第39話 浮いてるかな
アールグレイティを飲みながら、
「私って浮いてるかなぁ」
美音はそういうと不安そうな顔をした。
「んー、正直に言うとそういうことはあるかも」
美音は経済学部の3年生で、経済学科で少ない女子のなかでも飛び切りの少し前というくらいの美人だった。
「男子が多いしさ、女子は地味系がほとんどだからね。だから浮いてるというより、目だっているという感じかな」
「悠美だって季代だって可愛いじゃない。私なんかたいしたことないのに」
「それって、本当に思ってる?」
「思ってるよ」
「本当かなぁ」
「高校でもぜんぜんもてなかったし」
「彼氏はいたんでしょ」
「それはそうだけど」
「もてない女が彼氏なんか作れないよ」
「わたしからアプローチしただけだよ。それも2回振られているんだよ」
「もう別れたんでしょ」
「むこうは九州の大学に行ったからね」
「でも医学部なんでしょ」
「将来医者になるからって、好きでなくなった人と打算で付き合えないもん」
「私だったらキープしとくけどなぁ」
「そんなこと私にはできないよ」
目の前で自分のこと「浮いてるかも」と言った友人が「男をキープする」と言ったことが意外だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます