第287話 Yさんが来た

しばらく待つと、屋上のドアが開き

Yさんが現れた


俺以外にも屋上に人が居て、少し驚いていた


小走りでコッチに駆け寄るYさん


Y「お待たせ」

今来たとこ……ではないな


俺「今日は、話してくれるんだよね?」


Y「うん……」


躊躇いがちに頷くYさんは、やっぱり言い出しにくそうだった


俺「どうする?場所変える?」

他の人がいると話しづらいよね?


Y「えっと……」

女子1「?やっと来たんだ!待ってたよ~」

俺の後から来た女子がいきなりYさんに声をかけてきた!?


女子2「やっぱそいつが、Aなんだ」

俺?

Yさんと俺が屋上で話しをするのを知っていた!?


女子3「なら、サッサとヤッちゃおうよ。が来ると厄介だし」

ヤッちゃうって何!?

もしかしてっちゃう!?


なーんて、そんなマンガみたいな事あるわけないか!


おかしいなぁ

……なんで女子3は手にカッターナイフ握ってるのかなぁ?

危ないから、仕舞った方がいいよ?

誰かがケガしちゃうよ?



Y「ま、待って!彼は悪くないかもしれないの!!」

俺を背に庇う様に立つYさん


女子1「はぁ?彼?何言ってんの?ソイツのせいでアンタがどんな目に遭ったか忘れちゃったの?」

女子2「もしかしてぇ~、好きになっちゃったとかっ!?」

女子3「ないわー。想い人を殺されて、殺した張本人を好きになるなんてありえないわー」

俺に想い人を殺された……?

何の話しだ!?

俺は殺人なんてしてないぞ!?


Y「違うの!」

女子1「何が違うっていうのよ!?その男を庇って、何のつもり!まさかソイツに唆されたの!?」

女子2「あ~、それはあり得るかも!だってAって言ったら女たらしで有名だもんね!」

そうなの!?

めちゃくちゃ心外なんだけども!!


女子3「惚れてないって言うなら、アンタがりなよ。一番怨んでたアンタがさ。持ってきてるでしょ?

カッターナイフをYさんに向ける女子3


女子1「さっさと終わらせて、帰りにクレープでも食べに行こうよ。怨みを晴らした祝勝会だよ?パーッと晴れやかにさ」

怨み?

何の話しだよ!?


俺「Yさん、これどういう事?」

なんで俺命狙われてるの!?


Y「ごめんね……まさかあの子達が先に来てるとは思わなくて……」

あの女子3人とYさんは、何か繋がりがある?

Yさんを含む全員が俺に何かしらの怨みを持っている?


俺「何か理由があるなら話して。どうして俺を殺そうとしてるの?」


Y「それは……」

言い淀むYさん


女子2「話してやれば?自分が何したのか分かってないみたいじゃん?どうせ殺すんだし、別れ話にはちょうど良いじゃん」


暫くの沈黙の後

Yさんは時間をかけて、やっと口を開くと

Y「私達は……A君に、怨みを持ってるの」

怨みって、何でだ?

女子から恨まれるような事、してないと思うんだけど……!?


女子1「じれったいなぁ。ズバッと言っちゃいなよ!『私の想い人はアンタのせいで死んだ』って!」

⁉⁉


俺「え……どういう事!?」


まったく身に覚えがないんだけど……!?

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