第338話 東雲さん関連はBに

教室に着くと、もうクラスメイトは全員揃っていて

やっぱり俺達が最後だったみたいだ


俺「はぁ……何とか、間に合ったな……」


俺が席に座ると同時くらいに担任が入ってくる


担任「今日は特に何もない、以上。授業ちゃんと集中しろよー」

それだけ言って教室を出て行く


B「なぁ、ちょっといいか?」

またか……


俺「ああ、また廊下か?」


B「そうだな」

はぁ

面倒だなぁ


俺「はいよ」

疲れた足に再び力を入れて立ち上がる


廊下へ出て、昨日と同じ様に壁際の隅へ行く


B「今朝、なんで東雲さんと一緒だったんだよ」

平静を装ってるんだろうけど、滲み出る黒い感情を隠せてないぞ


俺「ここだけの話にしてくれるか?」

じゃないと、面倒な事になりそうな気がするからな


B「ああ、勿論」


俺「南城さんと堀北さんが、朝家来てるのは知ってるか?」


B「前に聞いたな。まさか……」

そのまさかだよ


俺「今日はどういう訳か、東雲さんも一緒だっただよ」

あと仁科さんも


B「何でだよ⁉」

俺が聞きたいよ!!


俺「朝、いつも通り玄関を開けたら居たんだよ……」

マジで、意味が分からなかった


B「何でお前ばっかり……それで?」

それでって?


俺「一緒に登校しただけだけど」

お前、いっその事東雲さんに声かけてこいよ

一緒に登下校しようって


B「それは分かった。そうじゃなくて、何話した?登校中の様子は?」

あ~、はいはい


俺「話しは、あんまりしてないな。何か昨日家庭科部でお菓子を食べたとか、南城さん達と話してたよ」

俺は行ってないから、関係ないけどな


B「そうだな」

あ、やっぱり知ってたんだな


俺「後、ファンが来ては丁寧に対応してたよ」

ほんと、よくやるなぁって感心したくらい


B「ファンサに関しては、ハイレベルだからな!当たり前だ!」

でも、今はアイドルじゃないんだし

そこまでする必要があるのかな


俺「へぇ、そっか」

後は、刃物男の事だけど……言わない方がいいよな


B「他には?何かないか?」

そんなに知りたいなら、直接本人に話しかけてこいよ……


俺「ないよ。ほら、先生来たぞ」

1時間目の授業の教師がコッチに向かってくる

教室に戻ろうとする俺の腕を掴んで止めるB


B「いいか、東雲さんの事で何かあったら俺に相談しろ。俺が全力で対応するからな」

そうかそうか


俺「助かるよ。アイドルとかそういうの専門外過ぎて何も分からないからさ」

これで、東雲さん関連の事で相談できるヤツが手に入ったな


B「ああ!存分に俺を頼ってくれ!マジで!」

はいはい


俺「そうするよ。ほら、先生がコッチ見てるぞ」

早く教室入れってさ


B「そうだな」

やっと腕を離してくれたBは、俺より先に教室に入って行きやがった


先生「何かあった?大丈夫?」

え?


俺「普通に話してただけですよ?」


先生「そう?イジメとかじゃないのね?」

イジメ?

んな訳ないじゃないですか……

どんな見間違えだよ


俺「アイツとは友達ですよ」

先生からのイジメられてる疑惑を否定して教室に入る


早く、授業の用意しないと……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る