拾いもの探偵
西田 正歩
第1話放課後の推理ゲーム
一枚の紙
一階の廊下に一枚の紙が落ちていた。
「誰の物か当ててみないか?」
推理をしたいと言ったのは、僕の友達で、シャーロックホームズのファンで時々、マネをしたりしている。
ただ、当たったためしががないのが、僕をイラつかせる。
高三の冬ときたら、受験シーズンだと言うのに、あまり考えていないのは、父の会社で働くことが決まり、僕もそこで働くことになっており、優雅な者だ。
「さてと、紙には何が書いてあるのかな?」
一枚の紙には、修学旅行のしおりの一文であった。
これから推測するに、二年生だとはわかる。
ちぎられた部分は、旅行の流れであり、長野県でのスキーやら大阪と、前に僕らが行った場所と代わりはなく、流れは福岡に戻り学校で解散とのことだった。
ただ、違いがないわけでもなかった。
「ここを見てくれ、一度は、三年生の疑いも考えていたが、却下だね」
「一番上の博物館だね」
まさか、いつもポンコツの彼が、そこに注目するとは、少しは、ホームズも喜ぶだろう・・・いや、コナンドイルであった
「でも、二年生以外は、まるっきし解らない。」
そこで、終わらすなよ。突っ込みたくなったのを押しこらえ、「まだ、よく見なよ。」 僕は、彼にヒントらしく誘導する。
すると、彼の目が変わる。上と下に少し残った色の紙くずが、彼に光を与えた。
「これで、組がわかるってことか、」
何故、紙くずのカスで組がわかるかと言うと、僕らの学校では、一組ずつに、しおりの色を分けて配られている。だから、赤、青、緑、黄、桃である。
紙のカスは、黄色の紙であることから、調べればすぐにクラスがわかる。
只だ、このことから、クラスは分かったが、何故に紙を破り、持っていたのかが謎になる。
だが、彼には、今その推理をするのは早いと口で説明して、持ち主が男子か女子か?それを答えていこうと話す。
少し、気落ちしているが、順序でやりたいのは、探偵への一歩にも近いはずである。
紙の中にある部分にペンで線を引いた後が残っていた。それからするに、前のページに、何か注意事項や、メモする文字があったのであろうか?
ただ、その事から几帳面であることだけは分かる。
「しかし、メモにペンで文字を引く奴なんて、沢山いるだろう?何故分かるんだい。
まるで、ホームズは君じゃないかと思うよ。」
「やめてくれ、小説の主人公にされても困る。そんなの簡単だよ。定規をあて引いている所から、几帳面かなってね。」
「定規だけじゃ、どうともなるだろう。」
「いやいや、几帳面である部分はもう1つあるんだな。」
僕は、彼にある部分を見せる
「この、部分に数字があるだろう。それが何か分かるかな?」
「いいや」
「旅費に出る土産代から、色々買うための値段だね、それが17000円とかいてある。」
「多いね二万円は、確かに二万円は予算以上ではないけど、買いすぎではあるね、」
ただ、の心配性でもあるのだろう。星印がその証拠だ。
「男女まで分かるとは思わないがね」
「それは一番簡単だよ。紙の上の濡れた箇所があるだろう。これは手を洗ったことが分かる。しかし、三年生の所に来たのには理由がある。二階のトイレは先生達の職員室が近く、今日は、男子トイレが片方壊れていて、1つしかない、そのことから、三年生の廊下に落ちていたのは、最上階の一年のトイレより、一階に降りる方が速いって分かったからだろう。」
「だから、男子ってわけか」
「でも、何故紙を破いたかはやっぱり解らないけどね」
クラスに行き、男子に紙を無くした人いないか聞くと、すぐに見つかった。
「紙の理由、それは弟にしおり汚されて、しおりの紙先生が余分をくれたんだけど、別に他いらないから、破ってから貼ろうとしたんだけど、トイレ終わって無くしちゃって、探していたんだよ。ありがとう」
僕と彼は喜ぶ二年を見て、嬉しくなっていた、が、この話でおかしなことがあったことに気が付いただろうか、
それは、あの数字である。新品ならあの数字はなんだったのか?
僕は彼に言わず、また次の日、二年生にあった。
僕の考えていたことを話した
「君のしおりの数字は、嘘がなければなんの気にも止めないはずでしたが、先生のかとも思いました。
だが、君の癖のある二の文字が証明してくれました。それで、数字の文字の謎を考えていると、ふっとある答えにたどり着きました。星がポイントですね、近頃学校の中で、たばこが流行っていることは知っていました。
その中で、暗号のように太陽と三日月と星で松竹梅とかけて、安いから高いまでの煙草の値段を表していたのです。
そして、君は経理を担当して、メモがわりに数字を書き留めていたのです。
しかし、無くしてしまった。それはバレたら退学も考えられることです。
それを恐れて、僕らに嘘をついた。違うかい?」
「知ってるのは、君だけかい?」
彼は、おもむろにポケットからナイフを取り出すが、僕がそんな一人で、犯人の前に現れるなんて考えられない。
先生を待機させ、事件はすんだ。その後、他の連中も見つかり、首謀者である男は、ここの学校の卒業生で、脅してやらしていたらしいとのこと、
事件が終わり、ボーと教室の窓から空を見つめていると、彼がまた、謎を持ってきた。
「仕方ないな」
笑いながら、推理を始めた。
完
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