第312話 雑談と予定
顔を洗い終わってから、部屋に戻ると3人は一緒になって雑誌を見ていた
俺「ただいまー」
堀北「おかえりなさい」
返してくれたのは堀北さんだけか
2人は雑誌に夢中みたいだな
俺「何してんの?」
堀北「君の衣装は何がいいかって話してたところよ」
そっか
自分達で着たいやつとか見てたわけじゃないのか
俺「そうなんだ」
雑誌を見て参考になるのかな
堀北「あの、化粧なんだけど」
化粧がどうしたの?
俺「うん?」
堀北「また練習させてもらえないかしら?」
あ~、そっか
そういえば、まだ成功してないんだっけ
俺「うん。いいよ」
2週間ほどで本番だし
堀北「ありがとう。それで練習なんだけど、またここ使わせてもらってもいいかしら?」
俺「良いも何も……寧ろ
外で化粧なんて、したくないし
堀北「そうよね。ふふ、ごめんなさい」
俺「それで、次はいつにする?」
明日でも明後日でも、いつでもいいんだけど
堀北「そうね……それじゃ、明々後日でどうかしら?」
俺「いいよ」
明々後日ね
堀北「そういえば、君の好きな服装って聞いたことなかったけど……」
好きな服装ねぇ……
俺「特にないよ?奇抜すぎる服とかは好きになれないけど、それ以外だったら特にコレが好きって事はないかな」
堀北「そうなの?」
なんでそんな意外そうな反応するの?
あれ?
今までに何か服に関して話したことあったっけ?
俺「なんで?」
堀北「前に読んだ本では、白ワンピが嫌いな男子はいないっ!寧ろ大好きな男子しかいないっ!!って書いてあったのよ」
なんだその偏見の塊……
俺「確かに嫌いではないけど、特別好きってわけでもないかなぁ」
可愛い服だったら、他にもあるだろうし
後は着てる本人次第じゃないかなぁ
堀北「そうなのね。やっぱりあの本は参考になりそうもないわね……」
一体どんな本に書いてあったんだよ……
俺「その本のタイトルって」
堀北「えっと……『好きな男子を振り向かせる必勝法100選』だったかしら」
それは……まぁ、参考にしないでほしいかな
俺「へぇ、堀北さんもそういう本読むんだね」
意外だなぁ
堀北「え……?普段は読まないのよ?ただ、前にちょっとだけ立ち読みしたの!持ってるわけじゃないの!」
前にちょっと読んだ本のタイトル覚えてるって、凄い記憶力だな
俺「そうなんだ」
堀北「そうなの。でも、参考にならなそうだし忘れてしまっても良さそうね」
俺「それはそうと、何でそんな本立ち読みしたの?」
堀北さんなら必要ないんじゃないかなぁ
堀北「それは、君に振り向いて欲しいからよ……。千秋は魅力的だし、頑張らないと私なんて眼中に無くなっちゃうじゃない?」
じゃない?って言われても……
俺「そんな事ないと思うけどなぁ……」
2人とも違う方向性の美少女なんだし
堀北「そうなのよね……君ってば、千秋も私も同じ様に接してくれるから」
まぁ、不公平とか良くないと思うし
堀北「頑張らなくても君はちゃんと私のことも見てくれて……嬉しかったわ」
そ、そうなのか?
俺「いや、でも、それは……」
2人が2人とも、とんでもない美少女だからだし
堀北「見た目だけで決められない。なら、私にもチャンスはある。そう思ったの」
いや、南城さんと比べても全く引きを取らないよね?
俺「堀北さん、可愛いよ?」
なんでそんな自信がないの?
堀北「えっ、と………………ありがと」
つい口を突いて出た言葉で、堀北さんの耳が真っ赤に染まっていく
不用意な言葉に気を付けてたつもりだけど、今回のは失敗だったかなぁ
可愛いなんて言われ慣れてると思って、つい言っちゃったけど……
“俺”が言うと、そんな反応するんだな
南城「あれ?春香顔赤いよ?どうしたの?」
雑誌を見てた南城さんが、顔を上げ堀北さんの赤面を目撃してしまう
堀北「な、何でもないわよ?」
南城「あやしい……ねぇ、何があったの!?」
俺に何があったか聞いてくるけど……
言えないよ!!
俺「何でもないよ?」
南城「むぅ~……二人だけの秘密なんてズルいよ!」
秘密って、そんな大げさなものじゃないんだけど……
妹「おにぃ?」
俺「なんでもないって!それより衣装の参考になりそうなのは見つかった?」
南城「あ、それなんだけど。いくつか候補見つけたから見て!」
そう言って雑誌を俺に向けると
そこには、やや露出の多い服が載っていた
俺「え?これ?」
本気?
南城「うん!」
うんって……
俺「これはちょっと遠慮したいな」
寧ろ出来るだけ肌の露出は控えて、布地の多い服の方がいいと思うんだけど
妹「なら、こっちは⁉」
今度は妹が別のページを開いて俺に見せる
そこには、オーバーオールを来た人が載っていた
まぁ、まだこれなら……
俺「これだったら、男物もあるしな」
いいんじゃないかな
妹「あ、そっか……それじゃやっぱ無し!」
無しなの⁉
何で!?
南城「妹ちゃん、このままじゃ見つからないし」
妹「そうですね」
それは、困ったな
南城「もうこれは、実物を見に行くしかないよ思わない?」
妹「……そうですね!」
そうですね!じゃねーよ!?
絶対に俺を連れて行く気だろ!?
レディースファッションの店になんて、入らないからな!?
堀北「面白そうね!それならコスメショップにも行って、彼に合うモノ探しても良さそうよね」
妹「いいですね!」
南城「それじゃ、いつ行く?明日?」
明日って、そんな急な……
妹「あ、すいません。明日はメンバーでミーティングあるんです」
それじゃダメだな
南城「じゃあ明後日は?」
堀北「ごめんなさい。明後日はちょっと」
南城「う~ん、明々後日は私がダメだし……」
マジか!?
って事は、明日から明々後日まで平和に過ごせそうじゃん!?
やった!!
南城「とりあえず、その後以降でって事にしよっか。皆で行きたいし」
妹「そうですね」
堀北「ええ、そうね」
話はまとまったな
よし、それじゃゲームの続きを……
と思ったら、1階から母さんの呼ぶ声が聞こえてくる
妹「ご飯~ご飯~」
そっか、もう夕飯か
俺「二人は食べてくの?」
そういえば、2人に食べて行くか聞けって言われてたな
南城「うん!」
堀北「ご馳走になるわ」
そっか
俺「それじゃ、下りよっか」
俺達は4人揃って、1階に下りてリビングへ向かった
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