第380話 VS坂本戦

顎へ一撃を入れに行ったが、寸での所で避けられた⁉


坂本「あめぇよ!!」

拳を振り上げた状態になった俺の身体へ、拳が突き刺さる


俺「うぐんっ……!!!」

腹部へ重いパンチが入って、身体が吹っ飛ぶ


床を転がり、距離を開けられる

警棒武器を持ってない方の手でこのパンチ力……警棒で殴られたらかなりヤバイな


坂本「どうした?もうギブか?」

俺の事、舐めてるな

ふざけるな!

この程度でギブアップするわけないだろ!


俺「まさか、喧嘩は不慣れなだけだよ」

こちとら、今まで喧嘩らしい喧嘩なんてした事ないんだからな


坂本「死ねぇーーーー!!」

ゴツイ肉体が予想以上に速く向かってくる

これは……受け止められない、よなぁ

左上から袈裟斬りに振り下ろされる警棒を余裕を持って、バックステップで避ける!


更に1歩踏み込み、切り上げるように振りぬく!

残念だったな、それは見えてる


見えてさえいれば、避ける事は出来る!


2撃目もバックステップで避ける

すると、坂本は左手の拳で殴りかかってくる

ヤベッ……武器に注意を向け過ぎた!


拳を当てられて、身体が軽く浮く

そこへ畳みかけるように、警棒が振り下ろされる


マズイ……!!!


身体を無理矢理捻って避けようとするも、ギリギリ間に合わず腕に先端が掠る


俺「っち……」


熱っ、痛い!!


無理矢理捻ったせいでバランスを崩し、カッコ悪く床に転がる


坂本「避けるのは上手いな」

そりゃ、どーも


俺「はぁ……はぁ……」

こっちには決め手が何もないからなぁ

ラッキーパンチが当たれば、ダメージ入れられるって感じか?

んなもん、ムリゲー過ぎだろ……


坂本「そろそろ、死ね」

今一気に攻撃されたら、マジで殺されかねない!!


どうする?


避けるにしても、もう壁が近い

すぐに追い詰められるな……


俺の弱弱しい拳で、どう対抗しようか






弱くても、ダメージを入れるには……

人間の弱点を狙うのが、一番効果的かな?


強打できるなら、脛


ピンポイントに狙うなら、鳩尾


隙があれば、鼻


さて、何処を狙おうかな

できれば脛を攻撃して動きを止めたいんだけど……


視野を広げて武器になりそうな物が無いか探す



目に付いたのは、戦意喪失した奴が持ってた鉄パイプが1本


取り敢えず、使うか




警棒を避けると同時に、鉄パイプのある方へ転がりながら飛ぶ

何とか鉄パイプを掴んで頭上に構える!


そこへ、背後から坂本の追撃が振り下ろされて

ギーーーーン!!

と金属同士のぶつかる音が響く



両腕で受け止めたにも関わらず、肘へ強い衝撃が来た……⁉

一撃が重過ぎるだろ……!!




しかし、それは坂本も同じはず!

今の攻撃の反動は、いくら何でも対処しきれないだろ!


鉄パイプを構えつつ振り返ると、坂本は警棒を落とし手首を抑えていた

ラッキー!!

自滅してくれた!!


しかも、攻撃の要を潰せたっぽいな!


「龍さんっ!!」

下っ端の奴が、声をかけてきた

そっちを見ると、南城さんの首元へ小さなナイフを突きつけていた⁉



何やってんだ、アイツ?





コレは、もう…………許せないなぁ








俺「お前……消えたいのか」

なら、消えろよ


俺「邪魔だ」

ただただ、強く強く……を邪魔した奴の消失を望む


ボス「おい、ヤメ」

俺「もう、遅い!」

冷たい視線を向け、願う


すると、ナイフを持っていた男は身体が透けてあっという間に消滅する

手から落ちたナイフすら床に落ちる前に消える






存在の全てが無かった事になる






ボス「お前……お前お前お前お前オマエオマエ!!」

怒り狂った坂本が俺に向かって拳を振り上げてくる


俺「五月蠅いな」

今まで散々やってきた事なんだろ?

因果応報だよ


逆上した坂本の動きは単純そのものだ


今度は俺が攻撃する番だ!!


両手で鉄パイプを握り、向かってくる拳へ向けて振り下ろす





拳と鉄パイプが激突し、坂本の拳を砕く!!




坂本「ぐぅあぁっ……!!」

これで片手を潰した

まだもう片方の手が残ってるな

そっちもやっておくか


痛みで動きの鈍くなった所を狙って、手首と肘の間…前腕へ振り下ろす

パキンッ!!!

と骨の折れる音が鳴る




コレで、もう攻撃してこないよな……?

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