第299話 怪我して帰宅
俺「ただいまー」
妹「あ、おにぃ!おかえりー、って……何それ!?」
何で、玄関にいるんだよ!?
俺「あ、ああ。色々あってな……そんな事より、お前どっか行くのか?」
妹「そんな事じゃないよ!もう!お母さーん!!」
おい!
なんで母さん呼ぶんだよ!?
母「もう、今度は何よ……って、アンタその怪我どうしたのよ!?」
はぁ……もう……!
俺「色々あったんだよ……ちゃんと説明するから、入れてくれ」
玄関で足止めされたままじゃ、ゆっくり話せないだろ……
俺は荷物を廊下に置いておき
母さんはキッチンへ戻り夕飯の支度を途中でやめた
妹は、俺が逃げないように怪我してない方の腕を掴む
逃げるつもりはないから、話して欲しいんだけど……
リビングに3人揃ってから、俺は話すことを考える
さて、どうしようか
俺「えっと、まず何かた話そうかな……」
妹「お母さん……」
母「まずは、その怪我について話しなさい。何があったの?」
俺「ああ、うん。
母「襲わっ……そう、それで?」
驚いて、叫びそうになって
しかし、話しの続きを聞くことにしたみたいだ
俺「危ない所を、南城さんと堀北さんと四季島と
いつもの事だけど
助けられっぱなしだな
母「それで、その怪我はどの程度なの?」
怪我ね
俺「大した事はないってさ、四季島の病院で診てもらったよ」
ほんと、助かったよ
母「そう。……よかったわ!」
グッ、と怪我をした方の俺の腕を掴んだ!?
俺「いったぁーーー!?離せ!!いだだだだ!」
なんで強くした!?
痛いんだよ!
母「何よ、痛いんじゃないの!何が大したことないよ!」
当たり前だろうがっ!!
俺「怪我してんだから、痛いに決まってるだろって……いい加減離せぇ!」
母「うん?今、なんて?」
握力強っ!
なんで!?
俺何かした!?
いや、怪我はしたけどっ
俺「いだだだだ!ごめんなさい!離してください!!ほんと、もう、無理!痛い!痛いから!」
やっと離してくれたぁ……
俺「傷口開いたらどうしてくれんだよ、もう……」
痛いなぁ
妹「傷口!?」
そんな、驚くことじゃないだろ!?
俺「怪我したんだから、傷口くらいあるの当たり前だろ!」
はぁ、もう……まだジンジンする……
さすっていると、包帯に赤いシミが一筋できる
あ~、もう傷口開いちゃったじゃん!
掠った程度でも、切られたらこんなに痛いんだな……
Dさん、大丈夫かな……
母「ちょっと、それ外して見せなさい!」
またも傷のある腕を掴まれる
俺「ちょ、痛い!痛いから!」
腕の包帯をぐるぐると外し、傷口を確認する母さん
母「ちょっと、これ」
妹「切り傷?」
もう、バレたかぁ……
俺「あ~、うん……。襲ってきた女子が刃物持ってて、軽くかすっただけだよ」
浅いから大丈夫
母「刃物!?」
俺「あ~あ、折角塞がってたのに……」
プクリと血の球ができる
零れる前にティッシュで拭う
母「今救急箱持ってくるわ」
さっと、立ち上がって救急箱を取りに行く母さん
妹「おにぃ、先輩達が助けにきてくれたって言ってたよね?なんでそんな怪我してるの!?」
俺「ちょっと避け損ねたんだよ。別に南城さん達が来たからって怪我しない訳じゃないからな?今までだって、なんだかんだ怪我してたし」
妹「だって、それにしたって……」
俺「まぁ、怪我したけど大丈夫だったって事で。だからお前も、これ以上気にするな」
とりあえず、妹を強引に納得させる
そんな中、母さんが手当をしてくれて包帯を巻きなおしてくれる
母「もう、怪我したならちゃんと言いなさいよね」
そんなボソッと言わなくても……
俺「怪我したのはちゃんと説明したでしょ」
母「ちゃんとは説明してないでしょ?」
う……だって
俺「心配かけたくなかったから」
かすり傷程度だし
母「ちゃんと説明してくれない方が、心配になるわよ……」
……はぁ
俺「ごめんなさい」
母「もう、怪我するなって言っても無駄なのはわかったから。せめてしっかりと説明しなさい」
俺「はい……」
あ~あ……
また、心配増やしちゃったな
あ、そうだ
明日の事言っておかないと
俺「明日、南城さんと堀北さんウチに呼んだから」
母「今日の明日で、何するの?」
俺「助けてくれた事のお礼とかゆっくり話そうかなって」
妹「先輩達来るんだ」
俺「ああ、来るぞ。さて、話しは終わったし夕飯にしようよ。俺お腹すいちゃったよ」
母「そうね。そろそろ支度終わるから、そのまま座って待ってなさい」
俺「はーい」
はぁー……やっと、終わったなぁ
何だかんだ、長かったなぁ
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