第319話 Bからの取り調べ?
1時間目は東雲さんとの交流で終わり
しかし、時間の足りない男子一同はそのまま休み時間も東雲さんの周りを取り囲む
そんな様子を見て、俺は……関わるのは止めようと心に誓った
窓の外眺めているとDが俺の視界を遮ってきた
俺「ん?どうした?」
D「おい、ちょっと」
そう言って廊下を指さす
なんだよ……ここで話せない内容なのか?
俺「なんで?」
D「いいから来いよ」
俺の返答を聞かず、廊下へ向かうD
このまま行かないで空を眺めるのもいいけど……Dの要件が何かは少し気になるな
とりあえず要件だけ聞いて、おそらく碌な話じゃないだろうからすぐ教室に戻ろう
廊下へ出てDを探すと、Bと一緒に隅の方で待っていた
なんだ、Bも一緒か
俺「なんだよ。わざわざ廊下に呼び出して」
B「お前、どうして東雲さんと知り合ってるんだよ!?」
どうしてって……
俺「南城さん達とプール行った時に絡まれたんだよ」
わざわざ俺から話しかけるわけないだろ?
D「東雲さんはお前の事友達だって言ってたけど」
俺「ん?ああ、一応な。何か普通の友達が欲しかったらしくて、友達になってくれって言われたから」
わざわざ俺から友達になってくださいなんて言うわけないだろ?
B「友……達……?お前、アイドルと友達になったなんて一言も言ってなかったじゃんか!」
あ~……
俺「別に秘密にしてたわけじゃないからな?ただ、あの時会ったきり連絡も何もしてなかったから……向こうはもう忘れてるだろうし、俺も今さっきまで東雲さんの事
忘れてたんだよ」
それに、そんな夏休みの想い出を振り返る余裕も無かったしな
B「この、裏切り者!!」
声大きいって
俺「いや、お前が東雲さんのファンだなんて知らなかったんだって」
知ってたらお前をすぐにでも紹介してるよ
B「あ、そういえば……夏休みの終わりの頃話題になってたな……東雲さんが一般人と一緒にいるって……その一般人ってもしかして」
あ~……うん
俺「それ、多分俺たちだ。本人は無自覚みたいだけど、炎上しやすくて大変そうだったな」
はは、懐かしいなぁ
B「炎上じゃない!話題になっただけだ!!」
うん?
いや、あれは炎上だっただろ……
俺「そう、だったな。悪い悪い、あまりアイドルとか詳しくなくてな」
ここは引いておこう
別に俺としてはどっちでもいいからな
B「それで?」
ん?
俺「それで……なんだ?」
なんか、圧がこえーよ
B「東雲さんとどんな事話したんだ?東雲さんの生水着姿はどうだった?そこんとこ詳しく!詳細に!事細かに!!」
グイグイ来るな!
暑苦しい!!
俺「そんな事聞かれても……」
もう1ヶ月も前の事だぞ?
B「なんでもいいから吐け!」
取り調べにしては雑過ぎるだろ……
俺「あ~……うん、と……」
何か話したっけか?
俺「あ、そうそう。あの時、東雲さんは南城さんと堀北さんに泳ぎを教わったんだよ」
泳げないから、泳げるようになりたいって
B「もしかして、泳げなったのか⁉」
ん?
ファンなのに知らなかったのか?
俺「そうだな」
もしかして、秘密だったとか……?
B「噂では聞いてたけど、本当だったのか……」
あ~、これは非公式情報だったっぽいな
俺「お前の事だから心配はしてないが、念の為に言っておく。口外はするなよ?」
こいつのせいで東雲さんが炎上したら可哀そうだからな
B「するか!むしろ公式発表されるまでファンでその事実を知ってるのは俺だけだぞ?これ以上ない優越感が得られる!!絶対に言う訳ないだろ!」
あ~、はいはい
人の事言えないけど、ヲタ特有の早口だな
俺「あとは……東雲さんってお嬢様?」
B「ん?ああ、そっか。お前は知らないんだよな。東雲さんは正真正銘のお嬢様だぞ。これは公式ページにも載ってるからな。ほらココだ」
無理矢理見せられたサイトには
アイドル・東雲アイのプロフィールが書かれていた
その備考欄に『お嬢様』の文字もある
俺「後は……」
B「いや、ちょっと待て!お前、なんで東雲さんがお嬢様だって知ってたんだ?」
いや、本人から聞いただけだし
B「東雲さんは自身がお嬢様である事を、あまり良く思ってないはずなのに……」
え?そうなの?
俺「そうなのか?」
あまりそうは見えなかったけど……
B「ああ、お嬢様って事で金に群がる害虫がいたみたいだ」
害虫って……まぁ、悪い虫って事なんだろうけど
B「それで、お前は何で東雲さんがお嬢様だって知ってたんだ?」
本人から聞いたってのもあるけど……
俺「本人が言ってたし、一緒にメイドさんが来てたからな」
え~っと、名前なんだっけ……?
B「メイド、さん!?まさか、江藤様か!?」
そうそう!!
江藤、様?
どうして様付けなんだ?
江藤「私に何かご用でしょうか?」
突然背後から声をかけられ、3人揃ってそっちを向く
そこには、プールで顔を合わせた事のある東雲さんのメイドさん
江藤さんがいた⁉
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