第360話 妹は朝から元気だなぁ

夕飯は、さっぱり蕎麦だった

昼にハンバーグ食ったから、ちょうど良かったな


風呂に入って、念の為顔を念入りに洗う


明日は10時に駅集合だから、9時半くらいには出た方がいいよな

とりあえず、支度に1時間もあれば十分だし目覚ましは8時半でいいな



よし、寝よう……








枕に頭を乗せた、その時……!

ふわっと、ほのかに堀北さんの香りがした気がした⁉


いやいやいや、さすがにそれは無いだろ⁉

どんだけ時間経ってるんだよ!



でも……

いつもと違う匂いがするのは間違いない、と思う


あ~~~~~、もう……折角考えない様にしてたのに!!

夕方に密着した時の事思い出しちゃったじゃん!!


枕、今日は使うの止めよう……

大丈夫、1日くらい枕使わなくたって何も変わらないよ



枕をベッドから落として、自分の腕を枕代わりにして寝ることにした

























アラームが鳴って、目が覚めた……


腕……痺れてるな……

手はグーパーグーパーして、腕は曲げ伸ばしして感覚を取り戻す


さて、身支度するか


えーっと、洋服は……どうするかなぁ


前に着たやつでいいか?


多分と言うか絶対に……試着するよなぁ


なら脱ぎやすい服の方がいいか

普段着の中で、脱ぎ着が簡単なのだと……コレか

よし、これに決めた


寝間着から着替えて、顔を洗いに洗面所へ向かう



階段を下りて、一直線に洗面所へ行くとちょうど入れ替わる様に妹が出てきた


俺「おはよ」


妹「あ、おにぃ!おはよっ!」

元気だなぁ


俺「顔洗ってくる……」

妹はまだ部屋着だったから、これから着替えるんだろうな


さて、顔洗って目を覚まそう

腕捲りをしてバシャバシャと顔を洗う




俺「ぷはぁっ」

あ~……、うん

目ぇ覚めたな


よし、朝ご飯だ!


リビングに行くと、母さんがテレビを見ながら飲み物を飲んでいた


俺「母さん、おはよ」


母「おはよ。朝ご飯食べる?」

うん


俺「食べる」

何だろうな

トーストかシリアルか


母「ちょっと待ってなさい。今準備するから」

そう言って母さんはキッチンへ行く

言われた通り、俺はイスに座って朝食が出てくるのを待つ


あれ?

コンロの火の点く音がしたな

ってことは、スクランブルエッグかな?


少しするとバチバチと油の跳ねる音が聞こえてくる

何かを炒めてるな


なんだろなー



少し待っていると、母さんが皿に朝食を乗せて持ってきてくれた


母「はい、おまちどうさま」

出て来たメニューは、何とホットドッグだった⁉

縦に切込みが入ったパンに千切りキャベツとウインナーが挟んであり

上からケチャップとマスタードがかけられている


俺「へぇ、ホットドッグか。久しぶりだよね?」


母「そうね。たまにはいいでしょ?」

俺としては、たまにじゃなくてもいいんだけどな


俺「うん、美味そう。いただきます!」

一口目を頬張る

パンの柔らかな食感とキャベツのシャキシャキ感、ウインナーの皮のパリっとした感じが一度に味わえる


俺「美味ぁ~」

ケチャップの酸味とマスタードの辛味もちょうど良い


母「そう、それはよかったわ」

俺の反応に満足したのか、母さんはまたキッチンへ戻って行った



皿に乗ったホットドッグ2つを食べ終えた頃になって、やっと妹が下りてきた


妹「おにぃ、どうかな?」

リビングに入ってくるなり洋服をクルっと回って見せてくる


俺「あ~、うん、いいんじゃない」

いつもよりお洒落したんだろ?

良く分からんけど


妹「もう!いい加減な返事しないでよー!ちゃんと見てよ!」

いや、見たって……


俺「分からねぇよ」

どう違うのか、説明してくれないと分からないっての

まぁ、説明なんて聞くつもりないけどさ


妹「もう!」

俺にその手の感想を求めるのは無駄だぞ



母「あらあら、今日は随分と気合入れたのね?」

ちょうど妹の分のホットドッグを持ってリビングに戻って来た


妹「うん!おにぃには、全然分かってもらえなかったけどね!」

悪かったな


母「そうなの?ダメね、ちゃんと女の子の服は褒めてあげないと」

堀北さんや南城さんには、ちゃんと言ってるよ

あんまり上手に言えてないけど……


妹「そうだよ、おにぃ?」

あ~、はいはい


俺「悪かったな」

ったく、母さんが味方に付いたからって調子に乗りやがって


母「はい、ケチャップ跳ねないように気を付けて食べるのよ」


妹「はーい。おいしそー!」

文句無しに、美味かったぞ




さて、コイツがホットドッグを食べ終えたらいつでも出れるようにしておくか



支度する為に俺は一旦部屋に戻った

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る