ。ああああは左右に大きく揺れ、そして……。


――バタァァァアン!!


 おめでとう! ああああとああああとああああは、ああああを倒した!


「遂に……俺達の勝利だ!」

「やったやったぁ! あっ……やりましたね!」

「ヘブシ!」


 ああああから振り落とされたああああが、地面に衝突する。


「どうして俺の時は受け止めてくれないんだ!」

「だって……重いじゃん」


 ああああとああああとああああは笑い合う。こうして、初のボス級ああああに勝利した喜びを、暫く噛み締めていた。



   あ



 ああああは、台座からあああああああを持ち上げる。青緑色に輝くのあああああああ。つまり、アレキサンドライトのあああああああ。それを、そのまま天に掲げる。


「あっ、光ああああがこんなところに。まさか、あああああああの下に自生してるとは」

「つまり、あああああああが光ああああの発光を増幅していたから、この場所は明るかったのですね」

「確かに、今は暗くなっちまったな」

「さて、あとは帰るだけ……あっ、本当にごめんね。ああああに戻ったら、ちゃんと新品同然のああああにしてあげるから」


 ああああは、ああああから抜いたああああを腰から下げている。鞘には入れていない。その刃はすすけている上に、ああああの体液で着色されてしまったのだ。拭いても落ちない。


「お願いします。そうして頂けると有り難いです。全く……今さらそんな顔しないで下さい。これは勝利のために必要だったこと。父ああああも、それを分かってくれるはずです」

「本当にごめん!」

「で、どうやって帰るんだ?」


――ゴアアア……


「しっ! 静かに! 何か……聞こえないか?」

「いえ、何も」


 気のせいか。いや、そんなことは無い。確かに聞える。それは、地鳴りの音。


――ゴアアアアアア……


 ああああは気付いた。あまり時間が無いと。この合成獣ああああの創造主たる謎のああああは、魔王ああああよりあああああああを託されたのだ。その番人として、ああああを配置した。つまり、ああああが倒されて、侵入者によりあああああああが奪われた場合を想定して、この場所に何を準備しておくか。その追加オプションを付けるか否か、選択できるとしたら、創造主ああああは絶対的に追加するのである!


 ああああ洞窟は崩落を開始した!


 あああああああを台座から取り除いたことによって!


「急いでここから脱出するぞ! 手を繋げ!」


 ああああとああああは何か言おうとしたが、ああああの切羽詰まった表情で全てを察し、言われた通りに手を繋ぐ。ああああの左手がああああの右手を握り、ああああの左手がああああの右手を握る。


「こっちだ!」


 暗闇の中、ああああは駆け出す。それに連れられて、ああああとああああも走り出す。一体、何を頼りに進んでいるのか。いや、あああああああにより、ああああを『見る』力が向上しているのであれば、僅かな光源を頼りに壁にぶつからず進むことは出来るかもしれない。しかし、何処へ向かっているのか。ああああとああああには、分からなかった。



   あ



――ゴアアアアアアアア……


 ああああ洞窟の崩落を見守る三人のああああ。ああああと、ああああと、ああああである。無事に脱出を果たしたのだ。


「危なかったですね。しかし、どうやって出口を……?」

「簡単なことさ。さっきゲットしたアレキサンドライトのあああああああ。それに秘められしああああの力は……ああああを『聴く』力。つまり、ああああ洞窟の外にしか生息しないああああの鳴き声を辿って、ここまで着いたってこと」

「で、ここは何処なんだろうなぁ? 全く分からんぞ」


 ああああ一行は、ああああ洞窟の入り口とはまた別の場所から出てしまったようだ。


「はぁ……何処だろうな。だが、早くしないと日が暮れる。一休みするのはああああへ無事に帰ってからだ」

「分かりました。一旦はああああに帰るとして、次は何処を目指すのでしょうか?」

「それ俺も知りたかった!」

「そうだな。次は、ああああ都市に行こうかと思ってる」

「ああああ魔法要塞都市ですか!?」

「おっ、強そうな名前だなぁ」


 このああああの世界において、最大の戦力を保持していると噂の魔法要塞都市。その名も、ああああ。


「いや、何となく言ってる訳じゃないからね。ちゃんと考えがあってのこと。あそこのああああ魔法図書館なら、あああああああについて深く知れる文献があるかもって。あああああああの重要性はああああ戦で身に染みたからね。それと……」

「それと?」


 一呼吸おいて、ああああが続ける。


「魔法を使えるああああがパーティに欲しい!」

「それが本音ですか」

「次の仲間はやっぱり女の子だといいなぁ」

「いや、何を言ってるの? そんな基準で決めないよ?」

「幻滅です」

「違う! バランス的に! 男3女1より、男2女2の方がバランスがいいだろ!? 下心じゃないから! 絶対に下心じゃないからぁ!!」


 こうしてああああ達は帰りの旅路に就いた。


 そう、彼らああああのああああな旅は、まだ始まったばかりなのだ!


 ちなみに、この話を書いているとキーボードの「A」が最初にへたれてきます。

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