第359話 妹の要件

俺「さて、堀北さんが正気に戻った所で」


堀北「ごめんなさい。ちょっとハイになっちゃってたわ」

うん、何でそんなハイテンションだったのか分からないけど

やっとまともに戻ってくれたなら、もういいかな


俺「妹、何か用あるんだろ?」

早く言え


妹「え?……え~っと、あ……そうそう!明日の事なんだけどね」

今マジで忘れてやがったな?


俺「明日?買い物だろ?」

他の用事でも出来たのか?


妹「うん!待ち合わせはドコが良いかなって」

そんなの駅でいいだろ?


堀北「駅でいいんじゃないかしら?」

だよなー


妹「それじゃ、駅で待ち合わせで。後は時間なんですけど」

時間かぁ

早過ぎても時間余るだろうしな……


堀北「お店の開店時間は知ってる?」


妹「10時半ですね」

なら11時か12時くらいでいいんじゃないか?


堀北「そう。そういえば、お店はどのくらい遠いのかしら?」

そういえば、店の場所聞いてないな


妹「電車で40分ちょっとかかります」

電車で40分か、結構遠いなぁ


堀北「なら、10時に待ち合わせでどうかしら?」

結構早いなぁ


妹「おっけーです!それじゃ、千秋先輩にメッセージ送っておきますね!」

そうか、頼んだぞー


堀北「ええ、そうね」


俺「それだけか?」

明日の待ち合わせの時間決めだけなら、もう要件はないな?


妹「ううん。まだもう一つ!明日買う服なんだけど、ちょっとお小遣いじゃ心もとないから援助して欲しいなって……ダメかな?」

はぁ……


俺「母さんには頼んだ後だよな?」

先ずは母さんに聞いてからだ


妹「うん……お母さんは出してくれないって」

そうか


俺「しかたないな」

出してやるか


妹「いいの⁉」

ダメ元で聞きにきたって事かよ


俺「ほんとは良くない。でも、今日だって堀北さんがお前の文化祭の為にウチに来てくれてんだ。それが無駄になるような事はできないだろ?」

堀北さんに感謝しろよ


妹「うん、そっか。春香先輩、ありがとうございます」

よしよし、ちゃんとお礼言えたな


堀北「いえ、私は別にそんな……私だって楽しいから」

俺に化粧するのが楽しい、訳じゃないよね⁉


妹「明日、千秋先輩にもお礼言わなきゃ」

そうだな


俺「要件は資金援助が本命なんだろ?」

場所や時間なんてメッセージで事足りるしな


妹「うん……おにぃ、ごめんね」

反省してるなら、今回は許してやるよ


俺「今回だけだぞ?」


妹「うん!」

返事はいいんだよなぁ


俺「お前にとって大事な文化祭なんだろ?」

何か、かなり気合が入ってるしな


妹「うん。今年で最後だもん」

まぁ、留年しない限りはそうだろうな


俺「そうか。よし、それじゃ楽しまないとな」

気合入ってるのは分かったけど、何よりも楽しむ気持ちが一番大事だからな


妹「……うん!」

よしっ

話もまとまったし、もう夕方だから

そろそろ解散かな


俺「堀北さん、今日はこの後どうする?」

夕飯食ってくなら、母さんに連絡入れるけど?


堀北「そうね、今日はもう帰ろうかしら」

そっか


俺「送ろうか?」

途中まで、だけど


堀北「いえ、大丈夫よ。ちょっと寄る所もあるから」

そっか


俺「うん、了解」

それじゃ玄関で見送ろうか


3人揃って階段を下りて堀北さんを見送る


堀北「今日はありがとね。また明日」


俺「こっちこそ、ありがと」

妹「はい!また明日です!」



堀北さんを見送り、俺は自分の部屋に戻り

妹もちゃんと自室へ行った



さて、今日の夕飯はなんだろうなぁ

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