第357話 フェチズム?
俺「2人とも落ち着いて!」
話し合えって!
妹「おにぃ、何で怒んないの⁉」
怒るって何に⁉
堀北「その、これは出来心で……やましい気持ちなんて」
出来心?
俺「堀北さん、体調悪かったりはしない?」
大丈夫なの?
堀北「だ、大丈夫よ?とっても元気よ」
う~ん……なんか顔赤くなってる気がするんだけど
妹と言い合いしたせいかな
妹「おにぃ?体調悪い訳ないじゃん!むしろ悪くても元気になっちゃうよ!」
はぁ?
俺の枕って、そんな機能ついてたのか?
今まで実感無かったけどなぁ
俺「意味分からん。とりあえず、黙っててくれ」
多分話がややこしくなるからな
妹「おにぃ⁉」
異議申し立ては後でな
俺「堀北さん、とりあえず枕は戻してもらっていい?」
ずっと抱きしめてるけど、もしかして気に入ったのかな?
堀北「あ、そっ、そうね!ごめんなさい」
ベッドへ枕を戻す堀北さん
少し名残惜しそうにしてた気がするけど、気のせいだよね?
俺「体調悪くないなら、なんで枕抱いてたの?」
眠いわけでもないんだよね?
堀北「それは、その……」
言えない?
妹「はい!」
突然手を上げる妹
俺「なんだよ?」
律儀に手を上げてまで
妹「春香先輩は、単純に匂いフェチです!」
匂いフェチ?
俺「そんな訳」
堀北さんの顔が真っ赤に染まっていく……
え?マジなの?
俺「ほんとに?」
コクリと頷きが帰ってきた
そっかー……本当にいるんだなぁ
俺「それで、もしかして俺の枕の匂いを?」
またもコクリと頷く
俺「そっか。理由はわかったけど、枕はもうやめてね?」
汗臭かったらイヤだし
堀北「ごめんなさい」
めっちゃ、反省してるな……
俺「別に怒ってはないから。でも、なんで枕?」
他にもあったんじゃない?
堀北「その、えっと……一番君の匂いが染み付いてるから」
染み付いて……そっか
これ、なんて答えればいいんだ?
ありがとう?
いや、違うだろ……
妹「おにぃの事が好きなの?それとも、おにぃの匂いが好きなの?」
おい、そんな事聞いてどうするんだよ
堀北「もちろん彼が好きよ!でも、彼の香りも好きなの……!」
えっと、うん……ありがと
妹「そんな事言って……もし!もしもだけど!結婚して、おにぃが加齢臭で臭くなったらどうするの!」
そういう事言うんじゃないよ!
加齢臭とか、止めてくれ……将来不安しかなくなるだろ⁉
堀北「そんなの……もっと好きになるに決まってるでしょ⁉どうする?そんなの決まってるわ!抱きしめるのよ!!」
う、うわぁ……
それはそれで、ちょっと……
妹「……本気ですか?」
ゴクリ……
堀北「勿論よ」
もちろんなんだ……
妹「そうですか。わかりました……、でも枕とかはダメです!」
うんうん
堀北「もうしないわよ!」
よかったぁ
妹「なら、いいです。最後に1つ、言っておきます」
なんだ……?
堀北「何かしら?」
そんな真剣な表情で聞くことでもないと思うけど……
妹「私が見てる間なら、おにぃの匂い嗅いでもいいよ」
は……?
お前、何言ってんだ?
堀北「え……いいの?」
良くないよ⁉
妹「おにぃの物盗まれたりしたらヤダもん。だから、私が監視してる間ならいいよ」
良くねーよ⁉
俺「ちょっと待て、俺は」
許可してないから!!
妹「おにぃだって、いつも言ってるもん。人の趣味嗜好を馬鹿にしちゃダメだって。犯罪じゃないんだから、好きにさせろって」
そんな事言ったっけ⁉
堀北「そ、それじゃ遠慮なく」
ちょっとは遠慮して⁉
俺の肩に手を乗せて耳元や頭の匂いを嗅ごうとする
俺「ちょ、ちょっと⁉」
堀北さん、落ち着いて!!
自分が何してるのか、ちゃんと考えて⁉
俺「妹!お前のせいだぞ!止めてくれよ!」
ふざけるのも大概にしろって!
妹「それじゃ私もー」
はぁ⁉
おい!反対の肩にもたれ掛かってくるな!!
スンスンじゃねーよ⁉
妹「おにぃのにおい……」
後で拳骨もくれてやるからな!
堀北さんも正気に戻ってくれないし……
どうすんだよ、この状況……
俺「あー、もう……誰か助けてくれ……」
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