第33話 たまにあるよ、そういうこと
「母親が嫌になることない?」
「んー、たまにあるよ、そういうこと」
「どういうとき?」
「テレビ見てるとさ、私が好きな音楽の番組みてると悪口言うときかな」
「それった嫌だよね」
「べつにあんたが好きじゃなきゃ私は見てはいけないのかって思うよね」
「そうそう」
「自分が好きな俳優のドラマを見てるときは、逆にわたしに、かっこいいし、演技もうまいよね、とか相槌を強要するような言い方するんだもん。ムカつくわよ」
「自分の考えが絶対だって思ってんじゃね」
「そうだよね」
「夜遅くて駅まで迎えに来てもらったときなんか、ここぞとばかりに、どこに行ったのかとか、誰と一緒だったのかだとか聞きまくるのよ」
「普段は口うるさくないんでしょ」
「そう、全然」
「たまにはしょうがないじゃない」
「そうよね、でもそういうことが重なると、うっぜぃ、ってことを思うのよ」
「積み重ねってあるよね」
「結婚してもあるじゃない、不満が積み重なってそれが爆発して離婚にいたるって」
「聞いたことある」
「だからそういうとこははっきりと言ってやろうと思って」
「あんまりきつく言わないほうが良いよ。迎えに来てもらえなくなったら困るでしょ」
「そうだわ」
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