第302話 体育祭打ち上げ

ピンポーン!とチャイムが鳴る


南城さんと堀北さんが来たかな


玄関に行き、ドアを開けると予想通り2人が来ていた


そういえば、2人の私服って久しぶりに見るな……


俺「ようこそ」


南城「お邪魔しま~す」

堀北「お邪魔します」


俺「さ、あがってよ」

2人を家に招き入れる


俺「とりあえず、俺の部屋行っててもらっていい?」

さて、お菓子とか準備するか


南城「うん!」

堀北さんと南城さんは階段を上がって、俺の部屋に向かう


確認しておいたお菓子と、冷蔵庫からジュースを出して

お盆に乗せて俺も自分の部屋に向かう


部屋に着くと、テーブルの上にお菓子が広げられていた?

俺「そのお菓子って」


南城「これね、春香が作ったんだって!凄いよね!」

へぇー


堀北「ちょっと、頑張ってみたの。どうかな」


俺「うん、凄いね。美味しそうだね」

キレイな見た目で、まるで売り物みたいだな

これは……アイシングクッキーかな

こっちは、アイスボックスか


随分と手の凝ったモノ作ったなぁ


南城「あ、私はコレ買ってきたよ!」

手荷物から取り出したのは、2Lペットボトルの紅茶だ

ありがたいな

お菓子の量に対して、家にある飲み物の量が足りなそうだったんだよね


俺「うん、南城さんもありがと」

コップを配って、ポテチとチョコをテーブルに乗せる


飲み物を各自好きな物を入れてもらえばいいかな


さて……どうやって、話しを切り出そうかな


俺も座って、テーブルを3人で囲う


俺「えっと……あ、そうそう。体育祭お疲れ様」


南城「あ、うん!お疲れ様!」


堀北「お疲れ様」


そう言えば、俺のせいでごたごたしちゃってクラスの打ち上げに参加できてないんだよね


俺「いやぁ、なんだかんだ体育祭面白かったね」


南城「うん……」

堀北「そう、ね」

あれ?

何か、予想と違う反応が返ってきた!?


……あ、そうか!

南城さんは借り物競争で負けちゃったし

堀北さんは障害物競争でエプロン姿を晒したんだっけ


俺は、まぁ……バレてないっぽいからセーフ!


俺「そう言えばさ、南城さん」


南城「モグモグ……何?」

何か、お菓子黙々と食べてるな


俺「借り物競争の時のお題って、何だったの?」


南城「んぐっ!?」

なんとなく気になってたことを聞いただけなのに、お菓子を喉に詰まらせちゃった!?

慌ててジュースで流し込む南城さん


俺「大丈夫?」


南城「う、うん。大丈夫、大丈夫」


俺「どうしたの?」


南城「え?何でもないよ?お菓子が美味しくて、つい頬ばちゃっただけだよ?」

なんで疑問系なの?


俺「そっか。それで、お題は」


南城「お菓子おいしーなー」

え?

そんなに言いたくない内容なの?


俺「堀北さんは知ってる?」

めっちゃ気になるじゃん


堀北「ええ、知ってるわ。お題はね」

教えて教えて!


南城「は、春香!言わないで!ね!?」

堀北「なんで?いいじゃない」

南城「ダメだよ!」

どうしてそんなにイヤがるのかなぁ?


俺「気になるなぁ」

隠されると、余計になぁ


堀北「ほら、彼もこう言ってるんだし」


南城「うぅ……」

何か、無理矢理聞くのは悪い気がしてきたな


南城「大切なヒト……」

うん?

それが言いたくなかった事?


俺「なんで言いたくなかったの?」

別に恥ずかしい事でもないし、イヤがる要素思いつかないけど


南城「だって!一番大切なヒトは君なのに……」

うっ……

なんでそんなに簡単に言えるかなぁ


堀北「ほら、Yさんとの約束があって君と接するのは制限してたから。迷った結果、私を連れてゴールしたのよ」

なるほど……それで、遅かったのか


俺「約束守ったんだから、良い事じゃん」

別に負い目に感じることなんて何もないよ


南城「それでも、君が一番だって思ってたから……」

そっか


俺「そんな事、気にしなくてもいいよ」

気持ちは嬉しいけどさ


俺「後は、堀北さんの障害物競争も凄い展開だったよね」


堀北「止めて、思い出させないで!」


南城「え?なんで?可愛かったよ!ね?」


俺「うん」

あれは、良かったなぁ


堀北「あ、あんなの私のキャラじゃないのよ……」

本気で恥ずかしそうにしてるけど

普通に似合ってたし、可愛かったのになぁ


南城「可愛かったのに……もったいな~い」


俺「確かに勿体ないなぁ」

また見たいなぁ


堀北「もう、二人して揶揄わないでよ!それに可愛かったって言うなら、あ~ちゃんも可愛かったじゃない!」

あ~ちゃん……って俺か!?


俺「いやいやいや、何言ってんの!?」


南城「あ、そうそう!まさか、あんな隠れた魅力があるなんて知らなかったよね!」

あれは、魅力じゃないよ!?


俺「いや、あれは」


南城「ねぇねぇ、あの衣装ってどうなったの?」

あの衣装か……

まだ処分してないから部屋にあるんだよなぁ

近いうちに捨てようと思ってたんだけど


俺「あれは……処分するから」


堀北「ってことは、持ってるのね?」

バレた……!?


俺「先に言っておくけど、着ないからね!?」


南城「え~、残念」

残念じゃありません!


堀北「捨てるくらいなら、欲しいのだけど」

何言ってるの!?


南城「あ、それなら私もー!」

南城さんまで!?


俺「いや、ダメだよ!」

ほんと、2人揃って何言ってんの!?

……あ、もしかして


俺「揶揄われてる……?」


南城「はは、やっと気付いた?」

そっかー

揶揄ってただけかぁ

これは、さっきの仕返しかな~


堀北「え……?」


俺「え?」

南城「え?」

堀北さん?

今、なんで「え?」って言ったの?


堀北「そ、そうよ。揶揄ってただけよ?本気な訳ないじゃない」

慌ててるのが見て分かるくらい動揺してる……


これ、本気だったな?


南城「春香……流石にそれはダメだよ……」


堀北「千秋!?」


シミジミと南城さんに諭される堀北さんという

珍しい姿を見れた


さて、大分会話も弾んできたことだし

そろそろ本題に入ろうかな

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