第419話 監視者さんとホテルへ

監視者「これからどうされますか?」

う~ん……

特に何の予定もないんだけど


俺「あまり外へ出る気にはならないんだよなぁ」

なんか、今日はやたら狙われてる感じがするし


監視者「でしたら、ホテルへ戻りますか?」

それしかないかなぁ


俺「そうですね」

部屋でじっとしてるのが一番安全かな


監視者「では、参りましょう」

はーい


監視者さんに案内してもらって、用意してもらった部屋へ戻る






にしても、1人だと広すぎるよなぁ

暇潰しに少し探索でもするか


俺「まずは、あっちの部屋かな」

ドアを開けると、中には大型のスクリーンにプロジェクター、ソファが置いてある


俺「映画館かよ……」

監視者「こちらはシアタールームですね」

どっちでもいいけど

贅沢だよなぁ


俺「えーっと次は……」

隣の部屋だな

うん?

何もない?


俺「何だ?」

監視者「こちらは、VRスポーツの部屋です。ヘッドマウントディスプレイと、コントローラーを使いいくつかのゲームができるそうです」

ゲームか!

楽しそうだな

やってみてぇーー!!


俺「それじゃ、次の部屋」

監視者「遊ばないのですか?」

いや、まだ遊ばない!


俺「全部の部屋を見終わってから、時間があればやってみようかな」

監視者「そうですか」

よし、次の部屋は何があるかなぁ?


バッとドアを開けると、見覚えのない物が置いてあった


俺「何あれ……」

Xのオブジェ?

ベッドもあるけど、寝室かな?

光ってるのは鎖?


監視者「こ、こちらは……その、SM部屋です」

えす、えむ……ってSM!?

っておいぃぃぃぃぃ!!

なんつー部屋まであんだよ!!


勢いよくドアを閉める


俺「俺は何も見なかった」

そんなディープな世界のことなんて、知らない

まだ知ってはいけない……


監視者「はい」

よし次の部屋だ!


俺「ここはなんだろうなぁ」

がちゃりとドアを開ける

今度は、部屋の中央に麻雀の自動卓が置いてあった

座る位置の斜め後ろにはカメラが設置してある


俺「大会でもする気か」

監視者「麻雀部屋です」

それは、見たら分かる!


俺「よし、次だな」

どんどん行くぞー!


次のドアを開けると……俺は目を疑った

なんで、こんな部屋があるんだ?


監視者「ここは、カードゲーム部屋です」

そ、そうだな


少し中へ入って並べられた複数のテーブルを見て回る

遊○王、ポケ○ン、M○G、デュ○マ、etc.etc

他にも名前しか知らない物もあるな……


俺「すげぇ」

でも、わざわざこの部屋に泊まってまですることか?


監視者「気になりますか?」

どうしてこんな部屋まであるのか気になるけど


俺「いえ」

今プレイしたいとは思ってません


次の部屋に行こう

TCG部屋から出て、次のまだ見てない部屋のドアを開ける


俺「何があるかなぁ」

こ、これは……!?


監視者「料理部屋です」

厨房だ!!

料理系のアニメ以外だと、ファミレスアニメくらいか?

滅多に見れないよな

ちょっと面白そう


俺「へぇ、こんな感じなんだ……」

ステンレスが反射してキラキラしてる

おお、姿が写ってる!


コンロは、やっぱり家庭用とは違うんだな

冷蔵庫も業務用のデカイやつだし

シンク深っ!!

包丁多っ!!


監視者「楽しそうですね」

え?

そうかな?


俺「ちょっと、楽しいかも」

だって、普段見られないような物だし


監視者「そうですか」

さて、そろそろ次行くかな


俺「次の部屋はなんだろなぁ」

厨房を出て、次の部屋のドアを開く


そこは、普通の部屋だった


いや、普通ではないか?

ベッドにテーブル、小型の冷蔵庫と必要最低限の物は置いてある

ホテルの1室だ


なんで?


監視者「こちらは、ノーマルクラスの宿泊部屋を再現した部屋です」

そうだろうけど


俺「なんの為に?」

この部屋いる?


監視者「様々な理由がありますね」

理由、あるんだ……


俺「変わってるなぁ」

折角広い部屋に泊まってるのに……


監視者「こちらの部屋で最後ですが、次はどうされますか?」

え?

もうここで最後か


俺「う~ん……」


監視者「何か必要な物がありましたら、手配させましょうか?」

わざわざそこまでしてもらうのは悪いよな


俺「あ、そうだ。VRゲームの部屋で、一緒にゲームしませんか?」

1人だと面白くないだろうし


監視者「ゲーム、ですか?」

あれ?

ゲーム嫌いだった?


俺「えっと、イヤだったら大丈夫です。1人でやりますから」

そうだよな

こうして一緒にいるのはなんだよな

仕事中に遊びに誘ったらダメだったか……

ちょっと残念だな


監視者「いえ、構いませんよ。ですが、手加減はできませんよ?」

ほう、それは


俺「望むところです!」

全力でお相手しましょう!



俺と監視者さんはVRゲーム部屋へ行き、それぞれHMDを着けてコントローラーを握る


用意されてるゲームの醜類は、そこまで多くはなかった

とりあえず、簡単操作でできるテニスみたいなゲームをすることにした


監視者「では、行きます!」

放たれたサーブは、俺のすぐ横を通り抜けた

それに、俺は全然反応できなかった……


俺「は、速い……」

これは……テンション上がるな!!


監視者さんの頭上にピコン♪と点数が入る

1対0

次も監視者さんサーブだけど、今度こそ振る!

多分、当てるのは難しくない

ただ、当てるだけじゃダメだ


相手のコートへ入れないといけないし、打ち返される可能性が高い




これは、中々に難しいゲームだったみたいだ……

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