第2話 超ショート  20年ぶり!

「久し振りだよな」


「20数年ぶりだよ」


そう隆之に会ったのは、たしかいまお通夜に向かっている本庄の結婚式のときだ。


「一緒にクルマで行こう」


隆之は仕事でクルマに乗っている。だから埼玉県で行われる本庄の結婚式に向かうには隆之に乗せていってもらうのがいいと思ったからだ。


「まさか、本庄の通夜にお前とまた一緒に行くことになるとは思わなかったよ」


本庄は3日前、仕事中突然倒れた。


「急なんですけど、拓郎が亡くなりました」


本当にびっくりした。


もう10年以上は電話で話したこともないが、人づてに元気にしているということは聞いていた。


「可哀相だよな、まだ50代なのに」


「心臓に持病があったって奥さんから聞いたよ」


「おれも心筋梗塞をやったことがある」


正直驚いた。


仲間内で誰よりもマッチョで、健康そうでびくともしない隆之が心筋梗塞だって!


「朝起きたら胸が痛むんで医者に行き、検査をしてもらったら軽い心筋梗塞だって言われた」


「手術はしたのか」


「いやそのときは薬だけだった」


「そらりゃ良かった」


人間、見た目じゃわからない。


20年ぶりに会った友人。


年月の過ぎる速さを感じた。





高速道路の出口が見えてきた。



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