第285話 まもなく体育祭終了

俺「次の種目って何だ?」


B「お前、少しは自分で調べろよ」

そんな事言ったって、俺プログラム書いてある紙持ってないし


D「次は……短距離走だな」

短距離走って、午前やるんじゃなかったっけ?


俺「午前やってなかったか?」


B「午前やったのは、中距離走だぞ」

なんだ、それ……初めて聞いた


俺「中距離走って何?」


D「そのまんまの意味だよ。長距離と短距離の間」

え?


俺「そんな種目あったのか……」

種目決めの時は、無かった気がするんだけど


B「ああ、なんか途中で校長が種目を変えたらしいぞ……お前ずっと応援団に掛かりっきりだったから知らなかったのか」

そう、初耳なんだけど……


俺「他にも変えた種目ってあったのか?」

午前は最後の練習に集中してて見て無かったからな……


D「え~っと……コレと、コレとコレもだ」

種目の書かれた紙を見せながら教えてくれる


そこに書かれた種目は、どれも聞いた事のないモノだった……


竹馬リレー……第一匍匐ほふく前進競走……ブリッジ走……


何だこの種目……!?

これを校長が?

もしかして……新しい校長ってバカなんじゃねぇかな


B「因みに、俺は匍匐前進に出るはめになった……校長は絶許」

D「俺は竹馬リレーだった……あんなん勝てるわけねーよ……」


なんか、応援団の方がマシだった気がしてきたな……



BとDと駄弁っている間に短距離走が始まっていた

うちのクラスからは……ああ、あいつか

えっとP……だっけか?

あいつ、足速いんだな……


短距離走はあっという間に終わり

点差は、少しだけ白組がリードか……

中々に接戦だな



『いよいよ、次で最後の種目になりました!最後はこの種目!400m×5人のリレーです!選手は入場ゲートへ集まってください』


次で最後か……


俺「この種目に出るのって確か……四季島だったよな?」


B「そうだぞ」

D「まぁ、あいつが出るから勝ち確だし。今年は紅組が勝ちは貰ったな」


四季島が負けるってのは想像できないし

Dの言う通り、こっちの勝ちは揺るがないな



見るまでもないし、放課後ではないけど屋上に向かうか


ちょっとくらいなら、早く行っても大丈夫だろ


俺「ちょっと校舎行ってくる」


D「トイレか~?」

B「いってらー」


BとDはやる気無さそうに俺を見送り

俺は一人校舎へ向かう


真っ直ぐ屋上へ向かう途中、借り物競争担当の実行委員数人とすれ違った

殆どの生徒は校庭で観戦してるから、校舎の中はやっぱ人気は少ないな


屋上まで行くと、まだYさんは来ていないみたいだった


近くのベンチに腰を下ろし、校庭から聞こえる歓声を聞きながら

空を見上げる


キレイな青空だ……

もこもこの白い雲もあって、まさに夏の空って感じがするなぁ




写真に残したい気もするけど、それはそれで無粋な気もするな


ぼーっと眺めていると、ガチャリと屋上のドアが開く音がした


もうYさん来たのかな?

そう思って空から視線を下ろすと、視界に入ったのはYさんではなく知らない女子だった


珍しい人もいるもんだ……


四季島が出てる種目を見ないって事は、他の名前持ちのファンなのかな


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