第348話 夕飯はチーズカツ

演劇を調べていると、ドアがノックされた


俺「またか……?」

ったく、今度は何だよ


俺「はーい」

ドアを開けると、そこにはいつも通りの部屋着姿の妹がいた


妹「お、おにぃ…ごはんだって」

何でお前の方がそんな気まずそうなんだよ……


俺「あの友達は?」

夕飯も食っていくのか?


妹「帰ったよ……」

疲れてるな

本当に友達、なのか?


俺「そっか。えっと、飯だっけ?」

今日の夕飯なんだろうなぁ


妹「うん。お母さんが呼んで来てって」

了解っと


俺「よし、下りるか」

部屋を出て、リビングへ向かう


どことなく疲れた様子の妹に、かける言葉が見つからない






リビングに着くと既にテーブルに夕飯が並んでいた


俺「今日はカツなんだ」

久しぶり、かな?


母「そうよー、しかも今日は中にチーズ入ってるのよ」

ほう、チーズ入りのカツか

美味そう!


妹「いただきまーす!」

俺「いただきます」


カツを口に入れると、ジューシーな肉汁が溢れ更にチーズの香りが広がる


うまぁ……






ご飯と味噌汁とカツを食べて、満足する



さて、部屋戻って調べ物の続きしないとな……

なんか、あるかなぁ


簡単なのは、童話だけど……

南城さん達しっかり出番のある童話となると、何があるかなぁ

そもそも役者の偏りが酷いから、そこをどうにかしないとな

メインが女子3人に対して男子1人だしな


何も思いつかないなぁ


俺「う~ん……」

どうするかなぁ


妹「どうしたの?」

うん?


俺「こっちの文化祭の出し物でちょっとな」

あ、妹なら何かいいアイデアあるか?


妹「何するの?」

聞いてみるだけ、聞いてみるか?


俺「演劇、なんだけど」

何やるかまだ決まってないんだよなぁ


妹「へぇ、何するの?」

うん、聞いてみよう


俺「まだ決まってない。何かアイディアないか?」

早く決めないと、色々間に合わなくなるからさ


妹「え?まだ決まってないの⁉」

まぁ、うん……決まってない


俺「そうなんだよ……」

ほんと、自分で提案しておいてアレだけどさ

間に合うのかなぁ……


妹「う~ん……かぐや姫とか?」

誰が姫やるかで揉めそうだな

本人じゃなくて周りが、だけど


俺「なるほどな」

貴重な意見として、聞いておくよ


妹「それはそうと、あの衣装どうだった?」

と小声で聞いてくる妹


俺「あれで、決定なのか?」

できれば再考してもらいたいんだけど


妹「う~ん、多分ね……可愛くなかった?」

可愛いか、そうでないかと言われれば


俺「可愛かったぞ。でも、着る人によるだろ?」

あんなカッコした俺なんて、俺が見たくない!


妹「へ、へぇ……それって、私が着ても可愛かったんだ……そっか」

ん?


妹「それじゃ、衣装はあの感じで決定かな!」

マジかよ……


俺「はぁ……、あの衣装は南城さんに話したのか?」

衣装決めるの手伝ってくれるって約束してたじゃん?


妹「うん?これからするよ。後はおにぃの衣装だけだからね」

うん?


俺「って事は……アレ、俺は着なくていいのか⁉」

てっきり俺にもアレ着せる気なのかと思ったけど

よっしゃ!

ギリセーフ!!


妹「あ、それも有りかも?千秋先輩に聞いてみるね」

くそっ!!!墓穴掘った……

南城さんなら、絶対に賛成するだろ⁉

面白そう!とか言って……


俺「そ、そうか……」

もうダメだな


ハハ……、もしあの衣装を着る事になったら


南城さんには主役を演じてもらおうかな

かぐや姫、有りかもな


お淑やかな女性を、完璧に演じ切ってもらおう


うん、それくらいはしてくれないとな……

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