第268話 Yさんの事が心配だ

スマホを取り出して、Yさんへメッセージを送る

なんて送ろうかな……

元気?…なわけないよな

大丈夫って聞いても、きっと大丈夫って返ってくるよな

とりあえず、返信が来るかの確認からだな


A やっほー

送信っと

後は、返事が返ってきてから考えるとしよう


スマホをポケットに入れた瞬間、新着を報せるバイブレーションが伝わってきた

再びスマホを取り出すと

Yさんから返信が来ていた!


よかった、返信するくらいの元気はあるみたいだな


Y やっほー

でも、文面はオウム返しか……


A 明日は、応援団来る?


Y わからない

分からないかぁ


A そっか

  おっけー

  団長には伝えておくよ

できるだけ明るく、軽い文面にしないとな


Y ありがと


A それじゃ、また明日ね


Y うん、またね









文面的に、やっぱり元気はなさそうだな

辛うじて返事をくれてるけど……

Yさん、どうしちゃったんだろうなぁ


昼休みの“実は俺を好きじゃない”って話しが関係してるのは確実なんだけど

所謂、罰ゲームか何かだったのかな?

それで罪悪感を感じて?

もしそうなら、2通りの可能性があるな……


1.女子の間でそういうのが流行っていて、軽い気持ちで俺に声をかけた

  しかし、自分のやってる事が良くない事だと気付いてしまった

とか?


その場合、俺が気にしないでいいよって声をかければ解決しそうだな


もう一つの可能性は

2.実はYさんはイジメられてて、俺と付き合わないともっと酷い目に遭うと脅されていた


最悪のパターンだけど、無いとは言い切れない……


こっちの場合、俺が手出し出来る事は無いに等しい

イジメてる側に俺が文句を言っても、聞き入れる訳ない

もし俺がそんな事をしたら、腹いせにYさんへ危害を加えるかもしれない

そしたら、Yさんがどんな目に遭うか分かったもんじゃない……


困ったなぁ

Yさんと一緒にいて、俺も楽しかったし

何とか力になってあげたいのに……


もし二人っきりで話す機会が出来たら、確認だけしてみよう

もし2の場合は、一緒に何か出来ないか話し合おう


よし!

まだイジメられてるって決まったわけじゃないし

俺まで暗い気持ちになったって何も解決しないよな


帰ってアニメ観よっと!!







帰宅していつもの様に自室でアニメを観てから、夕飯を食べて、風呂に入って

翌日に備える





















翌日から、Yさんが学校を休んだ

団長には体育祭当日はちゃんと来ると約束したみたいだけど

本当に来れるのかな……


このまま不登校とか……そんな事になる可能性もあったんだな

でも、俺が弱気になっちゃダメだ!


これは……一気に2の疑惑が深まったし

最悪……解決には他の誰かの手を借りる必要があるな




応援団で、俺は俺でYさんがいつ来てもいいように

練習とか掛け声の話し合いとかに精を出した


いざYさんが戻ってきた時に、俺が足を引っ張るなんて事にならないようにしないと

ダンスに関しては団長がYさんへ動画を送ったらしいし

きっとYさんなら、家で自主練してる

あんだけカラオケで熱心に練習するような人だ

ダンスとかも手を抜く事はきっとない





そして、とうとうYさんが休んだまま体育祭前日になった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る