第422話 打ち解けて

監視者「仲直りできたようでよかったですね」

四季島「そうだな」


堀北「そういえば……そこの方は誰かしら?」

そっか、初対面か


四季島「この人は、……Aを見守る人だな」

少し柔らかい表現にしたな


仁科「見守る、人?」

ピンと来ない?


監視者「はい。私はAさんをずっと監視して見守ってました」

う~ん……

変な方に話がこじれそう


堀北「ずっと?ずっとって“いつから”?」

ほらぁ!


監視者「そうですね、初めて名前持ち化した時からですね」

あれは、いつだったかな……


南城「へぇ、そんな頃から見守ってたんだ?」

堀北「そしたら、結構彼について詳しいのかしら?」

な、何が始まるんだ?


監視者「ええ、まぁ、それなりに詳しいと思いますが」

そこは遠慮して否定しておいた方がよくない!?


南城「ふ~ん、自信アリって感じなんだ?」

堀北「どれだけ詳しいか、聞いてみたいわ」

なんか燃えてない?


B「その話、俺たちも交ぜてもらえるか?」

D「付き合いの長さなら、俺達が1番だしな」

お前ら、何言ってんの⁉

もう一回いうけど、何言ってんの⁉


東雲「面白そうね!是非聞いてみたいわ」

ちょっ、待って!


四季島「……1ついいか?」

止めてくれるよな⁉


南城「何かな?」


四季島「録音はしてもいいか?」

おまっ!!

ろ、録音って何⁉


堀北「いいわよ、共有してくれるなら」

良くないよ⁉


四季島「助かる」

助かってないから!


仁科「なんか、おもしろそー」

くそっ

唯一の味方が、試合放棄した……


南城「それじゃ、まずは貴女から話してくれる?」

監視者「いいでしょう」

よくないです!


監視者「では、第1問」

まさかのクイズ形式⁉


監視者「Aさんの趣味を5つ、どうぞ」

どうぞ、じゃないよ!!


南城「はい!アニメ鑑賞!」

B「くっ、先越された……」

監視者「正解です」


堀北「読書!」

D「言われた……!」

監視者「正解!」


B、D……お前ら遅い!

付き合いが一番長いんだから、パッと言ってくれよ!


監視者「さて、後3つです」

てか、俺ってそんなに趣味あったっけ?


南城「えっと、えっと、えっと……」

堀北「何かしら……?」


B「はい!はいはい!」

監視者「Bさん、どうぞ」

Bの事も知ってるんだな……


B「ギャルゲー!」

おまっ!!

ここで言うなよ!!


監視者「審議入ります」

審議って何⁉


監視者「ギャルゲーするんですか?」

俺に聞くんかい!

するけど、……この場で言っていいのか?


俺「それは……」

BとDがうんうん頷いてる……

こいつらには悪いけど


俺「してないです」

最近は……だけど


監視者「残念!ハズレです」

B「はぁ⁉どういう事だよ⁉」


監視者「してないという解答をいただきました」

ごめんな


妹「残り3つは、デジタルとアナログ両方のゲーム、お菓子作りを含む料理……最後の1つは、スマホで小説を書く」

お前ぇーーーーー!!


監視者「お見事。正解です」

ちょっと、待て!

妹は参加しちゃダメだろ⁉


監視者「では、次の問題です」

まだやるの⁉


南城「ちょっと待って!ゲームとお料理はわかるけど、最後のは⁉私初耳なんだけど⁉」

B「俺だって知らねぇぞ!」

堀北「小説を、書いてるの?」

ヤメテ!

その話は止めてくれ!!


監視者「ちなみにタイトルは」

俺「わー!わー!わー!わー!わー!」

何口走ろうとしてんの⁉


妹「え?タイトルも知ってるんですか⁉」

てか、なんでお前は俺が隠れてやってる事知ってたんだよ!


監視者「ええ、情報収集をしていて偶然」

絶対に偶然じゃねぇだろ⁉


四季島「そんな報告は受けてないが、どうしてだ?」


監視者「報告する必要はないと判断しました」


四季島「必要がない?」


監視者「はい。なにせ、更新頻度はまちまちで閲覧数もほぼ1桁ですから」

なんでそんな事まで知ってるの⁉


四季島「そうか……なら、まぁ、影響はないか」

ないよ!

だからほっておいてよ!!


俺「泣きたい……」


監視者「では、次の問題です」

だから、もうヤメテよ!!


俺「もう中止!はい、お終い!!」

たった1問で俺の精神がボロボロになったのに、まだ続けるつもり⁉


監視者「そうですね。皆さんともいい具合に打ち解けられたようですので、今日のところはこの辺にしておきましょうか」

いや、二度としないで!


俺「はぁ……えっと、何の話してんだっけ?」

監視者さんのせいで、大変な目に遭った……


監視者「では、そろそろ私の自己紹介をさせてもらます。私は四季島グループ所属の警備会社『T・P』で勤務してます、CodeNo.1001です。以後よろしくお願いします」

そんな肩書があったの⁉


四季島「今までも陰ながらAの事を見守ってくれていたんだが、今回の事で“陰ながらでは不足”と分かった。Aを守る為にも、どうか受け入れてほしい」


南城「彼を守るためなら……」

なんか、反対したい理由でもあるのかな……?


堀北「そうね」

なんで2人とも渋々って感じなの?


東雲「四季島くん、男の人の方が適任じゃないかしら?」

言われてみれば、そうか


四季島「いや、彼女以上の適任者はいないんだ」

そうなの⁉


東雲「何か理由があるのね?」


四季島「そうだ。彼女には」

監視者「太一様、どうかそれ以上は」


四季島「そ、そうだな。すまない。話す事はできないが、それ相応の理由があると信じてほしい」


東雲「わかったわ。無理に聞き出そうなんて思ってないから安心して」

江藤「お嬢様、成長されましたね……」


東雲「江藤⁉このくらいの配慮は昔からあるわよ!」


四季島「というわけだ。今後みんなとも接点が生まれるかもしれないが、よろしくやってほしい」

なんか、御曹司って感じの喋り方だな……よく知らないけど


監視者「皆様、これからよろしくお願いします」


監視者さんの紹介も終わり

なんだかんだで、打ち解けられたみたいだ





これからは、もっと慎重に行動しよう

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