語ります

@18189109

ありがとう

 まずは、これを読んでくれた方々にお礼を申し上げます。

 ただ語るだけ、それだけの文章に興味を持って接してくれたことを心から感謝します。

 挨拶もここまで。本題に入りましょう。


 私は世間で言うところの高機能自閉症という障がいを持っています。生まれた時から、これに幾度となく振り回されてきました。一般的に自閉症というのは知的障がいのひとつであり、健常者と呼ばれる普通の人たちと比べて言語発達の遅れが目立ちます。他には感情のコントロールが本人では難しいことや、突拍子もないことをすることも当てはまります。また、何か一つのことに対して異常なまでの執着を見せたり、理解しがたい拘りを持っています。

 そのような特徴のあるものを、私は持っています。

 今となっては、自分がこれで良かったと胸を張れて言えますが、昔は自分のこれが嫌いでした。頭でも理解できないほどの衝動の抑えようの無さが、他人からの蔑みの目を向けられることがとてつもなく嫌で仕方ありませんでした。わかってもらえないからまた抑えれなくなって……正直、この世で生きることに疲れて幻想に逃げたいと幾度となく思いました。死にたいとも思いました。現実で生きていくことに辛すぎて苦しかった。

 それでも今この時まで、生きている私がいる。

 生きたいと心の底から願った私がいる。

 まだやりたいことがたくさん残っている私がいる。

 未練たらたらしく不安や後悔をしたくないと思う私がいる。

 現実で幻想に目指した私がいる。

 ついには現実で幻想を手に入れた私がいる。

 弱かった自分を変えたいと努力する自分がここにいる。

 ストレスが溜まりすぎてノイローゼになった癖に、それを隠そうとする自分がいる。

 自分にも役に立てることがあるんだと自覚した私がいる。

 純粋に困っている人がいたら助ける自分がいる。

 希望が見つかってそれに縋り付こうとする自分がいる。

 アイデアマンの一面を見つけた自分がいる。

 高機能自閉症と言っても、接してくれた自分仲間がいる。

 

 昔の自分からすれば、本当にこれが未来の姿なのか疑うことだろう。けれど、これは私自身のことだ。今の私は、みっともなく生にしがみついて幻想を手に入れた曖昧な存在だろう。できるわけがないと思っていることを実現した存在だろう。

 境界線が自分でも判断しづらい。のらりくらりと生きている。それが私だ。

 それもこれも、元を辿ればこの先天性のものから始まっていったのだと、今なら確信を持って言える。


 私は、生まれるべくして生まれてきたと声高に言える。

 この自閉症個性を持つべくして持ったのだと宣言できる。

 ―――同じような人、つらい目に遭っている人に私は言葉を送りましょう。


 まだ発売していない期待できるゲームはないのか?

 まだ見たいアニメはないのか?

 まだ読みたい本はないのか?

 もしもあるのなら、そのために生きなさい。生きてください。

 生きる理由なんて、こんな簡単なことで良いんです。

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