第363話 いざ、お店へ
南城さんを先頭に人混みを抜けて仁科さん達の方へ向かう
俺と妹が南城さんの所へ辿り着くのにかなり苦労したのにな
南城さんが前へ進むと、人だかりが左右に分かれて道を作っていくんだよなぁ
楽に進めて羨ましいな……
すぐに仁科さんの元へ到着する
東雲「あ、いたいた!」
仁科「良かったぁ……」
顔色が対照的だなぁ
元気そうな東雲さんと、ぐったりしてる仁科さん
俺「仁科さん、大丈夫?」
人に揉まれて疲れた?
仁科「うん…大丈夫……ただ、東雲ちゃんが思ったりよりアイドルしててね……」
なるほど……ファンの突撃に巻き込まれたってところか
東雲「ごめんね!でも、ファンは大事にしたいから」
そりゃ、大事にしないとダメだけどね
まぁ、状況的に仕方なかったんだろうけど
もう少し一緒にいる人への配慮も必要だと思うよ
俺「配慮が足りないんじゃないかな?」
東雲「うぐ……もう、江藤みたいな事言わないでよ」
江藤さん、大変だなぁ
堀北「ここにずっと居ると他の人も迷惑になるから移動するわよ?」
あ、そっか
ここ駅前だっけ
妹「はい!それじゃ私について来てください!」
張り切ってるなぁ……俺のトートバッグ掴んだままだけど
トートバッグを引っ張られて連れてかれる俺と、俺を取り囲む美少女達
それを見て、信じられないという視線を飛ばしてくる観衆
いつもの事だけど……キツイなぁ
移動して、周りに人が減ってきて視線の恐怖が軽減された頃
俺「まだ着かないのか?」
結構歩いただろ?
妹「えっと……この道の先を右に曲がってもう少し先かな」
まだ着かないのか……
この辺、もうお店らしいお店無いんだけど
本当に道合ってるのか?
俺「はぁ……」
早く用事済ませて帰りてぇ
堀北「妹ちゃん、そのお店って男性用のモノしか置いてないのかしら?」
あ~、それだと仁科さん達がヒマになっちゃうか
妹「いえいえ、メインは女性みたいです。でも、店長さんが好きだからって売り場の一部を占有してるってサイトに書いてありました」
なんだ、それ……
堀北「そうなのね」
もしかして、堀北さんはああいう服が好みなのか⁉
南城「春香、自分用に買うの?」
まさか、ね
堀北「そうね。気に入った物があれば、それもアリよね」
アリなのか⁉
あんな服、いつ着るんだろ……
妹「きっと似合いますよ!」
食いついた⁉
堀北「そうかしら?そうだと、嬉しいわ。ありがとね」
う~ん……
似合うとは思うけど、普段着としてはちょっとなぁ
妹「あ!ありましたよ!あのお店です!」
指さした先には何て書いてあるか分からない看板を掲げたお店が1軒あった
俺「あの店か……読めねぇな」
英語か?フランス語か?それともそれ以外か?
まったく分からないな
妹「読み方は分からないけど、【私のお気に入り】って意味で命名したって書いてあったよ」
お前も読み方は分からないんだな
堀北「私も分からないわね……何語かしら」
え⁉
堀北さんも分からないんじゃ、誰も分からないじゃん
東雲「あ~、この店ね」
うん?
俺「東雲さん?」
知ってるの?
東雲「ここ、私も何度か注文した事あるのよ。良い店よね」
そ、そうなんだ……
俺「注文?」
通販とかしてるの?
東雲「ええ、フルオーダーで仕立ててもらったの。店長の腕は私が保障するわよ」
まさかのオーダーメイドかよ……
そういえば、東雲さんってお嬢様なんだけっけか
あんまりお嬢様っぽくないから忘れてたよ
仁科「オーダーメイドかぁ、凄いなぁ」
うん、凄いよね……
でも、あんまり羨ましいって思わないんだよなぁ
店の前まで来て、ショーウィンドウに飾られてる服を見る
もしかして、これあの画像の服か?
実物を見ると、やっぱ凄いなぁ……
これ、予算足りるかなぁ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます