第258話 俺の衣装……?

団長「それじゃ、早速着替えてもらう?」


「そうですね。男子の方は自分が手伝うんで、女子の方に3人くらいサポート付けてください」


「私手伝います!!」

「私もー!」

「じゃあ私もー!」

Yさんの衣装を着るサポートに次々手を上げる団長サポート係の女子たち


団長「そ、それじゃお願いしようかな。えっと、この前使った空き教室で着替えてきてくれるかしら?」

「「「はーい!」」」

返事早っ!?


Y「わ、わかりました」



そしてYさん達は衣装の説明を受けて、教室を出て行った


なぜか、衣装製作担当の男子の手には可愛いフリフリの衣装が残っている


Yさん、衣装忘れてないかな!?

もしくは取り違えてるんじゃないかな!?


団長「それじゃ、男子の方はお願いね。はーい、みんなー!一旦教室出るわよー!」

バックダンサー組やそれ以外のメンバーも全員が教室を出て行く

俺とフリフリ衣装を持った男子を残して……


全員が出て行ったのを確認し、そいつが俺に近付いてきた


「それじゃ、お着替えしましょうか」

コイツ、ぶん殴りてぇ……


俺「なぁ、ソレ……女子用じゃないか?」

どう見てもスカートだろ……!


「いえ、アナタ用ですよ」

ホントに俺用かよ……


俺「俺、ズボンがいいなぁ」


「残念ながら却下です。もう一人の方と対のデザインにされてるので、大きな変更は出来ません」

マジかよ……


俺「ソレ、本当に俺が着なきゃダメなの?」

すっごく嫌なんだけど


「何言ってるんですか、当たり前じゃないですか」

当たり前じゃねーよ!


「いい加減着替えてくださいよ。まだ調整とかするんですから」


俺「イヤだと言ったら?」


「却下です。みんな廊下で待ってるんですから、早くしてください」

コイツ、後で絶対どついてやる……


俺「はぁ……」

渋々、俺は今着てる制服を脱ぐ


「それじゃ、まずはコレです」

手渡されたのはブラウスだった

やっぱり女子用じゃねーか!


袖に腕を通し、ボタンを……あれ?いつもと同じ?

男女でボタンの向きって逆じゃなかったっけ?

俺「あれ……?」


「どうしたんですか?早く着替えてくださいよ」


俺「あ、ああ」

間違って覚えてたのか……?


「次はコレです」

手渡されたのは短い……短パン?

これ履けばいいのか?

とりあえず、コレで下着姿ではなくなったな


「次はこれです」

手渡されたのは……スカートなんだが!?


俺「コレ、普通にスカートだよな!?」

さっきから見えてはいたけど、本当に俺に着させる気なのか!?


「いえ、それはステージ衣装です」

そういう事言ってんじゃねーよ!


「着方分かりますか?まずはそれを腰の辺りまで持ち上げてもらって、ホックという留め金があるので見える位置で留めてください。その後、スカっじゃくて衣装の正面を前に持ってきます」

今、スカートって言いかけただろ!?


俺「こ、こうか?」

「そうです。次はジャケットです」

手渡された上着を羽織る

この上着、何かごちゃごちゃ飾りが付いてるな……


「着心地はどうですか?どっかキツイとかそういうのありますか?」

精神的にキツいの意外は快適だよ……


「大丈夫なら後は、装飾品ですね。ウィッグの経験は?」

ウィッグってカツラだろ!?


俺「無いよ!あるわけないだろ!?」

一般的な男子は基本的にカツラなんて被らないからな!?


「それじゃ、俺がやりますから椅子に座ってじっとしててください」

丁寧に良く分からないネットで髪を覆い

慎重にロングの黒髪のカツラを被せる

手際いいな!?


「出来ました。それじゃ、後は……カチューシャと、手袋とソックスですね」

有無を言わせずカチューシャを頭に嵌められる

よく見てなかったけど、何かくっついてたよな!?


「ソックスはコレです」

白く長い靴下が出て来た……

コレ、長すぎないか!?

よくこんな長い靴下売ってるなぁ

上履きを一旦脱いで、学校指定の靴下を脱いで

長ーい靴下を履く

うわぁ……太もも辺りまであるな……


「最後に手袋です」

最後に渡された白い手袋を自分でつけて、一応は着替えが終わった……


俺「終わった……」

着替えだけじゃなくて、色々と……


「全体的なバランスは、悪くないですね。少しスカート短くしたいですね……あ、そうだ!サスペンダーもアリですね!明日持ってきます」

これ以上面倒なのはイヤなんだけど!?


「それじゃ、団長さん達呼んできますね!」


俺「ちょ、まっ」

「皆さ~ん!着替え終わりました!入ってきてください」


真っ先に入ってきたのは、団長だった


団長「……!?凄いわね」


俺「これ、団長の指示ですよね?」

今俺がこんな恰好をさせられてるのは、お前のせいだよな!?


団長「そうよ。良いわ!とってもいい!似合ってるわ!!」

嬉しくない!!

あ~もう、早く制服に着替えたい……


団長の後に続いて入ってきた他のメンバーは俺の姿を見て……

自分じゃなくて良かったと、口を揃えて言っていた


お前ら、全員許さないからな!?

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