第4話ペットボトルの蓋
またまた、アダ名をホームズと言わせたがるクラスメイトが、変なものを拾ってきたらしい、
ペットボトルの蓋がビニール袋にいくつも入っていた
「すまないが、中学生とは思えない趣味をしてるんだね、ホームズ君」
「これもまた拾いものだよ、ワトスン」
このペットボトルの蓋はいたって普通いや、ペットボトルの蓋に他に価値はない、それほどに当たり前のガラクタを僕の前にやって来たときには、もうネタギレかと笑ってしまった。
しかし、ホームズがなんの興味なしに僕の前に、謎を持ってこないのもわかっていたので、「この蓋がなんだい」とたずねた。
すると、ペットボトルの蓋の裏をおもむろに見せると、マジックでひとつひとつに平仮名が書かれてあった。
一番多い文字は(か)の文字であった。残りには(り・み・と・れ)であった。
「何かの暗号かな」
「さあね、調べたけりゃ自分でどうぞ、」
冷たい口調で言うと、ホームズは「君と一緒に解きたいんだよ」とわがままガキに変身してしまう。
「で、おいてた場所どこなんだよ」
「解いてくれるのかい」
解かないと、文句言ってくるからうるさい、だから手伝うだけなのだ。
学校の焼却炉の人の少ない場所で、袋に入っていたのを見つけたらしい
「他にはなかったの?」
「これだけだよ」
なるほど、と頭を掻きながら他にもないか探してみたが、見当たらないすると、このペットボトルの蓋の種類に意味があるのだろうか?
緑、黄色、白、青の四つがあり、白の数がやけに多く、残りは緑・黄色が六つあり、青が二つであった。
「この四つに意味があるのなら」
その時向こうから、何かを探す後輩が現れた。確か名前は(林道 達也)であったか?一度図書室であったことがある。林道が僕と同じ小説が好きであることから、帰りを一緒に話ながら帰った思い出がある。
「やぁ、林道君どうしたんだい?」
僕には確信があったが、あえて聞いてみた。
「あっ、せっ先輩どうしてこんな所に、何でもありません。忙しいでこれですいません。」
「林道君、これかな」
ホームズから、取り上げて彼に蓋を見せると、やはり顔を青くしている。
林道君、袋を強引に取り上げると「この事は、誰にも言わないでください」と頭を下げられてしまった。
「林道君、(一万八千円)だよね」
林道君は小さく頷いた。
「ワトスン、何故に彼が焦っていたのか僕にはわかったよ。」
「なっなんだい?」
まさか、久しぶりに謎が解けたのか?
「あのペットボトルの蓋は、証だよ」
「はっ・・・」
「あの蓋は、同級生の女子が飲んだペットボトルの蓋だよ、口づけした人物の物ってことだよ。そう・・・奴は変態さんなんだ。捨てたり忘れたりしたジュースを盗んで、口づけしたのさ、そしてキャップにその子の名を書くんだよ」
うん・・・違うね
「それは、大変な変態だな、でも内緒にしとこうね」
本当のことを言わずに返して、林道君の後を尾行した。すると校庭のプール奥に消えていった。
隠れて見ていると、上級生が集りその中に一年の林道がいた。林道は袋を渡すと上級生から頬を殴られた。
「バレないとは思うけどな、気づかれたらどうするんだよ。」
倒れた、林道君を蹴飛ばして、見かねて出てしまう。
「何してる」
僕は仮面をかぶり、彼らの前に出た。
「なんだよテメー、仮面なんか被りやがって、ちょっと失敗ばかりしてるからち、ヤキ入れてるだけだ」
「それだけじゃないよね、ペットボトルの蓋の謎、あれもしってるよ」
「何っ」
「あの蓋の色ちがいには、理由があるんですよね、一番多い白から始まり緑、黄色そして青でした。この四つの色の蓋はある四つの紙に関係がありました。」
僕は、ポケットから一枚の札束を出した。
「そう、あれは札を色で分けていた。白・緑・黄色は、千円・五千円・一万、そして、青は二千円札なんです。
そう、あの蓋は、君達上級生から借りた金の借用書の代わりってわけなんだよ。
先生に見られても、単なるペットボトルの蓋だからね、
林道君は、多分経理を担当しているだろう、ペットボトルの蓋を調べると君と(り)の文字もあった。
だから、蓋の管理の中で、あの場所にあったペットボトルの蓋の袋は焼却炉に捨てようとしていたんだ、全員の借用書と自分の分を一緒にね」
「おい、林道どう言うことだよ、誤って先生にバレそうになって、取りあげられたんじゃなかったのかよ」
奴らは、また蹴り始めようとしていた。
「ちょっと待ちな、これを見てくれ、」
携帯を奴らの前に見せる
「これに、今までのことを録音している。先生へ送信させるだけにしている。そいつから離れて、ペットボトルの蓋と一緒にこっちに来させな。」
「何だと」
林道がこの場所を離れたのが分かると、俺も急いで逃げた。
その後二人で、ペットボトルの蓋を先生に渡して、録音を先生に聴かせた。
その後、あれとは別に、他にも金を貸していたようであった。
完
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