第279話 応援合戦の余韻
紅組応援団の控室に戻ってきて、ホッと一安心した途端
その場に崩れ、床にへたり込む
いやぁ……キツかったぁ
Y「え!?A君!?大丈夫!?」
追いかけて教室に入ってきたYさんが床に座る俺を見て、驚いて声をかけてくる
俺「大丈夫~、疲れただけ……めっちゃ緊張してたせいかな、終わったぁって思ったら力抜けちゃってさ」
Y「そっか……私もめっちゃ緊張してたけど、A君が手を握ってくれたから平気になったよ。A君のお陰だよ、ありがとね!」
俺「いや、大した事じゃないから。でも、Yさんの力になれたみたいで良かったよ」
教室には俺とYさんの二人だけがいて、他のメンバーはまだ戻ってくる気配はない
何かトラブルでもあったのか、それとも普通に次の競技を見てるのか
俺は着替えとかしないといけないから、一度戻ってくる必要があったんだけど
Yさんは、その衣装気に入ってたみたいだしそのまま観戦してても良かったんじゃないかな?
Y「あ、そうそう。次ってホントにやるの?」
次?
俺「ん~?」
何の話?
Y「ステージ!本当に文化祭でやるつもりなのかなぁって」
あ~、あれね
俺「多分やらないんじゃないかな……その頃には、もう皆忘れてると思うし」
むしろ、そうであってほしいし
Y「な~んだ、やんないんだ……」
え?
俺「もしかして、やりたい?」
Y「うん!すっごく楽しかったから、またやりたいなって!!」
そっかー……
俺「それじゃ、やるかー」
この衣装も1回だけしか使わないのは勿体ないし
俺も何だかんだ楽しかったし
Y「え?いいの!?」
俺「いいよ。次は文化祭ね」
まぁ、文化祭ならまだ先だし
Y「うん!約束だよ!」
俺「うん」
南城さん達も、それくらいならきっと怒らないだろ
そんな話をしてる内に体に力が戻ってきて、やっと立てるまでに回復した
俺「さて、着替えるかな」
Y「もう着替えちゃうの?」
俺「早く脱ぎたいからね」
Y「そっか。それじゃ最後に一緒に写真撮ろうよ!想い出に残したいから!」
え~……俺は残したくないんだけど……
俺「誰にも見せない?」
Y「うん!だから、ね!?」
う~ん……
しょーがないか
俺「分かったよ。1枚だけだよ?」
Yさんの横に並ぶと、何故かピタッとくっついてくる
俺「なんで、そんなにくっつくの?撮り辛いんだけど?」
Y「いーから、いーから!はい、チーズ!」
ってスマホ手にしてるの俺なんだけど!?
俺「撮るよー」
カシャッ
とシャッター音が鳴り、パッと見は2人の女子の仲良しツーショットが完成する
Yさんのスマホへ画像を送り、それを確認したYさんはとても大事そうに胸に抱いた
Y「ありがと!最高の想い出だよ!」
喜んでくれたみたいだけど……どことなく悲しそうな声にも聞こえた
きっと気のせいだよね?
Y「それじゃ、また後でね!」
もう満足したのか、Yさんは教室を出て行き
やっと俺は体操着に着替える事が出来た
多分Yさんも体操着に着替えに行ったんだろうな
サクッと着替えた後、ある重大な事に気がついた……
俺、化粧したままじゃん!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます