ペットボトル
吸われて吸われて、空っぽにされた時、僕らは用なしになる。
だけれどたまに僕らに何かを注ぐ人間が現れて、そして優しさの種を植え付けていくから、より世界は残酷なんだ。
誰からも恨まれる人間はいなくて、誰からも愛される人間はいなかった。
誰もを恨む人間はいなくて、誰もを愛せる人間もいなかった。
そうして僕らは世界に吸われて、からからになって最後を迎える。でも、そんな下らない経過と最後も、今では魅力的に思えるんだ。
だって、世界を憎んで、世界を愛したってことは、僕は本当の意味で人間になれたんだ。だから、感謝しなければならない。
僕に恨まれたあのくそ野郎に。僕に愛された、そう、君に。
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