第19話 異世界の冒険者ギルドかよ?

 小さな店だと思っていたが、結構な席の数があった。ガラス張りの一面にはカウンター席が並び、中央には二つだけ丸テーブルがある。サイクリストを客層にしているためか、グループ席より個人に重点を置いているようだ。

 その丸テーブルに、3人が座っていた。上座(?)にユイ。その左隣にアキラ。そしてそのさらに左隣にルリ。

 なにやら両手に花の状態となったアキラは、改めて自分の立ち位置と居心地の悪さを感じる。あの辺のロードレースのチームであろう、お揃いジャージの男性諸君から軽く睨まれたのは気のせいじゃないと思う。

「ご注文はお決まりでしょうか?」

 注文を取りに来た男性店員に、

「スパゲティミートソース。サラダセットで」

 とアキラが頼み、

「同じものを」

 ルリが横着し、

「私は、この季節のスープスパと、冷製ポタージュお願いします」

 最後にユイが言って注文が終了する。

 男性店員が全員分の注文を繰り返して、アキラたちは生返事で回答した。仮に繰り返した注文が間違っていたとしても、誰も気づかないだろう。

 そんなことよりも、アキラとルリには気になっていることがあった。

 それは――


「「ござるはどうした!?」」


 店員が去った後、ついにこらえきれなくなった二人が突っ込む。すると、ユイはキュッと肩を吊り上げて首をすぼめた。

「だ、だって……実は拙者も、恥ずかしいのでござるからな」

 非常に小さな声で、二人にしか聞かれたくないという気持ちで言う。

「恥ずかしいなら、なんでやってんだよ」

「し、仕方なかろう。拙者とて3年前までは、紛れもない中二だったでござるよ。中二病で変なキャラ付けをしたのが最後。戻すに戻せず、このざまでござる」

「いや、高校に入るときに戻すとか、なんかタイミングないのかよ」

「試したでござるよ。でも、高校には中学からの同級生も多数来てしまって、みんなが『どうしたの?ユイちゃん』『高校デビューだね』『今日はござるって言わないの?』なんて言うものでござるから……」

 ますます縮こまるユイに、ルリがさらに追い打ちをかける。

「そう言えば、自転車を買いに来た日は、ご家族と一緒でしたね。家でもその喋り方なのですか?」

「う、うむ。さすがに母上からは心配されているのでござるが、な」

「頭を?」

「交友関係を、でござる。言わせるでないわ恥ずかしい」

「まあ、確かに恥ずかしい奴ですね。あなたは」

 さらに俯くユイを見て、逆に勝ち誇ったようにふんぞり返るルリ。いったい何がこの二人をここまで仲違いさせるのか。

「今日だって、アキラ殿がひとりであったなら、普通のおなごのように振舞ったでござる。もしくは話しかけもしなかったでござるよ……」

 頭のてっぺん辺りでぴょんぴょん跳ねている茶髪を揺らしながら、ずっともじもじしている。そんなユイを見て、ルリは……

「まあ、私はそんなユイの喋り方、好きですけどね」

 などと心にもないことを言った。ぱぁっと顔をほころばせたユイが、立ち上がって叫ぶ。

「ほ、本当でござるか!?拙者――」

「嘘です」

「え?」

 気付いたころにはもう遅い。他の客や、店員までもがユイを見ている。

「――//////」

「ユイさん。お座りください」

「だ、騙したでござるな」

「はい。去年の内環状線レースでは、ずいぶんと恥をかかされましたからね。仕返しです」

「おぬし、まだ根に持っていたのでござるか?そもそも恥をかいたのは拙者も同じでござろう。引き分けでござる」

「そもそも、あなたが本棚からあんな本を引かなければ……」

「それを言ったら、ルリ姉の店にあんな本があるから……」

 二人でにらみ合って、それから視線をアキラに移して黙る。

「何があったかは聞かないけど、その……大変なんだな」

 アキラが思っている以上に、この二人の確執は深そうだ。




 食後のコーヒーを楽しみながら、ゆったりと過ごす時間。その間にも客が入ったり出たりを何度か繰り返していた。自転車と全く関係ない客も、当然ながら何組も来る。どうやら立地条件が悪い割には繁盛しているらしい。

(周囲には農村しか見えないけどな)

 と、アキラは不思議がった。どこから人が湧いているのだろう?


「さて、ここで少し、自転車に関するお勉強と行きましょうか」

 ルリがスクエアの伊達メガネを装着して言う。いったいどこから取り出したのだろうか。

「お勉強?」

「はい、まずは、ステータス・オープンと唱えてみてください」

「……」

 まあ、確かに小説家になろうではお馴染みのワードだ。異世界に転生したなら一度は言うセリフかもしれないし、言ってみたいセリフかもしれない。

 同級生のケンゴだったら、間違いなく『はーい。ルリさんっ!ステータス・オープン!わあ、ルリさんへの好感度がMAXなのバレちゃった』くらいの事は言うかもしれない。いや、奴は面と向かっては言わないか。裏では何でも言うけど。

 まあ、それはそれとして、

「す、ステータス・オープン」

 アキラが言うと、ルリが神妙な顔で頷く。

「本当に言うんですね」

「お前が言えって言ったんじゃないか」

 そんなアキラのツッコミを無視して、ルリは紙に何かを書き出す。いや、だからその折り畳まれたコピー用紙とペンは何処から取り出しているのか。

 スマホとにらめっこすること数十秒で、ルリがその紙を広げて見せた。

「これが、アキラ様の暫定的なステータスになります」



不知火 翠しらぬい あきら


 脚質クラス:オールラウンダー/トルク型

 車体バイク:Bianchi ROMA 2017

 巡航速度:21km/h

 最高速度:42km/h


 称号:素人に毛が生えた程度

    何かの間違いでルリに勝った男』



「何かの間違いって……」

「私は認めませんよ。ローラー台の上で、ましてハンデが半分もあった勝負なのです。正式に私が負けたわけではありません」

「いや、確かにあれで正式に勝ったとは言い難いけどさ。ルリって、意外と負けず嫌いなんだな」

 学校ではそんな噂もなかったので、割と驚く。もっとも、自転車店で長々と誰も聞いていない解説をしたり、ユイを相手に本気で論争を繰り広げたりと、その兆候はあったのか。

「で、こちらが私のステータスです」



吉識 瑠璃よしき るり


 脚質クラス:クライマー/回転型

 車体バイク:GIOS AIRONE 2016

 巡航速度:28km/h

 最高速度:63km/h(ローラー台でのみ、72km/h)


 称号:自転車店のバイト

    クール&ミステリアスな女子大生』



「おい。このクール&ミステリアスな女子大生ってなんだよ?」

「私の事ですが?」

「自分で言ったらダメだろ。いや、確かに学校でもそう呼ぶ人いるけど、自分で言ったらもうそれクールでもミステリアスでもなくなるわ。しいて言えばその神経がミステリアスだわ」

「自称でござるな」

 アキラにさんざん言われて、さらにはユイにまで書き直される。


『称号:自称クール&ミステリアスな女子大生(笑)』


「か、かっこ悪いです」

「だろうな。俺も引いてる」

「拙者も引いてござる」

 どうやら恥ずかしさ対決では、ユイもルリも負けていないようだ。

「さて、この流れだと、拙者もステータス・オープンでござるな」

「ええ。もちろんユイの分も書きますよ」

 ルリがもう一枚、紙を取り出す。そしてアキラの時と同じように、ボールペンでステータスを書き込んだ。



『からあげ


 脚質くらす:くま

 車体ばいく:かごのなか

 巡航速度:ねこさんとおなじくらい

 最高速度:うさぎさんとおなじくらい


 称号:あいくるしいぬいぐるみ』



「拙者は!?」

「ユイはぬいぐるみが本体でしょう」

「違うでござるよ。いや、確かに一時期そんなことを申していたが、断じて違うでござるよ」

 どうやら中二病設定の一つに、ぬいぐるみが本体という内容があったらしい。

「なあ、ルリ。意地悪してないで書いたらどうだ?」

「まあ、そうですね。話が前に進まない気がしますので」

 そう言うとルリは、もう一枚の紙を取り出す。さっきから見ているが、どこから取り出しているのか全く分からない。一つ言えることは、椅子に仕掛けがあるわけではなさそうだという事くらいか。



天地 唯あまち ゆい


 脚質クラス:スプリンター/回転型

 車体バイク:ビレッタ(ロードカスタム)

 巡航速度:19km/h

 最高速度:70km/h


 称号:輪学の殺戮ベア

    永遠の中二設定』



「いや、拙者は永遠にこのキャラでやっていく気はないでござるが……」

「でも、そろそろ喋り方は定着しているでしょう?」

「むむっ。たしかに咄嗟に話しかけられると、思わず口を突いて出てしまう。ついこの前も、マックで飲み物をコーラにしようか、ホットコーヒーにしようか迷って、つい『ホットコーラを頼むでござる』って言ってしまったし……」

「いや、それござる以前の問題じゃないか?」

「店員さんもスマイル0円ってレベルじゃなかったでしょうね」

 こんなアホの子なわけだが、自転車の乗り手としては凄い。何より、ママチャリでトップスピードが70km/hというチート設定。自動車乗りも涙目だろう。

「でも、巡航速度が俺より遅いな。やっぱり女の子だからか?」

「と言うより、ママチャリだからでござるな。風を受けるポイントが多いゆえ、そのせいで速度を維持できぬのでござる」

「ふーん。その点、ルリは普通に速いな」

「お褒め頂き光栄です」

 ルリがお辞儀をする。姿勢は低いながらも、なぜか態度は大きく感じるのは何なのだろう。勝ち誇られたような気がする。

「まあ、ルリ姉はオールラウンダーからクライマーに転向してきたから、それだけの巡航速度も出せるのでござろう。一方の拙者は、生粋のスプリンターでござる。もしかすると、アキラ殿もスプリンター気質やも知れぬが」

「ええ、そうですね。私も暫定的にアキラ様をオールラウンダーとしましたが、これからの成長によっては、スプリンターやパンチャーへの移籍もあるでしょう」

 珍しく、ルリとユイの間に共通の見解が生まれたらしい。二人はお互いに顔を見合わせて頷き合っている。

 しかし、話題の中心にいるはずのアキラだけが、妙な疎外感を感じていた。それもそのはず。あまり専門的な言葉を使われると、アキラはついて行けないのだ。

「なあ、そのスプリンクラーとかいうの、俺にも分かるように説明してくれよ」

「ああ、すみません。今から教えますよ」



 ステータスの中で唯一意味が分からなかった『脚質』という項目。それは――

「まあ、走りの得意分野だと思ってください。ロードレースの業界で使用される用語で、あまりそれ以外の自転車競技に使われることは無いのですが……」

「昨今、ローディが街中に増えたでござろう?そういった背景から、街乗り専門の人たちまで使うようになった用語なのでござる」

 さらに詳しく語るため、ルリは勿体ぶった咳ばらいをする。メガネをくいっと上げる仕草や、自然と足を組む動作。ノリノリである。


「脚質は、大きく分けて6種類と言われています。

 オールラウンダー

 クライマー

 スプリンター

 タイム・トライアル・スペシャリスト(別名、クロノマン)

 パンチャー

 ルーラー

 この6種類ですね。その中の後半3種類は、前半からの派生形みたいなものです。なので、今回は解説いたしません。

 まず、私が名乗っている『クライマー』について。

 これは、長い上り坂を得意とする、持久力重視のライダーの事です。通常であれば、登りが続くほど体力を消耗し、速度が落ちていきます。たいした基礎体力もなければ、登り切れずに倒れることもあるでしょう。

 そんな中、速度を全く落とさずに走り続けるような存在を、クライマーと呼ぶわけです。特徴は、圧倒的な持久力のみですね。

 次に、ユイが名乗っている『スプリンター』について。

 こちらは、瞬発力を重視するライダーの事です。持久力は無いため、あまり坂道などには強くありません。また、長距離でペースを安定させることも苦手ですね。

 強みがあるとしたら、一点突破型の瞬発力。たった一瞬とはいえ、信じられない加速をするのが特徴です。その恐ろしさは、アキラ様も身をもって体感なさったでしょう」


 確かにユイは、速度が安定しなかった。速い時は恐ろしく速く、しかし遅いときは普通に遅い。だからこそ、その緩急差にやられてしまったのも事実だ。

 一方、ルリが登り坂を得意とするかどうかは分からない。アキラは彼女が坂を上っている姿を見たことがないからだ。

「で、俺の『オールラウンダー』っていうのは何なんだ?」

 そう訊かれて、ルリは一瞬だけ迷い、しかし言葉を紡いだ。


「オールラウンダーとは、持久力にも瞬発力にも長けた万能選手。どんな場面でも活躍が期待されるスーパーマンです。

 実際には、平地での長距離に適していると言われますね。ペース配分や体力の回復、そして自転車の性能を最大限に発揮する能力。全てが必要とされる最強のクラスです。

 だからこそ、レースではチームリーダーを担当することの多いクラスでもあります」


「おお、すげーじゃん。チートで無双プレイでランボースタイルじゃん!俺Tueee!!」

 喜ぶアキラだったが、ルリは目を逸らす。代わりに口を開いたのはユイだった。

「まあ、長所が一つもない人を呼ぶときにも使われる称号でござるな。別称(蔑称)を『オールダメンジャー』という。スペランカーでござるよ」

「俺Yoeee……」

「だ、大丈夫です。初心者ならそのようなものですし、可能性は無限大ですから」

 フォローしてくれるルリでさえ、ユイの言葉を否定してくれない。


「ところで、その下についている『トルク型』とか『回転型』っていうのはなんだ?」

 アキラにはトルク型。残り二人には回転型と書かれている。

「ああ、それはペダリングの癖ですね。変速ギアを使うことによって、ペダルの重さを自由に調整できるんです。こうなると、どのくらいの速度で回すのが一番か、人それぞれ違ってきます」

 これまた、コホンとひとつ咳払いして見せたルリが解説する。


「変速ギアは、軽くするほど速度が落ちると言われています。しかし、実際にはそんなことありません。軽いなら速く漕げばいい。それだけなんです。

 そこで重いギアをゆっくり漕ぐ人と、軽いギアを速く漕ぐ人に分かれます。前者がトルク型。後者が回転型ですね。

 トルク型の特徴としては、筋肉に頼って力強く走る特性があり、見た目以上に速い走りをします。一方、脚自体には大きな負担がかかるので、徐々にその速度は落ちていきます。筋肉痛になる人はこの部類かもしれませんね。

 回転型の人は、足に負担を掛けずに、代わりに心肺機能に負担を掛けます。ギア自体は軽いので、空振りするようなペダリング。しかし回転数は多いので、心拍数も比例して増えます。過呼吸になる人はこの部類だと思います。

 まあ、アキラ様の場合はトルク型と言うより、まだ変速ギアの扱いに慣れていないせいかもしれませんが、ね」


 なるほど。とアキラは納得する。ルリとユイはどうやら、脚の筋肉ではなく心臓や肺の筋肉に頼っているらしい。どうりで自転車乗りの割に脚が細く、お胸が立派……

「気のせいでござるか?アキラ殿から邪推な雰囲気を感じるでござる」

 ユイがその気配を素早く察知して、ささっと自らの胸元を隠す。それを見ていたルリは、なぜか首を傾げた。伝わっていないらしい。

「ちなみに、そのトルク型とか回転型って、なんか基準があったりするのか?」

 アキラが慌てて話題を元に戻す。

「うーん、そうですね……一般的には、一分間のペダル回転数が60~80くらいで標準とされています。それと比べて多ければ回転型。遜色なければトルク型。それより少なければ下手くそ。という分け方ができるのではないでしょうか?」

 何か辛辣なワードが入った気がする。

「ちなみに、回転数の事を英語でケイデンスと言います。これも合わせて覚えておきましょう」

「お、なんか回転数とケイデンスって似てるな。台風とタイフーンみたいだ」

「そうですね。わりと覚えやすいと思います。分間ケイデンスの事を、rotations per minute.略してRPMと表記します。例えば、ケイデンス60RPMと言ったら、一分間に60回転するスピードという意味です」

「丁度1秒で1回転でござるな」

 大体、アキラの平均くらいである。

「じゃあ、1秒間に2回転なら120RPMってことか。さすがにそこまで速い奴はいないだろうけどさ」

 アキラが言うと、二人は首を横に振った。

「120RPMを維持する選手は、稀にいるでござる。登り坂を10分以上も漕ぎ続ける選手もいるらしいでござるな」

「スプリンターでアタック時であれば、瞬間的に240RPMを超える人もいますね。まあ、それで巡行する人はいないでしょうけど」

「マジか」

 世界は広い。一体どんな選手たちなのだろうか。




 会計を済ませる段になり、アキラがポケットから財布を取り出して、伝票から自分の食べた分を読み上げる。

 ルリも同じように財布を、背中のポケットから取り出した。

「え?ポケットそこ?」

「はい。上着の背中、一番下ですね。ロードバイクに乗るとき、前傾姿勢になるでしょう?もし前にポケットがあると物が落下したり、ペダリングの邪魔になったりするんです」

「まあ、ルリ姉の場合は胸が膝に当たりそうでござ……痛っ、な、なな何故叩くのでござるか!?」

 ユイの頭を財布で叩いたルリが、背中に財布を戻す。低い位置にポケットがあるため、後ろでも物を入れやすいようだ。

 最後にユイが会計だ。そのふわりと重力に逆らう服のどこにポケットなどあるのかと思いきや、彼女はおもむろに、からあげの背中を撫でた。

 いや、ファスナーだ。からあげの背中にファスナーが付いている。よく見れば、紐が2本出ているのも確認できた。まさかこれは……

「からあげは元々、子供用のリュックサックなのでござるよ。まあ、拙者は大人ゆえ、背負うことは出来ぬが、ね。それでもなんだか可愛いので、こうして持ち歩いているでござる」

「ユイの幼児趣味はさておき、自転車のカゴに直接荷物を積むより、緩衝材になっていいんじゃないでしょうか?複数の荷物をまとめておくにも便利ですね」

「ただの飾りだと思ってた。いろんな理由があるんだな」

「ふっふっふ……恐れ入ったでござろう?」

 なぜかユイが偉そうに腰に手を当てる。偉いのはからあげだろう、とアキラは思った。



「それでは、拙者は帰るとするか。楽しかったでござるよ。アキラ殿。ルリ姉」

「ああ、またな」

「いつでも当店にいらしてください。新しい自転車をお勧めしますから」

「むー。拙者はビレッタがあるからいいでござるよ」

 すっとママチャリに跨ったユイが、颯爽と走り去っていく。アキラたちはそれを見送ってから、自分たちの自転車の鍵を外し始めた。

「そう言えば俺たち、またサイクリングロードを端から端まで走るのか。あれって、25kmだっけ?」


「はい。遠いように感じるかもしれませんが、帰りは楽ですよ。

 私がリードしますので、後ろをついてきてください。


 きっと、驚くほどあっさりと走れますので」

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