第2話空き缶


秋も近づいているのに、学校じゃ今だにファミリー向けの花火を学校で打ち上げようとするバカなやつらがいる。

どこかで、文化祭の貼り紙も張られ始めている。

また、あの男ホームズ好きの彼が謎を持ってきた。

依頼人を僕の前に連れてきたのには、彼には、僕をワトソンとして、必要な役割としているらしいのたが、いい迷惑である。

依頼人は二年生の男子で、校庭を歩いていたところ、屋上から彼目掛けて、空き缶が降ってきて、頭にぶつかったとのこと、

依頼人は怒りながら、屋上へダッシュでかけあがってきたのだが、屋上に着いたら、誰の姿もなかったとのことである。きえてしまったのだ、

その途中に、僕と鉢合せして、始めは疑われたけど、空き缶が落ちたときは、教室にいたからだ。

それで、話を聞いて面白そうだとわかり、僕を誘って犯人探しをすることになった。

「それで、あなたが屋上から、空き缶が落ちたと疑う理由を教えてください。」

彼ら二人は立ちながら、僕は自分の席から質問を始めた。

「そうだね、僕が立った場所からして、窓付近ではなく、真上から一直線に頭にぶつかったんだよ。」

「そもそも、二人の話から、人が消えたと言うキーワードが気になるんだけど、」

「それが、人が消えたんだよ。全くといって不可思議にね」

彼らのオカルト話に付き合ってられないが、聞くと依頼人が、屋上の階段近くに張り紙を貼っている生徒に、戻るときに聞いたらしいのだ、「ここを屋上から下りてきた者がいないか」のことを。

しかし答えは、「No」であった。

誰も通ってないらしい。

僕は、一通り話を聞くと、その張り紙を貼っている自物に会うことにした、

彼を見つけるのは容易かった。廊下の掲示板に紙を貼っている最中であった。

「彼が、言ったかも知れませんが、もう一度聞きますね。」

「またですか、」

「すいませんね、では聞きますが、彼が屋上に上がられる前に、下りてくる人はみてないんですね、」

彼は、僕の方を見て「はい、下りて来る人達は見てませんよ。」と、半分嫌な顔で、僕らを見つめる。

「やっぱり、いなかったのかな?」

「そんな、見た気がするんだけどな?」

二人は自信なさげになり、ちょっと声が小さくなっている。

「二人とも、屋上に行ってみようかね!」

彼らは、半分諦めムードであるからに、僕が少し背中を押すことにした。

文化祭の貼っている彼に、僕は一言「ボタン」のとれ欠けているのを指摘して、少しばかりトイレに行き、彼らを待たせたあと屋上に行った。

屋上には誰もおらず、静かであった。

見回して、缶が落された場所を調べて、彼は何かを発見する。

それは、花火であった。

「なるほど、事件の真相が分かった」

「ホームズの謎解きの始まりだね」

依頼人はワクワクしているだろうが、このホームズがまさにポンコツであるからに、事件は解けないだろうとみる。

「では、始めますね、この缶事件は、犯人はいません。何故ならば、自然が起こしたことに過ぎません。缶は、夏休みから今九月十日まで、缶が落とされた今日まで落ちずに、先端のところに置いてあった。」

「風にも吹かれずにあの場所に、」

「そうだよ」

「しかし、なぜ夏休みなんだい。いつかまでは分からないだろうに、」

「いや、花火がふやけていたから、雨の降る前の日、花火は、置かれたことになる。それからは、ずっと立ちっぱなしであったが、強い風が辺り、缶が落ちて当り、頭をぶつけたんだよ。」

「何てこった。今更犯人探しも無理ってわけか」

二人はつまらない結果に静かに帰宅した。


が、この事件では、ある男の嘘があった。それは、彼は誰かを見たはずなのに、嘘ついて見てないといっていたからだ。

貼り紙を終えて、帰ろうとする彼を捕まえて、「本当のことを話してくれないかな?」

言うと、しぶしぶ顔を上げて、「分かったよ

」壁にもたれかかり話始めた。

「確かに、僕があの階段にいたとき、人は通ったよ。でもなぜだい?何故僕が嘘をついたと思ったんだい?」

「それは、君の発言が答えになったよ。(人達は見てない)と君は言ったが、あの時は、単独と考えて捜査してたから、君の発言に疑問を抱いた。しかし、彼は何故嘘をついたのか?

守りたい人とか考えてみたけど、君のボタンがはずれかけていたのに、僕は注目してた。」

「 朝、僕が君の姿見たとき、きっちりと服は綺麗であった、昼も綺麗でしたね。」

「君はストーカーか何かか?」

「いいや、観察だよ。君だけではない、学校のあらゆる物に目を向けているのさ、その中で、君は依頼人が現れる間に、ボタンがとれてしまうほどの衝撃を受けた。それがなんだかは、容易に説明がつく、(胸ぐらを掴まれて、脅された)その拍子に外れ欠けてしまったんだろうってことだから、不良が屋上で酒を飲んでいたときに、缶を落として依頼人の頭にぶつけた。しかし、彼らはそんなこと知らず、そのまま階段を下りて、クラスに戻っただけだった。だから、その後来た依頼人が復讐で来たことを知り、嘘をついた。依頼人のためにね。」

「見たように話すね、」

「違うかい」

「いいや、でもこれを彼が知れば、必ず仕返しに行くはずだから、どうにかばれてもらいたくないんだけどね、」

「バレはしないさ、何故ならば嘘の証拠で、嘘の謎解きをしたから、彼ら二人は、気が沈んでいるからね、」

クラスの友達から、花火を一本貰い、それに火を付けてそれを水に浸ける。湿らしたあと隙をみてあの空き缶が落ちた場所に、バレないよう置いて、彼らには、嘘の謎解きを始めてもらったと言うわけです。


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