第七話 過去…2

僕は階段を上りながらひたすら願うしかなかった…

「頼む…無事でいてくれ…」

そして308号室についた。だが、僕にはその部屋に入るための勇気がなかった…引き返そうと思ったが、折角ここまで来たのだから行くべきだと思った。

「美雪…紫雷…?」

僕は部屋に入りとりあえず二人の名前を呼んだ…だが、返事がなかった…

「君がこの二人のお兄さんかね?」

いきなりそう聞かれたので僕は、

「誰ですか?」

そう聞いた。

「おっと、これは失礼。私はこの二人の診察をしているものだ。」

「美雪と紫雷は無事なんですか…?」

声を震わせながら、僕はそう訪ねた。

「一命はとりとめたが、まだ昏睡状態だ。」

「昏睡…状態…」

僕はとっさにその言葉の意味が理解できなかった…

「いつ、目を覚ますか…わかりますか…?」

「そこまでは私もわからないんだ…すまない…」

そう言って医師の人は頭を下げて謝った。

「別に平気ですよ…じゃあ僕はこれで…」

そう言って僕は病室を出ようとした、その時…

…千年桜に願え…

「え…」

不意にそんな声が聞こえたような気がしたが僕は気にせず病室を出て家に向かった…





第八話 過去…3 に続く

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