第314話 ここ数日は色々あった

夕飯を食べ終えて、2人が帰るとなった時


俺「途中までだけど、送っていくよ」

玄関でそう申し出ると


南城「必要ないよ!」

いや、でも……


堀北「むしろ夜に君を一人にする方が怖いわ」

……そっか


俺「それじゃ、ここで見送るね」

まだ用心した方がいいって事なのかな


南城「うん!」

堀北「気遣ってくれてありがとね」

それくらいしかできないからね……


俺「それじゃ、また明日ね」


堀北「ええ、また明日」

南城「またね!」


2人が帰っていき、リビングへ戻ると妹がまだ残っていた


俺「どうしたんだ?」

部屋戻らないのか?


妹「あ、うん。おにぃ、ありがとね」

ん?


俺「何がだ?」


妹「お母さんに言わないでくれて」

ああ、バンドの事か


俺「それ、当日には言うんだよな?」

まさか、ギリギリまで黙ってるつもりじゃないよな?


妹「うん。本番の日の朝には伝えるよ。出番の時間に体育館に来てって」

なるほど

直接伝えるわけじゃないのか


俺「パンフ見ればすぐバレるぞ?」

直接言わないのって、そんなに意味あるのか?


妹「それでいいの。それに、バレたらおにぃが女装するしてステージに立つのもバレるんだよ?できるだけ言わない方がサプライズ感あっていいでしょ?」

あ~……そうだったな


俺「そうだな。よし、全力で黙ってよう」

母さんのことだから反対はしないだろうけど

何言われるか分からないからな


妹「うん。それじゃ私は部屋戻るね」

なんだ

俺にお礼言う為に残ってたのか


俺「ああ」

さて、俺も部屋に戻るか

リビングを出る前に母さんに声だけかけておく


俺「母さん、部屋戻るね」

アニメでも観たいな


母「お風呂は?」

あ~、そうだな

今日は入りたいな


俺「後で入るよ」

一旦部屋戻って片付けしないといけないし


母「それじゃお風呂準備できたら声かけるわね」


俺「うん、よろしく」



部屋に戻って、ゲーム機をしまってからテレビとレコーダーの電源をつける


録画リストを見て、気になっていたアニメの続きを再生する






数話目を観たところで母さんから声がかかり、一時停止して1階に下りる

リビングで包帯を外してから風呂場に向かう


包帯とガーゼには新しく血は付いてなかったから、傷口はもう塞がったかな



髪を洗い、次は体を洗う

塞がったと言っても、タオルで擦ればまた開く危険もあるし

慎重にそーっと洗う

なんとか傷口が開くこともなく洗い終えて、湯舟に浸かる

最初だけピリリとしたけど、強い痛みはなかった


ホッと一息つく


肩までお湯に浸かってやや上を見上げる

壁と天井を少し眺めて、目を閉じる





なんと言うか……色々あったなぁ


さんに告白されて……2週間くらい一緒に行動して……カラオケ行ったりして……屋上で一緒にご飯も食べたりして……


その後は突然学校休むようになって……応援団の方にも出て来なくなって……でも、当日はちゃんと来てくれて……歌もダンスも仕上げてきて……凄いなって関心して……


本番直前に白組に名前持ちが関わっていたって聞いて士気がガタガタに落ちて……でも諦めずに南城さん達の力を借りて持ち直して……体育祭の応援合戦はメチャクチャ盛り上がって……そこまでは、上手くいってたのになぁ……



屋上に行ったら

襲われて

俺を庇って大けがさせちゃって

ギリギリの所で四季島と堀北さんと南城さんが駆けつけてくれて


堀北さんが相手を言葉で止めてくれて



無事ではないけど、何とか死なないで事件は解決して


最初4月の頃よりも、確実に命の危機が増えてるな


でも、危ない事はあっても死なないのは……南城さん達のおかげなんだよな

まぁ、危機の方も半分くらいは南城さん達関連なんだけど……


さて、次はどうなるんだろうなぁ

流石に妹の方の文化祭で命を狙われる事はないだろうし、1ヶ月くらいは安心していられそうな気がする


さて、そろそろ上がらないとのぼせちゃうな


俺は風呂から上がって、自分の部屋に戻る


アニメの続きを少しだけ観たい気もするけど、今日はもうやめておこうかな


髪を乾かして、スマホでアラームを設定して布団にもぐる


目を閉じると、すぐに眠気が襲ってきて

そのまま眠りについた

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