第365話 真剣に選ぶのは

南城「楽しそう!」

堀北「これは、勝負ってことかしら?」

妹「むぅ、おにぃの服は私が選ぶはずだったのに」

仁科「え?え?何が始まったの?」

東雲「よーし、勝つよー!」

仁科さん、ホントごめん

俺のせいで変な事に巻き込まれちゃったな


俺「皆、落ち着いて」


天草「それじゃ、ルールは1人1着をこの店内から選ぶって事でいい?」

良くないと思うけど⁉

いくら店長だからって、まだ営業時間中なのに私物化していいの⁉


天草「準備は……いいみたいね!制限時間は1時間!よーい、ドンッ!!」

コンテストって割には殺伐としたスタートだな⁉


俺「はぁ……もう、どうしてこうなるのかなぁ」

天草さんこの人、悪乗りしてるなぁ

みんなが選んでくれた服なら、まぁ……いっか


天草「少年、ちょっとこっち来てもらっていい?」

あ、え?

少年って俺?


俺「なんですか?」

手招きされて皆から距離を開けた場所へ離れる


天草「君とあの子達、特に東雲さんとはどういう関係?」

どういうって……


俺「友達ですけど」

何か変だった?


天草「5股とかじゃなくて?」

いや、あり得ないでしょ?

5股だとしたら、全員一緒にいるのは異常だよ

しか1人は妹だよ⁉


俺「んな訳ないじゃないですか」

何言ってんだよ!


天草「そう、か」

納得してないっぽいけど、事実なんだけどなぁ


俺「嘘じゃないですから、何なら皆に確認してくれてもいいですよ」

妹以外は全員友達だって言ってくれるから


天草「いや、嘘だなんて思ってないけど。ちょっと信じられなくてね」

信じられない?

あ~……そうだよな


俺「名前無しmob名前持ちネームドと友達って違和感凄いっすよねぇ」

うんうん

そりゃ、そうだよな


天草「違う違う。そうじゃなくて、東雲さんが、友達を連れてくるって事がね」

そういえば、友達作るの苦労してたとか言ってたな


俺「そういう事ですか」

天草さんは、俺が東雲さんを財布代わりにしてないかって事心配してたのか


天草「あの子、前に友達の事で傷付いた事があったから心配してたけど……君は大丈夫そう」

その事に関しては、心配いらないから


俺「そうですね」


天草「それで、東雲さんとは友達以上の関係になったりは」

俺「しないです」

これ以上増やさないで!


天草「もしかして、彼女いるの?」

はぁ⁉


俺「いたらこんな事になってませんよ……」

ほんと、どこで間違えたのかなぁ


天草「えっと、なんか…苦労してるようだね」

まぁ、苦労はしてますとも……


俺「色々あるんで、詳しくは話せないですけどね」

てか、これ以上話せる事なんてないんだよね


天草「あ、そうそう。もう1つ聞きたい事あったのだけど」

まだ何かあるのかよ


俺「なんですか?」

話せる事は限られてるけど


天草「何で私の服着る事にしたの?」

したんじゃなくて、の!


俺「簡単に言うと、妹の文化祭への協力です」

ステージで着るだけだから、終わったら2度と着ないから


天草「妹さん?ってあの子よね」

妹を指さす


俺「そうですよ」

他に名前無しはいないでしょ?


天草「随分と真剣に選んでるね」

う~ん……


俺「文化祭が楽しみなんですよ」

だからあんなに張り切ってるんだよ


天草「それだけとは思えないのだけど」

それは気のせいです……絶対に気のせいだから


俺「さぁ、知りませんよ」

知ったっこっちゃない


天草「それで、後は……」


この後

南城さんと堀北さんと仁科さんについても聞かれ、テキトーに答えておいた



そんな感じで天草さんと会話してると、制限時間の1時間が経とうとしていた

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