第316話 いつも通りの登校
朝の清々しい空気を吸いたくて窓を開ける
窓から入ってきた空気は……そんなに清々しいものではなかった
そっと窓を閉じて、気持ちを切り替えて登校の支度をする
さて、もう……いや、やっと10月か
制服に着替えて、階段を下りる
キッチンでは母さんが朝飯と弁当を用意してくれている
俺「ふわぁ……母さん、おはよ~」
欠伸が止まらねぇ……
母「あら、眠そうね」
俺「うん……なんか夢見た気がするんだけど、それが疲れる感じの夢だったんだよ」
内容はあんまり覚えてないんだけど……
誰かと話ししてた気がするなぁ
それで最近のあった事を説明して……あ、これが記憶の整理ってやつか?
夢って自分の記憶を整理する役割があるって、何か聞いたことあるし
母「疲れる感じ?変な夢ね。はい、朝ご飯よ」
おお、今日はフレンチトーストか
俺「手の凝った朝飯だなぁ」
何か疲れてる気がするから、甘いモノはちょうどいいな
母「余計な事言ってないでさっさと食べちゃいなさい。今日からまた一緒に登校するんでしょ?」
あ~、そうだった
Dさんのお蔭で約1ヶ月一人で登校してたから、すっかり忘れてたな
俺「うん、そうだね」
まぁ、着替えたし荷物もいつも通りカバンに入れてあるし
なんの問題もないな
モグモグとフレンチトーストを食べて、コーヒーをすする
甘さと苦さがバランスいいなぁ
美味しい朝食を食べ終えて
俺「ごちそうさまでした」
母「はい。これお弁当」
ちょうど食べ終わった所で渡された弁当箱をカバンにしまう
さて、そろそろ来る頃かな
ピンポーンとチャイムが鳴り、来客を報せる
俺「はーい」
今出ますよーっと
母「行ってらっしゃい」
いつも通り母さんが行ってらっしゃいを言ってくれる
俺「うん。行ってきまーす」
そして俺もいつも通り行ってきますと返す
玄関を開けると、もちろんそこには南城さんと堀北さんが待っていた
南城「おっはよー!!」
堀北「おはよう」
なんか南城さん元気だなぁ
俺「うん、おはよ。それじゃ行こっか」
俺は今日からまたこの2人の美少女と一緒に登校する
1ヶ月ぶりで、少しだけ新鮮味を感じつつ
両手に華の状態を味わう
2人の笑顔と、周囲の嫉妬と殺意、たまに漏れ聞こえる呪詛
それをたっぷり味わいながら、教室まで行くと
BとDが何やら盛り上がっていた?
俺「よっ、何話してんだ?」
なんか
B「ん?ああ、Aか」
D「お前には全然関係ない話だよ」
なんだよ、俺に関係なくてお前らだけ関係してるのか?
俺「なんだよ、ソレ。いいから、聞かせろよ」
そんな言い方されたら関係なくても、何か知りたいじゃんか
B「別に秘密って訳じゃないんだが」
D「まだ確定情報じゃないしな」
なんだよ、ただの噂かよ
ん?
俺に関係ない噂か……俄然興味沸いてきた
俺「なんだ?どんな噂だ?」
B「あ~、それがさ……転校生が来るんだってさ」
転校生?
ま、まさか……また復讐しに誰かが来たのか⁉
D「しかも、名前持ちの超美少女!!」
な~んだ、名前持ちかぁ
なら、安心だな
俺「そっか、良かったな」
確かに俺には関係なかったな
B「更に……あ、いやコレはお前に言っても分からないか」
なんだよ、さっきから
D「どうやら、転校してくるのは元アイドルらしい」
アイドルかぁ……
俺「あ~、アイドルか……。なら俺の範囲外だな」
B「だろ?最初に言った通り、お前には関係ない話ってわけだ」
俺「だな」
まぁ、噂の転校生に注目が集まっていれば
俺は安全なんじゃないかな
そしたら、妹の方の文化祭に注力できるな
南城さんと堀北さんが協力してくれる以上、失敗して南城さん達の顔に泥を塗るような事は避けたいしな
さてさて、噂の名前持ち転校生はいつまで話題を持って行ってくれるかなぁ……
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