第336話 みんなで登校

学校へ向かう途中、いろんな人が俺達を注目する

まぁ、俺自身は注目されてないんだけど


一番注目を集めてるのは、もちろん東雲さんだ

いいのかなぁ……

元とは言えアイドルでしょ?


俺「東雲さん、いいの?」

注目集めてるけど……


東雲「何が?」

分かってない?


俺「めっちゃ注目されてるけど」

アイドル的に大丈夫なの?


東雲「そう?これくらい普通よね?」

いや、普通じゃないと思うけど……


南城「うん」

あれ……?

俺がおかしいの?


俺「堀北さんは?」

どう思う?


堀北「いつもより私に向かう視線が少ないから、私としては何の問題もないわ」

そっか

堀北さん、注目されるの苦手なんだっけ


俺「仁科さんは?」

割と感覚が一般的な気がするし、何か


仁科「う~ん……品評会とかだと、もっと見られてるから」

あ~、そうだった……

一般的な感覚を持ってても、名前持ちだったか


俺「まぁ、いいなら良いんだけど……」

学校に着くまでの間にスマホで撮影される回数は3桁に届く程

途中で東雲さんが声をかけられて立ち止まる事、実に23回


「あ、あの!さ、さささ、サインください!!」

はい、コレで24回目っと


東雲「ごめんね。今の私はアイドルじゃないから、サインはしない事にしてるの。またね」

毎回断ってるなぁ


「は、はい……」

毎度毎度残念そうにするファンに対して


東雲「はい、握手。応援してくれてありがとね~」

と手を握ってあげる


「あ、ああ……ありがとうございます!」

元気になるファンの男


東雲「ばいばーい」

手を離したら手を振って……

これ、ずっと続けてて疲れないのかなぁ


俺「すげぇな……」

感嘆がボソっと口を突いて出た


東雲「これくらいは当たり前。アイドルの基本技能よ」

聞こえてた?


俺「基本技能ねぇ……なんでココまで出来るのに、炎上するのかなぁ」

不思議でならない


東雲「不思議よね……私も何でなのか分からないの」

これは、B辺りに詳しく聞いてみたい事だな

『何故、東雲さんは炎上するのか』


俺「あ、でもアイツに炎上って言うと怒るんだよなぁ」

なんだっけ?

だっけ?


東雲「ふふ、それってクラスメイトの?」

そうそう


俺「一応、俺の友人なんだけど。たまにコイツと友達で良いのかって分からなくなる」

アイツ、変わってるからなぁ


東雲「そんな事言ったら可哀そうよ。あの、えっと……彼だって、きっといいトコあるわ」

自己紹介してた気がするけどな……


俺「アイツはBだよ……」

学校着く前で良かった

どっちにとっても


東雲「そうそう、B君!」

うん……この事はアイツには黙っててやろう




そして、あと少しで学校という所で……やっぱりと言うか、何と言うか


ハプニングが発生した






フードを被った怪しい男がカバンから包丁を取り出した

「裏切ったなぁーー!!ああああああああああああああ!!!!」


声を上げて包丁を構えてコッチに突っ込んでくる⁉

街中で包丁はマズイでしょ⁉

いや、包丁だけじゃなくて刃物とか危険物全般ダメだけど!!


走って突っ込んでくる男に対して、俺に出来る事は……

避ける!!


どう考えても、あの男の狙いは東雲さんだし

巻き添えになるくらいなら、ばっちり避けて安全を確保する!


俺じゃ盾にすらならないからな

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