第301話 わがままだな、俺
アラームの音で目が覚めた……
全身のダルさを感じつつも、体を起こす
カーテンを開け、窓の外を見る
空はキレイな青空で雲一つない、晴天だ
腕を上に上げて伸びをする
肩と肘と背中がぐっと伸びる感覚が心地よい
そのまま腕を下ろしつつ息をゆっくり吐き出す
俺「ふぅーーーー……」
さて、起きるか
ベッドからノソノソと出て、パジャマから洋服に着替える
1階に下りて洗面所へ行き、寝癖を直しつつ歯磨きとうがいをする
ようやく眠気が無くなってきたな
キッチンへ行き、朝ご飯を探すと
ラップのかかった皿が1つある
中身は……サンドイッチか
ん?メモがあるな
怪我してるんだから
今日はお菓子とか作るんじゃないよ
母より
う~ん……お見通しかぁ
2人が来るし、おもてなし的に何か作ろうかなって思ってたんだけど
あんまり母さんに心配かけるわけにはいかないか
それじゃ、今日はストックしてあるお菓子を出すかな
せんべいと、ポテチとチョコと……あ、羊羹もあるのか
とりあえず、ポテチとチョコを用意しておいて
2人が来たら部屋に持って行こう
さて、お菓子作らないとなると時間が余るな……
あ、そうだ
アニメ観よ
夏アニメの最終回で観てないのがいくつかあったな
コップに水を入れて部屋に戻り、テレビとレコーダーの電源を入れる
レコーダーの準備が出来て、録画リストを開く
NEWの文字が沢山あるなぁ……
観るのが追い付いてない証拠だ
がっつり1日中アニメ三昧の日とか決めて、一気見するかな
その日はスマホも電源を切って、部屋の鍵もかけて、イヤホンして集中してアニメを観る
最高だな……
さて、現実逃避もそこそこに再生するか
とりあえず、気になってたアニメの続きからだな
ボーっと流れるアニメを観て、時間が経過していき
いくつかアニメを観終わる頃になると、2人が来る時間が差し迫っていた
あと2つくらい残ってたんだけど……またの機会にするか
テレビとレコーダーの電源を切って、1階のリビングへ下りる
チャイムが鳴るのを待ちつつ、今日どんな風に話そうか思案する
最初に……謝るべき、だよな
でその後、感謝してるって伝えて
これからの事を話し合いたいな
俺は2人に今一度、質問したい
本当に、今も俺の事を好きなのか
2人が好意を寄せてくれてるのは……嬉しいけど
人の気持ちってのは、移り行くモノだし
前は好きだったけど、だんだん興味がなくなったり幻滅したり
好きじゃなくなる理由は、いくつもある
だから、2人の“今”の気持ちが知りたい
もし、好きだって1回言っちゃったから
好きでいなきゃいけないって思ってたら
そんなことないよ、って言わないとな
今まで、女子に好かれた事なんて全然無いから
考えてもなかったけど……
好きって感情にも、鮮度っていうか期限みたいなモノはあるんじゃないかな
今の俺みたいに、ずっと答えを出さないで放置してたら
期限切れになって、好きじゃなくなるって事もありえるんだよな
もし、そうなったら……
わがままで、自己中すぎるけど
ショックを受けるだろうなぁ
ほんと、虫が良すぎる話だけど
俺が答えを出すまで、2人には俺を好きでいてほしいな……
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