第304話 ゲームしよう
南城「あ~~~、よかったぁーーー……」
盛大に安心する南城さんと
堀北「うん、良かった……」
心底安心する堀北さん
そして、猶予を貰えてホッとする俺
話し合いは、なんとか終わり
最初の目的は果たせた
お昼ご飯をお菓子ですませて、ジュースを飲んで笑い合う
ちゃんと打ち上げっぽい空気の場面で、唐突に南城さんがとんでもない事を言い出した
南城「あ、そうだ!文化祭でも女装してもらえれば、間近で観れるんじゃ……」
ん!?
堀北「それ、いいわね……!」
んん!?
俺「2人とも、何を言ってるの?」
まさか、俺をまた女装させようとしてる……?
南城「あ~、でも他の人には見せたくないなぁ……」
どんな独占欲!?
堀北「やっぱり……プライベートでしてもらうしかないのかしら?」
どうして、そこまでして見たいの!?
俺「いやだよ!?もう2度としたくないんだけど……」
もうイヤだよ
南城「え~……」
え~じゃありません!
俺「何でそんなに見たいの?キモくない?」
ぶっちゃけ俺はキモイと思うんだけど!?
南城「全然キモくないよ!むしろ可愛いよ!」
堀北「ええ、可愛かったわよ」
かわ……はぁ!?
俺「ちょっと眼科行った方が良いよ。もしくは、頭の病院」
診てもらってきた方がいい
南城「可愛かったのに……あ、妹ちゃんにも見せてあげて聞いてみる?そしたら、私達がおかしくないって分かるよ!」
止めて!!
俺「それだけはダメ!
それを部屋に飾られたりしたら……俺は死ぬ
堀北「ダメなのね……コレを見れないなんて、可哀そうね」
可哀そうなのは、“俺”だよね!?
恥ずかしい女装の画像を拡散されそうになってる、俺だよね!?
南城「うんうん。可哀そう」
なんで!?
俺「もう、俺の女装については禁止で!」
既にアイツには女装したのはバレてるから……これ以上はダメだ
どうにかして、話しを逸らさないと……もう、いっそゲームするか
うん
そうしよう
俺「ちょっとゲームでもしない?」
南城「ゲーム?やるー!」
堀北「いいわね。私は苦手なんだから見てるわ」
ん?
そっか、それなら
俺「そんなに難しくないRPGがあるから、それやってみない?」
ターン制じゃないし、結構動かさないといけないから大変かもしれないけど
絶対楽しいから
堀北「私に合わせたら2人とも楽しめないんじゃない?」
俺「大丈夫だよ。皆で楽しむゲームだからさ」
久しぶりにあの本体も出してみないしな
俺「準備するから、ちょっと待ってて」
収納にしまったのが大分前だからなぁ
ソフトは……あ~、埋もれてて見えないな
発掘作業だな
本体は、確かこの奥に……あった!
前に積んであるやつを退かして、っと危なっ!?
崩れそうだったぁ……危ねぇ……
よし、コレを退かせば本体が出せるな
出せたぁ~……
本体を出して、ケーブルと繋いで……あ、そうそうコッチの方は電池がいるんだよな
ソフトを詰めた箱を出して、中から目的のタイトルを探す
えーっと……あ、これだ
テレビと本体を繋いで、電源繋いで、コントローラーの専用コードを本体にさして
通常のコントローラーとは違って、このゲームは携帯ゲーム機をコントローラーにするから
それも人数分繋いでっと
電源は入るな……
よし、これで準備完了っと
南城「珍しいね、コレ」
堀北「初めて見るわ」
俺「あ、うん。ちょっと古いゲームなんだよね。でも、絶対に面白いから」
俺だって携帯ゲーム機をコントローラーにできるゲームって、これくらいしかやった事ないから
珍しさは一番だよね
さ、世界を救う冒険の始まりだ!
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