第130話 俺は間違いなく勝ち組である
第130話 俺は間違いなく勝ち組である
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ベクトンに荷物を置いてきて後事を任せて帰ってきて、その次の日…
「なんか雰囲気変?」
ちょっと気になったのでネムに聞いてみた。
「気のせいですよ」
そうかな? なにかシアさんとかマーヤさんの…うーん、気のせいか。そうかも。まあいいや。
「ところで今日は散歩に行かない?」
「?」
「この山の上の温泉まで」
「えっ、見つけたんですか?」
見つけましたよー、そして入れるように整備しましたよ。
「じゃあシアちゃんたちも」
「まったまった、ストップ。お風呂一つしかないからシアさんたちを連れていったらダメだよ。俺が入れなくなっちゃうから」
「あら、混浴でもいいのじゃないですか?」
「うーん、でも若いご婦人だからね」
この世界混浴はあったりなかったりする。
基本的に男湯女湯に分かれているんだけど、そういうのが無理なところは混浴でいっちゃったりするのだ。
だけどそういうところを使えるご婦人というのはまあ、経験豊富というか、貞操に拘る必要がない人というか…一言で言うとおば…うん、失礼。
しかし、貴族の、未婚の女性にとって貞操というのは大事なものなのだ。
多分。
「跡取りが男の場合お嫁さんの貞操は問題になりますけど、跡取りが女の場合はあまり貞操はそこまで深刻な話じゃないですよ」
女の子って罠みたいだよね。嵌ったら抜け出せない。
男女のことだけに。
そんな危ない橋は渡れないのだ。俺は自分の理性をそんなに信用していないからね。
「でもマナーとしてさ、大事だよ。
だからとりあえずネムとラウだけ連れていこうと思うんだ。
それで二人の感想を聞いてさ、開発がいけそうならマルグレーテさんに話して、あそこを温泉宿みたいな感じで整備するのもいいかなって思う」
この国の人も日本人ほどじゃないかもしれないがお風呂は好きだ。
ただ、お風呂は用意するのが大変なのでそんなに頻繁にというのは難しい。
でも温泉は別で効能などがあることが知られているので湯治みたいにして愛用されている。
あそこまで行くのは大変だけど、しっかりした宿舎のようなものがあれば出かけていこうというやつもいると思うんだよね。
その調査のためにまず家族風呂。よくね?
「いいですね、でも…、シアちゃんたちには悪いけど、次回にしてもらいましょうか」
「うんうん、そうしてもらって」
というわけで俺はネムとラウニーを連れて散歩に出た。
ある程度山に登ったら車を出してみんなで乗車。
あとは車を運べばいい。
理屈はミニカーを手で動かすようなものだから山だろうが崖だろうが関係ないので簡単に着く。
あっ、ちなみに黒曜はまた森に散歩に行っている。
今日はスライムたちとスライム博士も連れていったんだよな。
いつの間に仲良くなったのだろう。
多分黒曜は博士のことを『
健闘を祈るぜ。
■ ■ ■
「やってきましたでっかいお風呂」
「でかーいふろー」
「ああ、これはいいですね。お湯も澄んでいます」
二日開いたから濁りもすべて流れたようだ。
これならゆっくり楽しめるだろう。
「ずいぶん大きいですけど、整備したんですか?」
「うん、とりあえず湯船だけね。温泉として使う場合は真ん中につい立てでも立てて、横の平らなところに宿舎を立てればいいと思う、あとは道だな」
「ええ、この距離では数時間はかかりますよね。ちゃんとした登山道を作って…具合が悪い人のために剛力さんとか雇うのもいいかも」
剛力とかってこっちにもあるんだ。と思った。
山で荷物なんかを担いで運ぶ人のことだね。ネムの話ぶりだと具合の悪い人を背負って運ぶようなことを考えているのかも。
でもそれだったらケーブルカーとか作れないかな?
確か水を使ったケーブルカーがあったと…
風呂に入って考えよう。
俺はすかさずマッパになってふろに飛び込んだ。
「おっと、熱いぞ?」
俺の好みって少し熱めの40~42度ぐらい。その俺が熱いというのだから結構熱い。
しまうぞう君から水を出してちょっとぬるめにうめる。
うん、今度はいいや。
で俺は落ち着いてそして横を見る。
ネムがラウニーの服を脱がしている。
ブラウスとパレオみたいな布だ。
それだけ、簡単。
「うっきゃーーーーっ」
大喜びでお風呂に飛び込みました。
そしてお風呂の中でグリングリン回っている。
まるででかい魚が網にかかったみたいだ。
ただちょっと狭いな。いや、かなり狭いな。
お湯の温度を下げるためにももっと広げちゃっていいかもしれない。
「それいいですね。ラウが泳げるぐらいまで」
「こらこらお風呂は泳ぐところじゃ…」
振り向いてずっきゅーーーんっとハートを撃ち抜かれたよ。
ネムもマッパだ。
大自然中で美女の全裸。すごい。芸術だ。
大きくて形のいい胸。
細い腰。
魅惑のヒップ。
ネムが堂々と歩くたびに蠱惑的に揺れる。
そして白い陰りに隠された女の子の秘密。
素晴らしい、ラウニーを連れてきてよかった。でなかったら理性が飛んでた。
「それはそれでよかったかも」
ネムは本能に割と忠実で場所とかあまり拘泥しない。
きっとこういた所も好きだろう。
そしてこれほどの美女を『俺のもの』と断言出来て、そして事実好きにできる俺は間違いなく勝ち組である。
それだけで勝ち組である。
ネムちゃんはやっぱり大胆で、ラウにばれないように色々するのはなかなかにスリルだった。
■ ■ ■
その後、風呂から上がって車で休憩。
その間に風呂の拡張に踏み切った。
深さはそのままに大きさを50mぐらいに広げた。
少し離れたところにもう一つ小さ目のも作った。
水路の距離が長いからこちらはたぶん温度が低くなるだろう。
あと水風呂もつくるか。
サウナとかもありだな。
もうすでにスパの建築は決定したようなものだった。
エロに突き動かされた男のバイタリティーはすごいのだ。
ただ水が濁ってしまったので再びお風呂に入るのはかなわなかった、また次回である。
でもラウは大喜びで遊んでた。
蛇って泳ぐの上手いんだよね。
水の上を走るみたいにスパーってさ。
もっと遊びたいとごねるラウをせっとくし、きれいなお湯で泥を落として帰宅。
ネムはそのままマルグレーテさんの説得に向かった。
おかげで翌日マルグレーテさんとシアさんとマーヤさんとマルグレーテさんの秘書さんを乗せてまた山に行くことになってしまった。
一晩だが水はかなり澄んでいた。
そしてみんな遠慮なくお風呂に突撃。
思いきりいいな。おい。
みんなが入っている間俺は車でお留守番だ。
いやー、障害物があっても魔力視には関係ないんだよね。温泉回というやつだ。いい目の保養である。
少しだけね。
そして満場一致で温泉宿計画が発動。
へいわだなー。
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