第七話 過去…2
僕は階段を上りながらひたすら願うしかなかった…
「頼む…無事でいてくれ…」
そして308号室についた。だが、僕にはその部屋に入るための勇気がなかった…引き返そうと思ったが、折角ここまで来たのだから行くべきだと思った。
「美雪…紫雷…?」
僕は部屋に入りとりあえず二人の名前を呼んだ…だが、返事がなかった…
「君がこの二人のお兄さんかね?」
いきなりそう聞かれたので僕は、
「誰ですか?」
そう聞いた。
「おっと、これは失礼。私はこの二人の診察をしているものだ。」
「美雪と紫雷は無事なんですか…?」
声を震わせながら、僕はそう訪ねた。
「一命はとりとめたが、まだ昏睡状態だ。」
「昏睡…状態…」
僕はとっさにその言葉の意味が理解できなかった…
「いつ、目を覚ますか…わかりますか…?」
「そこまでは私もわからないんだ…すまない…」
そう言って医師の人は頭を下げて謝った。
「別に平気ですよ…じゃあ僕はこれで…」
そう言って僕は病室を出ようとした、その時…
…千年桜に願え…
「え…」
不意にそんな声が聞こえたような気がしたが僕は気にせず病室を出て家に向かった…
第八話 過去…3 に続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます