第290話 助かっ……てない!?

俺「四季島っ!?」


屋上のドアを蹴破り派手に出てきたのは、四季島だった!



四季島「お前、またトラブルかよ……」

好きでトラブってる訳じゃない!!


南城「私達もいるよー!」

堀北「A君、無事!?」

四季島の後ろから2人も出てきて、3人が横に並ぶ


俺「南城さん……堀北さん……」

来てくれたんだ……


女子1「南城 千秋……」

憎しみの籠った声で名前を呼ぶ


南城「何かな?」

ニコニコしてるけど、絶対に怒ってる……!

マズイっ……

このままじゃ、また……

あの時の二の舞だ


女子1「彼の仇!!」

錯乱でもしたのか、ペティナイフを手に南城さんにまっすぐ突っ込んでいく


俺「やめろー!」

そんな無駄死にして誰が喜ぶっていうんだよ!!


四季島「危ない、なっ!!」

南城さんを庇う様に1歩前へ出た四季島が、女子1手首を掴み捻り上げる


女子1「うぁっ……痛い痛い痛い痛い」

あまりの激痛にペティナイフを手から離す女子1


カランカランと音を立てて落ちたペティナイフを、四季島が足で遠くへ弾く

これで、女子1にはもう何もできない

残るはカッターナイフを持った女子3だけ


目の前で簡単に無力化された女子1を見て、女子3はもう戦意が無くなってきている


そのまま大人しく、投降してくれるかな


と楽観視していたのが、いけなかったのか……

女子3が俺の方へ走ってきて、俺にカッターナイフを突きつける


女子3「動かないで!動けばコイツは殺す!!」

元から殺す気だったでしょ!?


女子3「四季島くん、Lを離して!」

あの包丁女、Lっていうのか……


四季島「チッ……」

女子3の要求を呑んで女子1の手を離す


手首を抑えつつ、四季島達から距離を取り俺のいる方へ歩くLさん

今が最大のチャンスかな……?

Lさんが解放されて、要求が1度通った事で安心した女子3はきっと油断してる


俺「堀北さん!Dさ、Yさんを!!」

倒れて動かないDさんを指さす


間に合ってくれ……!

俺の意思を汲んで、サッとDさんに駆け寄る堀北さん


女子3「う、動くな!!!」

カッターナイフの刃が俺の首に食い込み、薄く皮膚を切る


堀北「これは……千秋っ!先生呼んできて!あと職員室で救急車!」


南城「春香、でもA君が!」


堀北「急がないと、手遅れになるから!走って!!」

俺「行って!南城さん!!」


南城「う、うん!わかった!春香……頼んだよ!」

階段の方へ走っていく


南城さんが抜けて

堀北さんはDさんの傍に付いて動けない


唯一動けるのは四季島だけだが、俺が人質になっていて手が出せない


あまり、好転したとは言えない状況だ


俺「四季島……無茶な事言っていいか?」


四季島「無茶?お前基準の無茶なんて、俺には無茶じゃないな。言ってみろ」

さすが四季島……頼りになるな


俺「この女子たちが消えない様にしてくれ!」

きっと、この女子たちは……消える事を望んでる

名前持ちの手によって、抹消されたがってる


女子1「黙れ!」

女子3「それ以上話したら、切るよ!」

より強く押し付けられた刃が、俺の首に食い込み

とうとう血が垂れ始める


四季島「なんで庇う?お前、殺されそうになってるんだぞ?」


俺「それは……後で。解決したらゆっくり話すよ」


女子3「喋るなって言ってんの!!」

刃が更に食い込み、いよいよ痛みが強くなってきた





さて……この後、どうするかなぁ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る