第283話 障害物競走

ピストルの音と共に走り出す堀北さん


ちょっと遅れて仁科さんが走り出す


他の名前無したちも一斉に走り出し、1つ目の障害物に向かう


トラックに置いてあるのは、定番の平均台

子供だましも大概にした方がいいと思うけど、コレ落ちる人いるのかな?


堀北さんは台に乗るとほぼ減速せず、一気に走り抜ける


仁科さんは、乗ってから一度止まり歩き出した


そうこうしてるうちに、他の名前無しがスタスタと平均台を進んでいき仁科さんを追い抜いていった


首位を独走するのは堀北さんだ


次の障害物は……ハードル、だと!?

平均台ってなんだったの!?


ペースの若干落ちた堀北さんに後続の名前無しが肉薄する

慌てて速度を上げるけど、並ばれてしまう


そのまま横一列に並んでハードルを越えて行く

名前無しの1人が1本目のハードルに足を引っかけて盛大にこける


すぐに立ち上がったけど、こけた拍子に膝をケガしたみたいだ……

あれじゃ、もう全力疾走は無理そうだな


ハードルが終わる時には、堀北さんは順位を一気に落とし3位

名前無しの2人が1位と2位を競っていた


3つ目の障害は……ネット潜り!?

また、子供だましかよ!



1位、2位の名前無しがネットに潜り

続い堀北さん、名前無しの1人、仁科さんがネットの所へ到着する


膝をケガした生徒は、途中で棄権したみたいだ


躊躇わず、ネットに潜り込んでいく

そして、簡単にネットを抜けて次の障害物へ向かった

校庭にあるのは、次で最後か


最後の障害物は、机と椅子?


1位と2位の名前無しが椅子に座って、机を見つめる

何してんだ?


少しして、堀北さん達が机と椅子の所に着く


全員が着席し、唯一堀北さんだけが何かを手にした

あれは……ペン?


何かをとんでもなく速く書き込む堀北さん

そして、ほどなくして書き終わり紙を1枚掴んで先の大きな机の元へ向かう


そこには1人の先生がいた


紙を先生に渡し、少し待つと先生が拍手をしてくれる


そのまま、堀北さんは校舎の中へ入って行った



もしかして……あの紙って

俺「テスト?」

何でそんなもん用意してんだよ!

確かに障害物だけど!だけどさ!


B「マジかよ……」

D「体育祭で、テストとか……鬼かよ」


次にテストを抜け出したのは名前無しの2人だった


その後仁科さんも抜けて残ったのは名前無しが1人だ

どうやら、勉強は苦手な名前無しだったみたいだ


もう問題が解けないと諦めて、机に突っ伏してふて寝し始めた


あれは……リタイアだな


校舎の中でどんな競走が繰り広げられてるのかは、見る事ができない

よって、凄いヒマである!

もうホント、コレ考えた奴バカなんじゃない!?


『えー、それでは校舎の中…チェックポイントの委員と通話をしてみます!まずは職員室から!もしもーし!』

『はーい!こちら職員室担当です!ただいまこちらのチェックポイントを通過したのは堀北さんと白組の1人の2人です!』

『他の走者は来てないんですね!?』

『はい!おそらく別のチェックポイントに先に向かったと思います!』

なるほど……どこから回るかも走ってる人次第なのか


『それでは、次は……』


職員室との通話を切って、他のチェックポイントの担当者と通話を繋ぎ

状況を音声で知らせる




コレ、もし予算があれば来年はカメラとテレビで中継でもするんじゃないか?


そのまま障害物競争は着々と進み


1人が一早く校舎から出て来た!!

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