第11話超ショート どうして浮気するの?
「叔父さんは何で浮気するんですか」
姪の実代から唐突に聞かれて達哉は戸惑っていた。
実代は。都心に事務所を持つ達哉のところに二ヶ月に一度くらい訪ねてきた。
大阪に住む弟の娘である実代は都内の大学に通う20歳。
赤ちゃんのときから見てきた実代は、子供がいない達哉にとっては、可愛くてならない存在だった。
「娘の相談相手になってくれ」
弟に頼まれたこともあるが、達哉としても実代に会いたくてよくメールはしていた。
「俺は浮気なんかしてないけど、浮気する男はいるよ」
「そおぉ、本当にしてない?」
「誰から聞いたんだよ」
「はっきりと聞いたわけじゃないけど、叔父さんみたいな弁護士さんってもてるんでしょ」
「どういう弁護士だよ」
「もうかってる弁護士」
「そんなにもうかってないよ」
「だって銀座のクラブに行ってるんでしょ」
「そりゃ行くけどさ、それと浮気ってどう繋がるんだよ」
「じゃあ浮気したことないの?」
「ないさ」
「んーなんか感じわるい」
「どうしていきなり怒られるんだよ。理解不能だね」
実代の口元が緩んだ。
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