第311話 母さんの化粧教室
顔をゴシゴシと洗い、部屋に戻ると
テーブルの上には1回目、2回目の練習で使った化粧品が並べてある
準備は万端か
母「やっと戻ってきたわね。すぐ始めるからソコ座りなさい」
俺「はいはい」
なんだかなぁ
母「はい。それじゃあ全員注目して!特に原因の
妹「はーい!」
母「お母さんのお化粧教室を開始します。今回使うのは、これらの化粧品とコレです」
息子をコレ呼ばわりは酷くないかな……
俺は教材か何かなのか?
南城「はーい」
堀北「お願いします」
母「まず……」
こうして始まった俺を使った化粧教室は、実に1時間以上に及んだ
その間、各々が質問して母さんが答えて
メモを取っては、続きを再開する
俺はというと、動く事もできずただただじっとしていた
そして、化粧が終わり鏡で見せられた俺の姿は……
女の子みたいだった
うん……
違和感が無いな、俺じゃなければだけど……
母「どう、分かったかしら?」
南城「はい!すごく分かりやすかったです!」
一番質問してた南城さんは、今後化粧をもっとするんだろうか……
今まで大して化粧してこなかったって言ってたし
堀北「ありがとうございます。どうして上手くいかなかったのか理解できました」
母さんの説明を聞いてうんうんと頷いてたけど
無事自分のやり方と違う所を見つけられたみたいだな
妹「よくわかんなかったから、また教えてほしいです」
お前……ちゃんと注目してろって言われてたのに何やってたんだよ
母「もちろんよ。出来る様になるまで、毎日練習するからね」
うわぁ……
毎日1時間くらいやるのかな
途中で投げ出さなければいいけど……
妹「毎日!?」
母「当然でしょ?もちろん今日もおさらいするから、忘れないようにね」
いつになくスパルタだな……
妹「えぇ~……」
少し不服そうだけど……多分楽しみでもあるんだろうな
ちゃんと言う事を聞いて、一般的なレベルまで化粧できるようになれるといいな
将来化粧しないといけない場面ってのはあるだろうし
俺「さて、それじゃ俺は顔洗ってくるか」
その場から立ち上がると
堀北「ちょっと待って!写真撮らせて!見本が欲しいの」
あ~
できれば写真は止めてほしいんだけど
必要なら仕方ない、か……
俺「うん」
もう一度座り直す俺を正面からカシャカシャ
右側面からカシャカシャ、左側面からカシャカシャ
と三面分撮って画像を確認する
堀北「ありがとう。もう大丈夫よ」
それは良かった
俺は顔を洗いに洗面所へ再度向かう
そんな俺の後に続いて母さんも付いてくる
俺「母さん、協力してくれてありがと」
2人が喜んでたよ
母「いいのよ、これくらいは。それよりアンタ」
まさか、何か失敗したか!?
俺「何?」
母「洗顔方法も知ってないと大変でしょ、これから教えてあげるわ」
洗顔方法?
俺「え?石鹸付けて顔洗えばいいんじゃないの?」
それ以外に何があるの?
……あ、そうえいば体育祭の時はウェットシートみたいなので拭いたな
あれの事か?
母「はぁ、やっぱりね。ちゃんと化粧を落とす石鹸使わないと落ちにくいのよ。それに肌も荒れちゃうわよ?」
肌荒れなんて、気にした事なかったな
それに化粧を落とす石鹸なんてあるのか?
普通の石鹸と何が違うんだ?
俺「そうなんだ」
世の中知らない事がいっぱいだなぁ
母「そうなの、ちゃんとケアしないと大変よ」
大変ねぇ……
覚えた所で、あと数回しかやらないしあんまり興味ないんだけどな
洗面所で母さんが教えてくれた石鹸には
クレンジングオイルと書いてあった
オイルって油?
油で化粧って落ちるのか
ほんとは、知らなくても良い事だろうけど
こういう自分と関係ない事でも覚えておくといい事でもあるのかなぁ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます