第284話 栄えある1位は……
一早く顔を見せたのは、堀北さんだ!!
しかし、校舎に入った時とはちょっと違う恰好をしていた
体操着はそのままだけど、フリルのエプロン?
手にはお玉とフライパン?
そして、大きなリボンで髪をポニテにしてある
障害物競争って……何だっけ?
よく見ると顔を紅く染めて、恥ずかしそうにしてる
まさか、あんな恰好で全校生徒の前に出るとは思っていなかったよな
……俺が言えた事じゃないけどさ!
そして、トラックを一周してゴール!
一着は堀北さんだ
これでまた紅組が少しリードかな
次に出て来たのは……白組の
残念だけど1、2位を紅組が取るって展開にはならなかったな
白組の
俺の見てるのが幻覚じゃないなら……メリケンサックだよな
そして翻る白衣の下に尻尾が付いていた……
メチャクチャだな
統一感ゼロ!
なんであんな恰好になったんだ……?
ま、まぁ……何かあったんだろうな
そして、次に出て来たのはまたも
でも、紅組だからこのままゴールすれば1位と3位が取れるから紅組優勢になりそうだな!
よし!頑張れ!知らない人!
この人は、玩具の髭付き眼鏡付けてるな……
頭にはちょんまげの被り物、足には泳ぐ時に付けるヒレかな?
手には手錠を持って必死に走る
もう、なんか、可哀そうだな……
後は仁科さんだけど……あ!出て来た!
頑張って走ってるけど、普段そんなに走らないからかな
足遅いなぁ……
仁科さんの恰好は……また恥ずかしそうだな
うさ耳カチューシャに、肉球手袋、低いヒールの靴
そして、首から大きなおもちゃの懐中時計?
このアイテムのチョイスを考えた奴……センスないだろ
結局、順位は変動せず2着は白組の名前無し
3着は紅組の名前無し
途中で二人が棄権したから、これで障害物競争は終わりか……
そして、1位の堀北さんにインタビューをしに実行委員の1人が校庭に出て来た
『お疲れ様です!1位おめでとうございます!』
堀北『ありがとう……ございます……』
『素晴らしい走りでした!そして、その統一感!さすが
それ言ったら仁科さんが可哀そうだろ!?
堀北『えっと……この恰好、なんなんですか?』
『ただ走るだけでは面白みが足りない!!と校長先生がおっしゃるので面白みを足してみたんです!』
校長って変な人なんだなぁ
堀北『校長……面白み?』
『ランダムで身につけるアイテムを変えて、どんな面白いカッコになるかって企画だったんですが……
もう、それイジメの域じゃね……
堀北『そ、そうなの……?』
『それはそうと、一つお願いがあるんですけど宜しいですか!?』
ん?
インタビューだけじゃないのか?
堀北『何かしら?』
きっと堀北さんは早くアイテム外したいんだろうなぁ
『お帰りなさい、ア・ナ・タ(ハート)……って言ってくれませんか!?』
堀北『え?何で?』
『みんなも聞きたいですよねー!?』
あっちコッチから『聞きたーい!』と声が上がる
そりゃ、聞きたいか聞きたくないかで言えば……聞きたいよ?
でも、そんな無茶振りを堀北さんにするのはあんまりだろ
折角1位取ったのに……まさかの罰ゲームさせられるなんて
『はい。という訳で、お願いします!3、2、1、Q』
堀北『え?え?……お…お帰りなさい、貴方……』
や、やってくれた……!?
流石に、あの場では断り切れないか……
『ありがとうございました!以上!1位突撃インタビューでした!』
全校生徒に拍手をされながら、退場する堀北さんは
顔を真っ赤に染めていた……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます