第9話 遠足④
「
突然声をかけられて
声の方に顔を向けると、そこにいたのは
「えっ! あ、うん……大丈夫だよ」
「そうか……無理はすんなよ」
「うん……ありがとう」
そう言われ、少し顔が火照ったのが自分でも分かった途端に何だか恥ずかしくなった。
「それより、誰と話してたんだ?」
「あ、えっと〜って、あれ? いない」
「なんだ、やっぱまだ無理してんじゃないのか?」
「そ、そんな事ないよ! それにほら……」
「おっと……あぶねー」
そして、目と目が合う……。
「あ、ありがとう」
「お、おう」
指と指の隙間から、照れている
『
そう思った途端、
「あ、そうだ! 風呂まだだろ、朝野先生に頼んで入れる様にしてもらったから入ろうぜ」
「う、うん」
「あ、あれだぞ! 男女別の風呂だからな! だから変な意味で言った理由じゃないからな!」
「……うん」
『
「そろそろ良いか〜」
「「あ、あきと!」」
「2人ともご馳走さん!」
「ま、イチャイチャはその辺に
「イチャイチャなんてしてねー!」
「照れるなって、な・つ・き」
完全に
「
「お、おう……てか、もう平気か?」
「うん、大丈夫だから……また後でね」
女子が寝る部屋は既に消灯していて、|部屋の中にある鞄を探した。
『ない……
お風呂場は、露天風呂となっていて寺を出て直ぐの脇道を行った先にある。
勿論、男女別で脱衣場も用意されている。
『さすがに、まだ身体キツいかも……さっきは大丈夫って
恐らく魔力の暴走とこの山奥の気温の低さに、身体が悲鳴をあげているんだと思う。
『なんか……熱っぽい?』
なんとか、
シャンプーやリンス、コンディショナーやボティーソープと言った物は一式揃っていた、勿論タオルとかも。
『とりあえず、脱衣場まで来れたけど……やっぱり熱が上がってる』
『立ってるのもキツいし……さっきは立つのに振らつく程度だったのにどうして』
そう思っていると、彼女……ユナが現れた。
「
「それ、どう言うこと……」
「はい、魔力の暴走後に誰しもが怒る言わば、病と言えば分かりやすいと思われます」
「つまり、病気ってこと?」
「左様でございます」
前に何処かで聞いたことがあった
「ごめん……ちょっと、さすがに――」
呼吸が乱れ、徐々に視界が狭く暗くなって行く……まるで暗闇の中に入っていくそんな感覚で、そして暗闇の中に入った時には呼吸すら出来ない程。
その後の事は記憶にない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます