第447話 そろそろ準備を

妹「お姉ちゃん、いい加減にして!」

なんで俺⁉


俺「似合ってて可愛かったって言って何が悪いって言うの⁉」

ダメなの⁉


妹「悪くはないけど、今は関係ないでしょ!」

ま、まぁ、確かに……?


妹「それに、皆が見てる前でだらしない姿なんて見せないで!恥ずかしいから!」

だらしない姿ってなんだよ⁉


俺「何がだらしない姿なの⁉」

至って普通に会話してただけだろ⁉


妹「デレデレしるでしょ!」

べ、別にデレデレなんてしてねーよ⁉


俺「それはお前の勘違いだ!別にデレデレしてないから!」

俺がいつデレデレした⁉


妹「してるじゃん!先輩達が!!」

それは俺のせいなのか⁉


俺「それは南城さん達に言えよ!」

なんで俺に怒ってるんだよ⁉


妹「言っても無駄だもん!」

それは、あんまりな言い分じゃないか⁉


R「ねぇねぇ、ちょっと落ち着こうよ」

そうだぞ!


Y「兄妹って、今は姉妹ですけど……あんまりイチャイチャしてるのを見せられると胸焼けしちゃいますから」

イチャイチャなんてしてないよ⁉

Yちゃんには何が見えてるの⁉


T「お兄さん、今はお姉さまだけど……の事大好きなのは分かってるけど、今はいったん落ち着こうね」

U「あんまり大声出すと、外に聞こえちゃうからね?ね?」

何か、宥める方は手馴れてるな……


妹「むぅ~~~~~~~~~」

むくれる妹を囲んで宥めるRちゃん達

何か、いつも迷惑かけてるみたいだな……


さて、妹が改めて落ち着くの待ってる間に堀北さんの前に行く


堀北「な、何かしら?」

自分の身体をぎゅっと抱きしめて、少し身を捩る堀北さん

えっと……

何ていうか、こうして面と向かって改めて褒めるのは気恥ずかしいな……


俺「その、……とても似合ってるわよ」

口調と声を女装用にして褒めるって……我ながらヘタレだな


堀北「……ふふ、ありがと」

とりあえず、お互い気恥ずかしさは残るけど

俺の制服フェチ疑惑は晴れたかな?


南城「春香、私の言った通りだったでしょ?」

堀北「そうね、千秋の言った通りだったわ」


仁科「ふぅ、やっと元気戻ってきたぁ」

あ、そうだった


俺「仁科さん、お疲れ様」


仁科「え?うん……まぁ、元はと言えば私のせいだからね」

そうなの?


俺「てっきり南城さんかと思ってた」

南城さんって目立つこと多いし


南城「なんで⁉」

なんでって……


俺「それは、まぁ……ね?」

言わずもがな


堀北「そうよね」

うんうん


南城「春香まで⁉」


俺「それで、何があったの?」


仁科「あ~、私がね……食べ物系の模擬店ではしゃいでたら、注目集めちゃってね」

そんなはしゃぐほどの模擬店があったのか⁉


俺「へぇ、そんな模擬店があるんだ」

行ってみたいなぁ

残ってれば……だけど


仁科「うん……。私的にかなりおススメの模擬店だったんだけど……もう売り切れちゃってると思う。私のせいで」

まぁ、仁科さんがおススメっていうくらいだからね


俺「元々人気の模擬店だっただろうし、この時間じゃどっちにしろ売り切れてるよ」


南城「その後に文化祭実行委員会の子が付いて来てっていうから、付いて行ったらね。職員室に案内されて」

あはは……


堀北「上手く誤魔化しはしたのだけど、騒ぎを大きくしない為に協力してほしいって言われたの」

その協力が、今の恰好って事か


俺「大変だったんだね」

いやぁ、俺一緒に居なくて良かったぁ……






R「お姉さま!」

うん?


俺「何かしら?」

よし!

気持ちの切り替えは完璧!


Y「私たちはそろそろ準備する時間ですけど、どうしますか?」

あ~、俺は準備終わってるからなぁ


俺「どうしよっかなぁ」

このままココに居ても、いいけど……


堀北「それなら、化粧直しておく?」

あ~、確かにそれはアリだな


俺「お願いできるかな?」


堀北「もちろんよ」

なら、お願いしちゃおう


妹「それじゃ、私たちは一旦着替えに行ってくるから」

え?


俺「着替えるの?」

なんで?


妹「うん。お姉ちゃんだけその恰好だと、変に目立っちゃうからね」

あ~、なるほどね


俺「着替えたらすぐ戻ってくる?」

着替えるのに、どれくらい時間かかるのかな?


妹「化粧もしてくるから、ちょっと時間かかるかな」

そっか


俺「じゃ、のんびり待ってるよ」

行ってらっしゃい


妹「うん。できるだけ早く戻ってくるから、私たち以外の子は入れちゃダメだよ?」

入れるわけないだろ?


俺「はいはい」

ったく、子供じゃねぇんだから……


妹達が着替えに出て行った後


堀北「それじゃ、崩れそうなトコ直すわね」

化粧道具を手に、俺と真正面で向き合う堀北さん


その様子を面白そうに見る南城さんと仁科さん


俺「南城さん?」

ちょっと視線と言うか、表情が気になるんだけど……


南城「な~に~?」


俺「なんで、こっち見てるの?」

そんなに面白い事か?


南城「ん~~、君の事が好きだからだよ?」

誤魔化し方が下手⁉


俺「何か、楽しそうにしてるよね?」

ニマニマ笑ってるでしょ?

隠せてないよ!


南城「文化祭って楽しいよね!」

そういう話じゃないよね⁉


堀北「ちょっと、喋らないでジッとしててもらえるかしら?」

そっか、動いたら化粧しづらいか


俺「ごめん」



相変わらず南城さんの表情が気になるけど、今は気にしないようにして

堀北さんの作業を邪魔しないようにしよう


終わったら問い詰めてやる……!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る