第325話 作戦は簡単!

先生が戻ってくるまで、経験上10分以上ある

この10分で逃げ延びる方法を考える必要がある……


とりあえず、南城さんに何か手立てが無いか聞いてみるか?

でも、今は自習中で立ち歩くには目立ちすぎる……


不用意に俺が南城さん達とコンタクトを取れば、東雲さんに勘付かれる


本来は禁止されてるけど、今だけは校則を破る必要があるか……


・スマホの授業中の使用禁止


これで見つかると、反省文を400字詰めの作文用紙2枚以上という恐ろしい罰則が科せられる


見つかるリスクに見合わないから、大体の生徒はこの校則を守るようにしてる

書き終わるまで返却も下校も許されない……まさに学生にとっては死活問題レベルの罰則だ


そんなハイリスクを冒してでも、今俺は連絡をとる!!


俺 今大丈夫?

送信っと

さて、南城さん達は電源入れてあるかな……


南城さんを観察していると、ビクッとして周りをキョロキョロと見回す

そして、ポケットの中からそっとスマホを取り出した!

よし!電源入ってたみたいだ!


堀北さんの方は……うん、ちゃんと届いたみたいだ

コッチ見てる


南城 どうしたの?

早速返信してくれる南城さん


俺 東雲さん対策で何かいいアイディアないかなって

このまま、何の情報もないままじゃ対策のしようもない


堀北 対策ね、できるだけ距離を取るのがいいと思うわ

タイプ早っ⁉


俺 距離を取る。おっけー

  他には何かあるかな?


南城 心配しないでいいよ!

   私が何とかするから!!

何か対抗策を見つけたのかな⁉


俺 南城さんだけに任せるわけにはいかなよ

  俺にも何か手伝わせて!


南城 ううん。これは私たちの戦いだから

俺じゃ、足手まといって事かな……


堀北 君は何よりも東雲さんから距離をとって

それが、俺にできる事なら……頑張ってみるか


俺 わかった。できるだけ近付かれないようにする


南城 うん


よし、まだ先生は戻ってきてないな


後は、俺がどうやって東雲さんから距離をとるかだけど……


現状、俺が何かしなくても東雲さんは注目の的だ

そのおかげで無理に距離をとろうとしなくても、大丈夫そうだ


きっと放課後も部活の勧誘とかで東雲さんは身動きがとれないはず

なら、その隙に下校するかどっかに避難するのがいい


下校した場合、最悪家に来る可能性も否定できない……


ならば……学校内で一旦やり過ごして、東雲さんが下校してから俺も下校するか


安全を確信できるとしたら、この方法だな


そうと決まれば、どこに避難するかだけど……東雲さんが知らない場所で、滅多に人が来なそうな場所って言うと

思い当たるのは1カ所だけだ




あそこなら、おそらくほぼ全ての生徒が来ないし

隠れるには打って付けだ


放課後、誰からの制止も振り切って

一早く部室に行けば、見つかるリスクはほぼ皆無だ!!


よし、なんとしても逃げ延びてみせる!!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る