第358話 救いのメッセージ?

二人に肩を押さえられて、やっと1分くらい経った……


体感では30分ぐらい経った気がするな

堀北さん、早く正気に戻ってくれないかなぁ……


俺「はぁ……」

堀北さん、なんか仄かに花の香りがするな

シャンプーとか、そういうのの匂いかな?

嫌いじゃない、どちらかと言えば好きな匂いなんだけど……


堀北さんの存在が気になって、それどころじゃないんだよな


くっ付かれてる部分が少し汗ばんできたなぁ


熱いなぁ……




堀北さん、リラックスしてるっぽいけど……どうしてリラックスできるのかなぁ


俺、緊張とか気まずさでドキドキしてるってのに……!!


妹よ、堀北さんへの対抗意識だけで俺にくっ付いてるだろ?

飽きたなら離れていいだぞ?

てか、早く離れろよ……暑苦しい


何か、きっかけが無いと堀北さんは正気に戻らなそうだ……

両手が塞がった俺には何も出来ないから、誰かが助けてくれないと困るなぁ

BやDからメッセージでも来ないかなぁ……最近アイツら俺に冷たいからな……

南城さんが電話でもかけてくれれば、一番簡単なんだけど

そう都合よくはいかないよな……




1秒でも早くこの状況を脱したいんだけど、その方法が思いつかない!

そういえば、妹は何の用があって俺の部屋に来たんだ?

絶対本来の目的忘れてるだろ……





長く長く感じたこの状況を打破したのは、スマホに届いたメッセージだった!


ピロリン♪

と新着メッセージが来た音が鳴る!



俺「あ、メッセージ来たみたいだ!」

声をワザと大きめに上げて、堀北さんに伝える



堀北「そうみたいね……残念だわ」

そう言ってスッと離れてくれる堀北さん

何故か離れようとしない妹は無理矢理振り解いて、スマホに来た救いのメッセージを開く


俺「え~と、相手は……南城さん⁉」

マジで南城さんから来た⁉


堀北「千秋から?」

なんだろうね……


俺「えーと、なになに……『明日楽しみだね!』か」

南城さんらしいな


堀北「千秋らしいわね」

同感だね

さて、返事送らないとな

と文字を打とうとしたら、更にメッセージが届く


ピロリン♪


俺「え……」

どうして


堀北「どうしたの?」

どうしたもこうしたもないよ⁉


俺「南城さんがさ……『春香とイチャイチャしてないよね?』だって」

くっ付いてるのがイチャイチャに含まれるなら……


堀北「凄い勘の良さね……」

勘なの⁉


俺「何か監視されてるみたいで、少し怖い【ピロリン♪】、また来た⁉」

今度は何!?


南城 明日、ちゃんと聞かせてね!


これ……勘なの?

もう、何かがあったって確信してるっぽいんだけど


俺「明日、ちゃんと話せってさ」


堀北「だ、大丈夫よ。きっと」

きっとじゃなくて、絶対って言って欲しかったな!


妹「明日、私も一緒に説明してあげるから」

お前は、黙ってた方がいいと思うぞ

この中で一番口が滑りやすいんだから


俺「えーっと、何て返そう……『明日、よろしくね』でいっか」

あ~……途端に明日が不安になってきた……


トラブルが無ければいいなぁ

特に南城さんと……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る